脊髄腫瘍の後遺症の評価方法① | 脊髄腫瘍の掲示板

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(脊髄腫瘍の後遺症の評価方法)

NCSS(エヌシーエスエス)といいます

脊椎-脊髄の神経症状判定基準、NCSS(1992)

 

(脊髄腫瘍の後遺症の評価方法の作成者)

日本脊髄外科学会で制作された頚髄症スコア
(Neurosurgical Cervical Spine Score:NCSS)

(ニューロサージカル サーヴィカル スパイン スコア)

簡便で実用的で、脳神経外科の脊髄腫瘍の医学論文にも使われています

 

注:頚髄症スコアと書いていますが、脊髄の高位に関係なく脊髄腫瘍全般に使われています

 

(脊髄腫瘍の後遺症の評価対象者)

脊髄髄内腫瘍、脊髄髄外腫瘍、馬尾腫瘍(腫瘍名は問いません)

 

(脊髄腫瘍のNCSS)

 

a、神経症状
1)下肢の運動機能
Status(ステータス)  Score(スコア)
機能の全廃 1 車椅子、または寝たきりの状態
高度障害  2 階段の昇降できず、平地の歩行にも支持必要
中等度障害 3 階段の昇降に支持必要、平地の歩行にも障害あり
軽度障害  4 階段の昇降に軽度障害、平地の歩行に障害なし
正常    5 神経学的に腱反射亢進、病的反射はあってもよい

 

2)上肢運動機能
Status(ステータス)  Score(スコア)
機能の全廃 1 筋力の低下が著しく、日常生活不可
高度障害  2 筋力低下があり、日常生活の著しい障害あり
中等度障害 3 中等度の巧緻運動障害、日常生活に支障なし
軽度障害  4 軽度の巧緻運動障害、日常生活に支障なし
正常    5 神経学的に腱反射の異常、病的反射はあってもよい

3)痛みおよび知覚障害
Status(ステータス)  Score(スコア)
高度障害  1 痛みおよび知覚障害が強く、日常生活に著しい障害あり
中等度障害 2 痛みおよび知覚障害のため、日常生活に支障あり
軽度障害  3 痛みおよび知覚障害はあるが、日常生活に支障なし
正常    4 痛みおよび知覚障害なし

b、performance status(パフォーマンス ステータス)
Grade(グレード)
A 日常生活は介助なしには不能
B 復職不能。日常生活にかなりの制限あり
C 職種を変えれば部分的に復職可能。日常生活に制限なし
D 職種を変えれば復職可能
E 発病前の状態と変わらず、職場復帰している

 

注:判定基準(NCSS)記載に当たっての注意事項

 

1.本基準は成人の頚椎変性疾患に適用する

2.1)~3)の項目で症状が左右で異なる場合、症状の重い方をとる

3.判定基準の表現方法:例えば最悪の状態は、NSSS1:1:1:A、正常であればNCSS5:5:4:Eと表現する

4.神経症状改善率の算出方法

改善率(%)=(追跡時の総点数-術前の総点数)÷(最高点数(14)―術前の総点数)×100