デイブ・ストックトンを知っているだろうか?
1941年生まれの往年の名プレーヤーで、全米プロを2度制し、ライダーカップの米国キャプテンを2回つとめるなど実績あるプロゴルファーだが、
最近は、ローリーマキロイ、フィルミケルソンやヤニツェンなどトッププレイヤーのショートゲームの
コーチとして有名である。
日本での知名度はいまいちだったが、
昨年、「無意識のパッティング」が出版された。
これが、従来のパッティングに関する本とは一線を画していて、
とても良い。
どうも従来のパッティングやショートゲームに関する書籍、レッスン記事は、
本を出すこと、記事のスペースを埋めることがありきで、
無理やり、理論ぽくに説明しようとしているものや、
そのプロや筆者特有のテクニックを紹介するだけで汎用性が低いものなどが目立つ。
芹澤信夫が強かったとき、ジャンボに「パーパットは世界一」などと言われ、
パッティングのレッスン本を出すなどパッティングを理論で考えようとした後に、
パットの不調に見舞われた話は有名だ。
デイブ・ストックトンは、これらとは、異なり、
パッティングでは、感覚を大事にすべてきであることを説いている。
ラインを読んで、そのラインをしっかりイメージしたまま、
素振りをせず、ストロークの技術的なことを考えずに、左手甲をそのラインに向けることだけを
意識して打つ。
プロもアマも、長すぎるルーチン、ストロークの技術への意識やホールへの意識が過度であることを
戒めている。
技術的なことにも解説しているが、その内容はとてもシンプルだ。
グリップなどの個性を尊重しつつ、
いくつかの悪い動きを抑えるべきであることを教えている。
これを読むと、パッティングに対する考えがシンプルになる。
8月に、この本の続編となる「無意識のショートゲーム」が出版されたので、
さっそく、購入し完読した。
パッティング同様に、ショートゲーム(アプローチ、バンカーショット)も
シンプルな技術とメンタルについて解説している。
アプローチは、
・左手主導の低いショット
・右手主導の高いショット
だけで良いとしている。
さらに、バンカーショットは高いショットの応用にすぎないと。
ショートゲームのレベルアップを目指す人には、とても参考になる本だと思う。
ただ、本だけだとイメージがわきにくい部分もあるので、
YouTubeなどで動画を探したり、ゴルフネットワークでのレッスンなどを見ると
本に書いてあることをより理解できるはず。
デイブ・ストックトンは、ドライバーは飛ばず、ショットはよく曲がるそうだ。
しかし、卓越したショートゲームで、数々の栄光を手にしてきた。
この71歳のおじいちゃんはあなどれない。