松戸市役所が管理する多機能トイレについて、関根ジローが6月11月行った一般質問での提案がきっかけとなり「補助犬の積極的な受け入れを示す補助犬ステッカーを、今後、多機能トイレに張っていく」ことを松戸市が表明しています(千葉県内の自治体で初)。議事録を転載します。

 

一般質問にあたっては、6月7日に「補助犬ユーザー・支援団体と補助犬トイレについて考えるZOOM会議」※を開催し、補助犬ユーザーや支援団体からお話しを伺った経緯があります。このZOOM会議の模様は、添付のように毎日新聞(2021.06.16)に掲載されました(僕の顔もひょっこり写ってます)。記事はWEBで読むことができます(有料記事)⇒https://mainichi.jp/articles/20210616/ddl/k12/100/098000c

 

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◎質問:関根ジロー

 

補助犬トイレについて、補助犬の多機能トイレの利用が円滑となるよう「身体障害者補助犬法」の普及啓発を目的に公共施設の入口等に「ほじょ犬ステッカー」を掲示してはいかがか、を質問します。

 

身体障害者補助犬(以下、補助犬)を使う身体障害者(以下、補助犬ユーザー)の自立と社会参加を促進することを目的とした「身体障害者補助犬法」が2002年に公布されたことをきっかけに、全国の空港に補助犬専用トイレを設置するケースが増えてきました。

しかし、補助犬専用トイレには「設置・維持費用が生じること」や「一定のスペースを使うこと」等が課題となり、空港や一部の自治体以外においては設置の進捗が芳しくありません。

 

一方で補助犬専用トイレが設置されていない現状において、ペットシーツやワンツーベルトを利用して排泄可能な補助犬は多機能トイレを使用している実態があリます。しかしながら、「多機能トイレの管理者や利用者が、補助犬が多機能トイレを利用することに理解がないケース」が散見され、補助犬ユーザーから「多機能トイレを利用しづらい」という声が挙がっています。

 

そんななか、千葉県で主に活動している「盲導犬を普及させる会」では、厚生労働省が作成している「ほじょ犬ステッカー」を、多機能トイレに掲示し、補助犬ユーザーが多機能トイレを使いやすい環境整備を図る取組みを行っています。今年5月、この取り組みの一環で、松戸市に対して、行政の多機能トイレに「ほじょ犬ステッカー」を掲示することを求める要望書が提出されています。

 

ここで質問ですが、要望書をうけて、松戸市としてどのように対応するのかをお答えください。

 

◎答弁:松戸市役所

 

質問事項3「補助犬トイレ」についてご答弁申し上げます。

「ほじょ犬ステッカー」におきましては、議員ご案内のとおり厚生労働省において、「身体障害者補助犬法」の普及啓発を目的に作成されているものであります。

既に令和元年度から松戸市立総合医療センターにて掲示しているところでございますが、身体障害者補助犬への理解を深めるためにも、「身体障害者補助犬法」の普及啓発を目的に松戸市が管理している公共施設等へのステッカー掲示について検討して参りたいと考えております。

以上ご答弁とします。

 

 

◎再質問:関根ジロー

 

第一質問では、松戸市に対して「ほじょ犬ステッカーを掲示したらどうか」という質問をしましたが、再質問では市内民間施設について聞きたいと思います。

先月5月28日に、障害がある人の移動や意思疎通を無理のない範囲で支援する「合理的配慮」を企業や店舗などの民間事業者に義務付ける改正障害者差別解消法が成立しました。これまで配慮の義務付けは国や自治体のみで、民間事業者には努力を求めるだけでした。このことを背景に、市内民間事業者に対しても、施設の入口や、多機能トイレに「ほじょ犬ステッカー」を掲示することを、市として働きかけて頂くことは出来ないか、見解をお答えください。

 

◎再答弁:松戸市役所

 

再質問についてご答弁申し上げます。

議員ご案内のとおり、5月28日に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部改正が参議院本会議で可決され、行政機関だけでなく、事業者に対しても社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をすることが義務付けられることとなりました。この改正内容については、3年以内に行うこととされており、今後、会社やお店などの民間事業者にも障害者への合理的配慮が必須となることから、法律の周知・啓発に努めるとともに、民間事業者への働きかけについて、近隣他市の取り組み状況等に注視しつつ、適切な取り組みを検討していきたいと考えております。

以上ご答弁とします。

 

◎要望:関根ジロー

 

お答えありがとうございました。

 

盲動犬を普及させる会のメンバーで盲動犬ユーザーの女性の声を紹介します。

 

盲導犬との外出は新たな出来事や出会いに恵まれ、本当に嬉しいものです。しかしながら、出先で困るのは犬のトイレ。土や草がある場所を探してさせますが、舗装が進む都会ではなかなか難しくなってきました。そこで、多目的トイレを利用するケースが増えてきています。排泄物を処理するための袋で犬のお尻を包み、周囲に迷惑が掛からぬよう心がけます。公共施設でも多目的トイレが使用できましたなら、補助犬ユーザーの外出がより安心でき、楽しくなることと思います。

 

松戸市役所にはこの声に寄り添って頂き、市が管理する公共施設の入り口はもちろん、多機能トイレには積極的な補助犬受け入れを示す「ほじょ犬ステッカー」を掲示して頂きたいですし、改正障害者差別解消法をうけて松戸市として市内の事業者に対しても、積極的に施設入口や多機能トイレに「ほじょ犬ステッカー」を掲示するように働きかけて頂きたいと思います。なお、その際には、現在、国交省が多機能トイレの機能分散を推進していますので、1つの多機能トイレに全ての機能を詰め込むのではなく、複数の多機能トイレに機能分散させる考え方を導入して頂けたらなと思います。

 

加えて、第1質問の際にもふれましたが、公共施設の更新や新設の際には、補助犬専用トイレの設置もご検討お願いしたいと思います。