またまた父の話になりますが、私にはずっと消せない記憶があります。
 20年前、私はすでに嫁いでいましたが、父は寝たきりになって1年ほど経過していたと思います。寝たきりと言っても、頭の中はしっかりしているので、話は理解するし、食事も小さく刻まれたものを不器用だけど自分で食べていました。たまに、咳き込みながらも、小さなおにぎりも頬張っていたと思います。自力での移動や、着替えはできなかったけれど…。


 でも、そんなある日、誤嚥性肺炎で入院して、見舞いに行った時には、もう胃瘻の処置が済んでいて、父はそれ以来、口から食べ物を摂取できないままだったような…。


 その後、神経難病の方を受け入れている療養病院に転院しました。


 

 そちらへ、見舞いに行った際のことですが、幼い娘に、みかんの皮をむいて食べさせていたところじっと見ていた父が、『わしにも一つ、口の中に入れて!」と拙い話し方で訴えかけてきました。困った私は「駄目だよ。我慢して。」と言うしかなかったのですが、残念そうに落胆した父の顔を20年たった今でも忘れることができません。数日後、父は他界しましたが、死ぬと分かっていれば、果汁の一滴でも味あわせてあげたかったと言う思いが消えません。


 古い話なので、今の技術は知りませんが…


前置きが長くなりましたが、飲み込む力が衰えないように、嚥下トレーニングも日課になっています。まず簡単に舌の準備運動です。舌を左右、前後運動と、口の中で歯茎の周りをなぞって円を書く様に各々3周ぐらい回します。次にあいうえお、いうえおあ、うえおあい、えおあいう、おあいうえ、→カ行→と50音舌馴らしを済ませてから『ぱ・ぱ・ぱ・ぱ・…』『た・た・た・…』『か・か…』『ら・ら・…』と、各音20回ぐらいづつ。大きな声で口をめーいっぱい空けて「あー」「いー」「うー」「べー」で舌を思い切り顎に向けて出しています。その後、構音トレーニングに

移行していきますが、私はよく愛犬L君の散歩中に嚥下トレーニングや構音トレーニングをしています。独り言を言いながら歩く変な人ですが、田舎なので平気です。家事をしながらの、ながらトレーニングもおおいです。それと、車の中は絶好の密室なので、必ずと言っていいほど「あー」とどこまで声が続くか叫んでいます。ちょ怖いね。


 あくまで自己流がまざっていますので、悪しからず。最後に締めのトレーニングですがダイソーで仕入れた100円で20個ぐらいはいった風船を一日1個膨らませて全てのトレーニングを終了しています。

 余談ですがダイソーに150円で杖が売っていました。びっくりです!練習用に一本購入しておきました。

 TVでA LSの患者さんが「私は負けません。」と言っていたのを見かけた事がありますが私も志しは同じです。