決算とは、市長が住民の代表である議会に、予算をどのように執行したかについて説明し、認定を得ることです。

 

関根ジローが所属する市議会会派「立憲民主党」は、「令和2年度松戸市決算」「新松戸駅東口区画整理特別会計決算」に反対し、下記の通り反対理由を、成島りょうた市議が会派を代表して討論しました。議事録未定稿を転載します。

 

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立憲民主党の成島りょうたです。 会派を代表して、認定第 1 号令和 2 年度松戸市一般会計歳入歳出決算、及び認定第 8 号、令和 2 年度松戸市 都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算について、反対の 立場で会派を代表し討論を行います。 なお、認定第 2 号から第 7 号、認定第 9 号から第 11 号につきましては、事業の重要性から、 賛成とすることを申し添えます。

 

まず今回の決算審査について、我が会派は松戸市が計画する大型事業について論議をしました。市役所庁舎の建て替え、新拠点ゾーン整備、新焼却炉建設、公共施設再編、新松戸 駅東側土地区画整理事業、新松戸駅へ快速列車を停車させるための事業、学校施設の老朽 化対策など、多額の予算が必要な大型事業が多く進められようとしています。しかし、多くの事業において、事業の総額、見込まれる市の負担額、市債発行額は審査に おいても明らかにされていません。これでどうして事業を進めるか否かの判断を、我々議員がすることができるのでしょうか。財政状況が厳しいからこそ、市の負担をできる限り正確に予測し、市民生活への影響を考慮し、大型事業においても優先順位をつけるべきでしょう。今後は一部事業を凍結することを含めて、全体的に見直すことが必要であることを先に申し上げます。

 

では、認定第 1 号令和 2 年度松戸市一般会計歳入歳出決算に入ります。

 

【第 2 款】総務費 職員福利厚生事業・健康管理事業は、令和 2 年度 30 日以上病休者が 54 名と新たに 12 人増 えました。病名は大動脈解離・心筋梗塞 8 名、うつ病 15 人と増加・横ばいです。特に、子 供部 18 人で 1 人増、福祉長寿部 11 人で 3 人増、街づくり 5 人で 3 人増です。業務量と職 員数の関係を関係部署と連携を図り、職員の健康管理に務め、令和 3 年度は減少するよう、 強く要望します。 地域ぐるみ安全安心推進事業においては、コロナ禍においても、路上喫煙防止や客引き防 止活動を継続的に行われている事を評価いたします。ただ指導監視員が 6 名とは、余りに も少ないと思います。市民の健康を守るため、悪質な客引きをなくすため、ポイ捨て防止 のためにも、今後は指導監視員の増員を検討するよう要望します。

 

【第 8 款】土木費 放置自転車防止啓発業務については、放置自転車数が、令和元年度と令和二年度を比較すると 1/3 以下に減っているにも関わらず、自転車駐車場誘導員は、令和元年度と令和二年度 でほぼ横ばいです。理由として、誘導員がそこに立つことに意義があると市は説明します が、それにしても横ばいとは納得しかねます。そもそも放置自転車の定義「一秒でも自転 車から離れれば放置自転車である」との定義自体がおかしいのです。定義が最初からズレているから、予算の使い方もズレてしまうのです。市の価値観を一方的に押し付けるのではなく、まず「市民が快適に生活できる。市民の安全を守る」との意識を持ち、市民第一に考えた予算の使い方をしてください。主役は市役 所ではなくて市民です。現状の市の放置自転車対策について多くの市民から疑問の声が挙がっていることを指摘しておきます。

 

次に各大型事業について。 まず新焼却施設基本構想策定等業務について申し上げます。 これまで和名ヶ谷クリーンセンターは老朽化のため令和 11 年に稼働停止とし、新焼却施設 建設に対して約 2,000 万円の予算計上をして、基本構想の策定を進めてきましたが、突如、 和名ケ谷クリーンセンターの 5 年間の稼働延長が提案されました。理由として、千葉県が 松戸市に対して第 10 次千葉県廃棄物処理計画を示し、その中で松戸市は広域化の検討対象 と位置付けられたため、検討などに 5 年間を要すると説明しています。一方で県は、新設の調査や工事に着手があった場合には、広域化の検討対象外となる旨を明らかにしています。既に約 2,000 万円を投じた基本構想策定業務を策定していたので、その内容を説明することで広域化対象外であると県にご理解頂くことができたと思われます。 しかし本件について県と相談した経緯はありません。和名ケ谷クリーンセンターの利用を 5 年延長させるという ことは、市外への運送費用や、施設の追加補修費用などの負担が生じます。延長期間、安定して稼働できるのかという不安もあります。今からでも、広域化の検討対象外とするよう相談をして、当初の予定どおりのスケジュールで新焼却施設建設を行うべきです。

 

次に新拠点ゾーン整備基本計画策定業務委託について。市が「新拠点ゾーン整備基本計画案」を、東京大学大学院教授が委員長を務める松戸駅周辺まちづくり委員会に諮問した結果、令和 2 年に答申が出されました。 答申を要約すると「新拠点ゾーンに『防災・減災・復興支援』機能を整備することは理解しつつも、コロナ禍においてそれ以外の機能(市民サービスや行政執務・議会)を整備することは今後も議論が必要だ」というものです。この答申に加えて、令和 3 年度予算においては市議会から新拠点ゾーンありきの市役所移転は理解できないという判断がされたにも関わらず、市は未だに国に対して新拠点ゾーンにフルスペックの市役所を移転することを前提に協議を進めていることは極めて残念です。更には、駅からのアクセスや、北側区域の整備等についての事業費を示すことができない状況であり、最終的にどれだけの予算となるのか、誰もわからないのが実情ではないでしょうか。

 

次に土地区画整理関係業務、新松戸駅快速列車停車調査に関する事業です。 決算年度に、本調査事業がコロナ禍の影響で実施できなかったことがわかりました。審査では「いつになったら新松戸駅に快速列車を停車させる可否がわかるのか」「停車可能な場合の総事業費はいくらで、松戸市の負担はいくらになりそうなのか」を特別委員会で伺いましたが、答えられないというものでした。新松戸駅に快速列車を停車させることができるかどうかは、新松戸駅東側地区土地区画整理にとって大変に重要な問題にもかかわらず、市が答えられないというのは非常に問題があると指摘します。

 

以上、一般会計決算についての問題点を申し上げました。

 

最後に、認定第 8 号、新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計について、反対討論を いたします。 本事業については、三つの大きな問題があります。

 

1 点目、マンションの売却先の問題です。 建設されるマンションの大部分について、売却先を選定するための予算が盛り込まれています。これまで特定の事業者に、無償でコンサルタント業務を依頼していた経緯があり、マンション売却先にこの無償のコンサルタント会社が選ばれた場合には、公平性・競争性が担保されているのかと多くの人が疑問に感じる事でしょう。執行部におかれましては疑念を持たれない対応をお願いしたいと思います。

 

2 点目、松戸市全体の財政面の問題です。本事業計画に投入する市税投入額としては、区画整理に約 65 億円、道路整備に約 11 億円、合計約 76 億円を見込んでおりますが、市役所の建て替えや新焼却炉建設をしなければならない状況において、この事業の優先順位が高い理由がわかりません。また多額の予算が必要な立体換地による区画整理事業ではなく、よりコストがかからない道路整備事業など、他の手法の検討が十分にされているかも疑問が残ります。

 

3 点目として住民合意の問題です。住民合意の状況について、市は十分な説明をしていません。住民合意の状況を、議会に示せないなかで、この事業を推進することは誰もが疑問に 感じます。

 

以上、認定第 1 号令和 2 年度松戸市一般会計歳入歳出決算及び令和 2 年度松戸市 都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算に反対し、その他認定には賛成致します。最後に、4日間に渡り、各分科会で執行部並びに職員の皆さんの質疑に対する丁寧な対応に感謝を申し上げて討論を終わります。