〇令和11年に稼働停止する予定だった和名ケ谷クリーンセンター

 

松戸市では「松戸市ごみ処理基本計画※1」に定められた、老朽化による和名ケ谷クリーンセンターの令和11年の稼働停止と、新焼却施設建設にむけて「新焼却施設基本構想策定等業務委託(約2000万円)」を予算計上し、基本構想の策定を進めてきました。

 

〇和名ケ谷クリーンセンター稼働延長について

 

しかしながら、令和3年2月15日に松戸市議会議員全員説明会が開催され、突如として「和名ケ谷クリーンセンターの5年間にわたる稼働延長(令和16年まで和名ケ谷クリーンセンターの稼働延長(当初は令和11年に稼働停止))」が市から提案されました。稼働延長の理由として、松戸市は「令和2年11月に千葉県が松戸市に対して『第10 次千葉県廃棄物処理計画※2』を照会してきたのだが、そのなかで松戸市は広域化(松戸市民が出したごみを他市の焼却施設で処理or他市のごみを松戸市の焼却施設で処理)の検討対象と位置づけられ、検討等に5年間の時間を要するため」と説明しています。

 

〇市による「稼働延長理由」は理解しがたい

 

広域化の検討対象「外」となる条件として、千葉県は「新設の調査や工事に着手」としています。前述の通り松戸市は「松戸市ごみ処理基本計画」や「新焼却施設基本構想策定等業務委託(約2000万円)」により、すでに「新設に着手」していると言っていいと思いますが、千葉県から松戸市が「第10 次千葉県廃棄物処理計画」を照会された際に、「松戸市は新設に着手しているから広域化の検討から外してほしい」と、相談した経過がありません。なぜ、相談しなかったのか、極めて理解しがたいと言わざるを得ません。相談していれば、検討対象から外される可能性は大いあったのではないかと思います。市民のなかから「市長は、コロナ禍により税収悪化するなか、新拠点ゾーンをはじめとする巨額の予算を要する大型開発事業を先行して事業化したいがために、同様に巨額予算を要する新焼却施設建設を後回しにしたのではないか」という疑念の声が挙がっても仕方ないことだと思います。

 

〇稼働延長によるデメリット

 

結果的に5年間にわたって和名ケ谷クリーンセンターを稼働延長せざるを得なくなり、余計な公金支出「市外への搬送費用、圧縮費用、和名ケ谷クリーンセンター追加補修費用」などの大きな費用が生じます(この費用総額がいくらになるのか松戸市は明らかにしていませんが、恐らく数十億円規模)。加えて、延長する5年間、安定的に和名ケ谷クリーンセンターが稼働できるのか、という不安もあります。また、老朽化による和名ケ谷クリーンセンターの令和11年の稼働停止と、新焼却施設建設にむけて、住民理解が醸成していたのに関わらず、今回の突然の稼働延長によって住民感情を傷つける可能性もあります。

 

〇市は稼働延長を見直すべき

 

市長は、今からでも、千葉県に対して「松戸市は新設に着手」していることから、広域化の検討対象外とするように相談し、当初の予定通り和名ケ谷クリーンセンターの令和11年の稼働停止と、新焼却施設建設を行うべきです。


※1 https://www.city.matsudo.chiba.jp/shisei/keikaku-kousou/gomisyori/kihonkeikaku.html

 

※2 https://www.pref.chiba.lg.jp/shigen/kaigan/iken/2020/haikibutukeikaku.html

 

なお、本件については、二階堂剛市議が会派「立憲民主党」を代表して、3月議会で質問しています。議事録を転載します(未定稿)。

 

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◇質問:二階堂剛市議

 

和名ケ谷クリーンセンター稼働延長について伺う。

 

1点目として、「和名ケ谷クリーンセンター稼働延長ができないか調査する」ことにした時期を教えてください。

 

2点目として、千葉県によって、今年1月15日にパブリックコメントの公示がされた「第10次千葉県廃棄物処理計画」について、事前に松戸市に照会がきた時期を教えてください。また、この県の計画には検討対象の市町村として松戸市が挙がっているますが、照会された際に、松戸市から県に対して「松戸市としてはR12に和名ケ谷クリーンセンターを停止する予定でスケジュールを組んでいるので、検討対象から外してもらえないか」と相談した経過はあるかお答えください。仮に、相談しなかった場合には、その理由を教えてください。

 

◇答弁:松戸市

 

1点目、和名ケ谷クリーンセンター稼働延長の調査した時期と、2点目、千葉県が策定している第10次千葉県廃棄物処理計画について本市へ照会が来た時期、相談した経過について、一括してご答弁申し上げます。

 

はじめに、第10次千葉県廃棄物処理計画について本市へ照会が来た時期でございますが、令和2年11月に千葉県にて開催されました、「ごみ処理の広域化・集約化に係る市町村等説明会」におきまして、環境省から平成31年3月に通知された「持続可能な適正処理の確保に向けたごみ処理の広域化及びごみ処理施設の集約化について」を鑑み、第10次千葉県廃棄物処理計画について示されました。

 

次に、相談した経過についてでございますが、同計画における広域化の検討対象外となる場合として、次の2つの要件があります。1つ目は、平成24年度(2010年)以降に施設を設置した市町村等。2つ目は、新設または改良工事の調査や工事に着手または、令和3年度に循環型社会形成推進交付金を要望済みの市町村等とするとの、説明がございました。

 

その際の質疑応答にて、市町村等から2つ目の要件に該当する基幹改良工事を行っているため、対象から外れるのではないか、と質問がございましたが、一つ目の要件である、平成24年(2010年)までに施設が設置されているため、対象外とはならない旨の回答がありました。

 

したがいまして、和名ケ谷クリーンセンターは、平成7年(1995年)に設置されていることから、同様に対象外にはならないものと判断をいたしたところでございます。

 

このことから、広域化の検討には、相手方との一定の協議期間が必要となることから、同年12月に和名ケ谷クリーンセンターの稼働延長の可能性について検討を行いました。

 

◇要望:二階堂剛市議

 

広域化の検討対象外となる場合が、「新設の調査や工事に着手」であるなかで、松戸市として千葉県に対して「松戸市は新設に着手しているから広域対象から外してほしい」と、なぜ相談しなかったのか疑問が解消されませんでした。相談しなかったことにより、広域化の検討対象となり、結果的に5年間にわたって和名ケ谷クリーンセンターを稼働延長せざるを得なくなり、余計な公金支出「市外への搬送費用、圧縮費用、和名ケ谷クリーンセンター追加補修費用」などの大きな費用が生じます。今からでも、千葉県に対して「松戸市は新設に着手」していることから、広域化の検討対象外とするように相談し、和名ケ谷クリーンセンター5年間延長を見すように、強く要望します。