松本清張の「昭和史発掘」8、文春文庫を読む。
7巻でとうとう2.26事件が起き、8巻ではその叛乱軍をいかに懐柔したかという点が書かれている。中でも興味深かったのは叛乱兵士の一人の河野寿の叛乱後のいきさつである。
河野寿は神奈川県の湯河原温泉に滞在していた牧野伸顕を襲撃して自ら負傷し、(牧野襲撃は結果的に失敗し、牧野は逃げてしまう。)熱海の陸軍病院の分室に入院した後自殺した。
入院後に昭和維新を信じて決行したクーデターが結局失敗に終わり、決起部隊が叛乱軍と決定した事を知り、自殺をしたのだった。
河野寿は兄の河野司に自分の下宿に置いてある亜砒酸を持って来てくれと頼み、さらに腹を切るための果物ナイフを購入してくれてと依頼する。兄の司は仕方なく亜砒酸を渡し、さらに果物ナイフを病院の院長に渡してくれと預ける。その後院長に「よろしくお願いします。」と言って病院を後にするのだ。
(次回につづく)
飲んだ酒
Beau Tertre, 2008, Bordeaux, コルドンヴェール株式会社、やまや、980円
越乃話人1合
今日は疲れているので赤ワインのみでシュワシュワなし。