はじめまして。心理カウンセラーの 高緑ひろみ です。
主にアダルトチルドレンの方の心理カウンセリングを行っています。
アダルトチルドレンとは、子どもの生育に悪影響を与える機能不全家族のもとで育ち、成長してもなお、精神的にその影響を受け続ける人々のことです。
あなたが何故かわからないけど上手くいかないなぁとか、生きづらいなぁと感じているなら、もしかしてアダルトチルドレンかもしれません。
ネット上でも様々なタイプの毒親が紹介されていますが、私が考えている毒親と呼ばれている人たちの特性は下記のとおりです。
- 内省する(自分の心と向き合い、自分の考えや言動について振り返る)ことはほとんどなく、自己嫌悪に陥っても、すぐに他人や環境のせいにする。
- 自分のしたことに責任を取らない。
- 自分の問題は、自分以外の人間が解決してくれると信じている。
- 自分の機嫌は、自分以外の人間が取ってくれるものだと信じている。
- そもそも、共感能力が低い。
- そもそも、育児能力が低い。
- 自分をコントロールする能力が低く、不安や恐怖から逃れるために衝動的にしゃべったり、行動したりすることが多い。
- 我慢したり、深く考えたりして行動できないため、常にイライラして感情が安定しない。
- 自分と似ているタイプの子どもは、暴れると厄介だとわかっているので、しっかりしていて我慢強い子どもになんとかするよう強要する。
- 問題に対する対処の仕方が未熟。
- 相手と心が触れあう体験をほとんどしていないため、精神を成熟させていくことは難しい。
- 今現在の問題にしか集中できず、マルチタスクが苦手。
- 子どもに対して関心が低く、中長期的な子どもの未来予想図を描くことができない。
- 子どもよりも自分のことが一番大事(バランスが取れない)。
- 自分のアイデンティティが確立していないため、世間体を気にする。
キーワードでまとめると、
- 内省できない
- 他人や環境のせいにする(無責任)
- 自制できない(情緒不安定)
- 心のふれあいに無関心
- 共感能力が低い
- 育児能力が低い
- 今がよければいい
- 世間の評価に過剰反応する
- 自分の都合や目標を一番に考える(自己中心的)
上記の特徴を見ていると、大人の社会人とは思えない人物像がイメージされます。
とても未熟ですし、これからも精神的な成長は期待できそうに思えませんよね。
裏を返せば、心に余裕が無く、自分のことしか考えられない状態とも言えます。
そして、何か大きな困難に遭遇しないと、自分のアイデンティティを本気で考えられないのではないでしょうか。
私は親がこのような態度を取るからこそ、子どもは支配され、マインドコントロールされるのではないかと思っています。
そもそも、育児や子どもの教育に必要な能力とは、どのようなものなのでしょうか?
子どもの育児のプロである保育士の資質や適性について調べてみました。
- 子どもが好きなこと
- 責任感があること
- 協調性や社交性(チームワークに必要)
- コミュニケーション能力(対人関係の仕事に必要)
- リーダーシップ(チームワークに必要)
- 共感能力(対人関係の仕事に必要)
- 包容力・忍耐力
- 臨機応変な対応力
- 体力・健康管理能力
- ポジティブ思考
このように、対人関係に対する能力が高かったり、体力に自信がある人が、保育の仕事に向いているようでした。
逆に、プロの保育士に向いていない人の資質について調べてみました。
- 人と長時間接するのが苦手な人
- ルーティンワークを好む人
- 人前に出ると緊張する人
- 潔癖症の人
- 完璧主義の人
- チームで仕事をするのが苦手な人
- 体力に自信が無い人
このように、一人でマイペースに仕事をするのが得意だったり、完璧を求める気持ちが強かったりする人は、保育士の仕事には向いていないようでした。
あなたの親は、どちらのタイプに近いですか?
どちらのタイプが良い悪いではなく、保育の適性は個人の生まれ持った資質によるので、自分の資質をよく知った上で、恥ずかしがらずにできる限り周囲の人たちに助けを求めて欲しいと思います。
そもそも、育児や子ども教育は、夫婦だけで行うには限界があります。
また、独身時代に育児の知識を知ったり、体験できたりする機会はほとんどありません。
妊娠した後で育児の大変さを知り、自分の資質とかけ離れた業務内容(私は育児も仕事だと考えています)に、出産後の育児の不安を感じる親たちは、実は少なくないのではないでしょうか。
そして、必死で育児をしていく中で、独身の頃には無かった能力を身に付けた人もいます。
育児をすることで身に付けた能力とは、
- 決断力
- 交渉力
- 段取り力
- 柔軟性
- 寛容性
- 忍耐力
- 気分転換力
- マルチタスク能力
- 人材育成能力
- 人見知りからの解放
- コミュニケーション力がアップ
- 時間管理能力がアップ
- 仕事に対する意識の変化
このように、頑張って育児をすれば、ご褒美として多くの能力を獲得できるかもしれません。
しかしながら、改めて毒親と呼ばれている人たちの特性を振り返ると、とても適性があるとは思えませんし、そのせいで抱えていたストレスはいかばかりかと想像します。
一方で近年、毒親と呼ばれている人たちにも様々な原因があることがわかってきました。
それは、主に下記の4タイプです。
①発達障害が原因のタイプ
・自閉症スペクトラム障害(ASD)
・注意欠如・多動性障害(ADHD)
※障害者認定されていないが、限りなく近いグレーゾーンタイプもある。
②愛着障害が原因のタイプ
・不安型
・回避型
③精神疾患が原因のタイプ
・PTSD
・アルコール依存症
④家庭環境が原因のタイプ
・親になるための心の準備不足による不安
・時間や経済力に余裕がほぼ無い
・夫の非協力
・夫のDV
・産後うつ(産後の知識のなさが原因で起こる夫婦崩壊の危機)
・母親に対する社会の規範意識
・嫁姑問題
・毒親の連鎖
・宗教にのめり込む(ネグレクト)
このように、様々な問題を抱えながら育児や子ども教育をしてきた親のことを、一人の人間として見てみると、また違った視点で見ることができるのではないでしょうか。
もちろん、親たちがアダルトチルドレンの皆さんにした言動は許されないし、許さなくても構わないと思います。
でも、その事情を知ることで、改めて「アダルトチルドレンの皆さんは悪くなかった」ことが、よくわかったのではないでしょうか。
次回は、上記の4タイプについて、さらに深掘りしてみたいと思います。
深掘りすることで、さらに皆さんの心が軽くなり、親のことがあまり気にならなくなることを願う今日この頃です。
【参考文献】
水島, 広子. 「毒親」の正体: 精神科医の診察室から. 新潮社, 2018.
ギブソン, リンジー C. 親といるとなぜか苦しい: 「親という呪い」から自由になる方法. Translated by 尊司 岡田 and 佳代子 岩田, 東洋経済新報社, 2023.
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