前回からの続きです。

 

 

お世話になった方(元社長T様)の訃報を聞いたのは12月に入ってから。命日が2023年1月1日。

1年のはじまりの日に天に召されたかと思うとあの方らしい。

 

暫くしたら1周忌という時期でした。どうしても墓前に花を添えて手を合わせたいと思い立ち、喪中葉書を出してくださった息子さんに墓所を伺うべく、挨拶方々、連絡を入れました。息子さん(大学の教授)は、私のことを生前から聞いていたらしく、快く教えてくださいました。

 

ただ「大変有り難いのですが、、凄く遠いですよ。」と。

 

聞くと鳥取県の浜田市(のどぐろで有名です)のさらに東側の市にあるお寺の墓地であると。

 

東京か静岡かな?でも、生家が浜田市であるとうかがっていたのでその可能性もあるかもしれないと考えていました。結果は後者でした。実際調べると遠いのです。電鉄は便が少なく、空港からレンタカーを借りて走らせても2時間半くらいかかる。

 

命日である元旦前に花を添えたいと思い、旅程を調べましたが年末年始は航空運賃も宿泊費も高く、いい時間帯に予約が取れませんでした(妻実家(岡山)の帰省に合わせて足を伸ばせればと考えたのです)。

 

「冬の山陰は厳しいです。私達も父の納骨は3月にしたくらいですから、お気持ちに深く感謝しますが暖かくなってからでも・・・」と提案頂きました。ということで、残念ながら年末年始をあきらめて、このたび3月になったという経緯です。

 

3月中旬に鳥取県の米子空港から入りました。この時期にしては珍しく雲一つないポカポカした日でした。

 

預かり荷物を受け取る空港のターンテーブル。

 

レンタカーを二時間以上走らせて。日本海を見渡すことが出来る小高い丘の上にある墓地でした。本当によい天気。

 

住職さんに教えてもらう必要があるわかりづらい場所です、と事前に教えて頂きましたので、住職さんのご自宅の呼び鈴を押す。住職さんにはよくここまで来たなぁと仰って頂きました。元社員です、と伝えたら、「うへぇ、この方、社長さんだったの!?」という顛末がありました笑い泣き。生前のお話も有り難く聞かせて頂きました。住職さんとはしばらく談笑して、お墓に新しい花を添えました。これまでのお礼と近況の報告を伝え、手を合わせてきました。妻もT様と一緒に飲んだことがあります(T様、音楽も好きでした)。妻も私に付き合ってくれ、二人で手を合わせてきました。

 

せめてもう一度会ってしゃべりたかった。直接話したいことは山ほどあった。それはもう叶わなくなってしまいました。でもお墓を訪れて、この1日を過ごしたことで踏ん切りがつきました。また一歩前に進もうという気持ちになれました。

T様、改めてありがとうございます。

 

鳥取県、島根県は私にとって初めて足を踏み入れる場所でした。一生に一度は行ってみたいと思っていた出雲大社を参拝。

 

 

 

 

 

さざれ石

お酒を醸すウサギ。