皿 | ここは

ここは

あたりまえだったこと達が
あたりまえではなくなった時

ふわふわした感覚の中


食器を片付けていたら
お皿を落とし 割ってしまった




綺麗に体を2つに別けた黒い皿





君が言う

僕とあの時
結婚していなかったら
君は今、僕と結婚してるかな?


私は応える

実際に起きていないことだから
わからない



君は聞く

僕とあの時
結婚していなかったら
君は今、誰かと結婚してるかな?



私は応える

実際に起きてないことだから
わからないけれど、生涯に一度は
結婚したいと思ってたと思う




君は更に問う

もし他の人と結婚してたら
幸せだったと思う?


実際に結婚していないからわからない


じゃあ、他の人と結婚していたら…
と仮定したことは?



私は小さな嘘をついた


したことないよ
だって私は結婚にあまり
向いている方ではないと思うから




ほんとはある

でも
いくら想像したって
幸せな自分が浮かんだ後は
必ず塞ぎ込む自分が現れる



居住空間を
人と深く交わりながら
保つことがどうしても苦手だから



だから

想像はしても
決して幸せではなかったよ



質問の真相は聞かなかった



会話は途切れ
君は寝室に消えた



残った私は
天井を見つめ


体を2つに裂いた皿を想う
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