しなければならない仕事があるのに,それに手をつけていない。



こんな事態はそれほど珍しくありません。

仕事が山積みの時にはよくあることでしょう。

なんで,こんな事態になっているのでしょうか?



普通に考えたら,「モチベーションが上がらないので,仕事がはじめられないからだろう」と思いますよね。

それも一理ありますが,別の考え方もあるのです。



目の前の仕事に手をつけていない。
ということは,「自分にはその仕事をやりたくない理由がある」と考えて,やらない。



原因と結果が逆じゃないか!と思う人もいるでしょう。
たしかに変な感じがしますよね。


でも,私たちは自分自身の状態について,当たり前のように知っているわけではなくて,自分の行動や状況から推測しているのです。

だから,もしもなんとなく何かの行動をしていたら,その行動をしている理由を推測して,最初からそれがその理由であったかのように思ってしまうのです。


社会心理学者のベムは,このような現象を調べ,自己知覚理論として提唱しました。



実はこれ,とても大切な理論です。

なぜかというと,行動がモチベーションを変えてしまうということなのですから。



つまり,あまり気乗りしないことでも,少しずつ毎日続けていけば,そのような行動から自分のモチベーションに関して推測が働き,「これだけ続くということは,俺って案外,これ好きかも!」と考えだす可能性があります。



「やる気がないから,続かない。」と最初からあきらめてはもったいない。


むしろ,「続けてみたら,やる気が出るかも」という考え方を持ってみてはどうでしょうか。