「毎日、毎晩」展 | きょうの石膏像 

「毎日、毎晩」展

なかなかのお天気に恵まれた三連休でしたね
僕は自営業ですので、そんなには休みませんでしたが・・・

それでも日曜日はポッカリ時間が取れたので、ちょっと迷っていた展示を覗きに行ってきました
迷っていた理由は・・・遠いいから!!

取手まで行ってきました。ひとりぽっちで。。
行く前までは、取手って柏のちょっと先だからなぁ~遠いいよな・・・って思ってたんですけど・・・
違ってた。。柏からまだかなり先だし、よくよく住所みたら茨城県じゃない!!



でもお天気がすご~く良いのでいいや
読みたかった本をじっくり読みながら常磐線に乗って



取手の駅を降りて、さらにトボトボ10分くらいで会場に到着

会場??  じゃないね、普通のお宅だ

それもそのはず、この展示会場は通常はアーティストの方の住居として使用している空間を、展覧会の期間だけ貸し出すということらしいです
その住人の方は、その期間はどうしてるんだろう・・・?なんて素朴な疑問もあるけど、まあいいか。。


「毎日、毎晩」 と題された展示です

これは、東京芸術大学と武蔵野美術大学の現役学生22人によるグループ展です
学年とか、学部はみなマチマチで、1,2年生がほとんどみたいでした

インスタレーション的なものが多かったかな


僕が作る石膏像っていうのは、基本的には”アカデミズム”をバックボーンとした保守的な美術教育(現代ではそのように認識されますね・・)の潮流の中で活用されるものであって、現在の美術界の最先端の流れ(いわゆる”現代美術”ってやつですか・・・)とはあまり接点が無いように普段感じています

映像、サウンドを絡めたインスタレーションとか、コンセプトありきで観客側の行動・思考を巻き込んで成立するような作品、こういった作品群の中に石膏像デッサンを描く時に追及されるような美的な価値観(正確性?)を見出すことは、ちょっと難しいですよね

ただ日本に限って考えると、そのようなコンセプチュアルな作品を生み出すアーティストのほとんどが、かつて何らかの形でかつて石膏像デッサンの修練を積んだことがある人達なのです。高校時代~美術大学入学までの数年間、いやというほど石膏像を描かされ、過剰なまでに形態を把握し再現する能力を磨いた経験を体内に持っているわけです(特に今回の展示は、有名美術大学の生徒さん達ですからね)

ということで、石膏屋の僕としては、石膏デッサンをはじめとする形態把握、再現に特化した修行を続ける受験時代と、アーティストとして”現代的”に表現活動を開始したときのギャップというものに少し興味があります。実は心の深いところでは何らかの連続性のようなものを感じつつ表現しているのか・・・、または石膏像なんて2度と顏を見たくもないよ・・・っていうことなのか

もちろん人それぞれでしょうけどね。。


ちょっとそんなことを考えながら、若い作家さん(の卵)の作品を拝見していました



撮影OKだったので、展示の写真もいくつか撮ってきたんですけど、一つだけ

この人の作品を観るためにやってきたのです
昨年、美術予備校時代に僕のブログの読者さんになってくれた人で、その後見事合格して、今年から彫刻科の1年生に。

これね、段ボールで作られている巨大なクマ的なナニカなんだけど・・・
逆光で見えない・・・
写真だけが逆光なんじゃなくて、実際に展示の室内が薄暗くて、しかもすごく良いお天気で窓の外が明るいものだから手前のクマがよく見えない!

係の人とお話したら、どうもそこがミソらしい・・・
うーーん、うーーん、分かった!。。。つもりで会場を後にしました(笑)
確かに、あらためて写真で見るとなんだかゾクっとする雰囲気があるね・・・






10月4日~19日までが会期ということなんですが、みんな平日は授業があるわけで、展示会場がオープンされるのは土・日曜日のみということでした。ということで、実際に観れるのは残すところ19日(土)のみですね

こういう展示は、連れの人とあれこれ話しながら観ると想像が膨らんでより楽しいかもしれません
ともあれ、なかなか充実した日曜日となりました