シトラスリボン運動とは、新型コロナウイルスに感染した人やそのご家族、そして医療従事者等に対して、応援しているという気持ちを伝えることと、感染者が差別を受けにくい環境を整える目的で始まった運動です。シンボルのリボンは「地域」「家庭」「職場や学校」の3つの輪をイメージした飾り結びで、感染者の方たちがそれぞれの場所へ安心して戻れるようにと願いを込めたものです。

 

関根ジローは松戸市12月議会の一般質問で「シトラスリボン運動の推進を求める質問」を行いました。本件について、議会だより(2月号)に掲載されていますので、添付します。

 

下記は、12月議会の議事録(未定稿)です。

 

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◆質問:関根ジロー

 

質問事項1.コロナ禍において、みんなが心から暮らしやすいまちを目指す、シトラスリボン運動について。

 

質問に先だちまして、コロナ禍における人権の問題について、本市は8月に「新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う人権尊重緊急宣言」を行いました。

 

この宣言は、新型コロナへの対応が長期化する中、感染患者や家族、医療や介護の従事者やその家族への不当な差別や偏見、いじめが社会問題になっていると前置きし、その上で「闘う相手は人間ではなくウイルスです。新しい生活様式を守りつつ、一日も早い終息を願うとともに、新型コロナウイルス感染症に関する『差別・偏見やいじめ等のないまち、まつど』を目指し、市民と市が一丸となって推進していくことをここに宣言します」としています。ホームページや広報紙に載せるほか、小中学校には漢字に読み仮名を振った宣言文を掲示する等の取り組みを行っています。この取り組みは県内他自体に先駆けたものであり、大変に評価するものです。

 

今回の質問は、さらなる人権意識の向上にむけて、この人権尊重緊急宣言に加えて、シトラスリボンの取り組みを本市で導入できないか、という観点で質問します。

 

質問の要旨(1)市役所としての取り組みについて、を質問します。

 

シトラスリボンとは、新型コロナウイルスに感染した人やそのご家族、そして医療従事者等に対して、応援しているという気持ちを伝えることと、感染者が差別を受けにくい環境を整える目的で始まった運動です。感染者に対して誹謗中傷が起き始めた4月上旬にコロナ差別解消を目指して愛媛県松山 市の市民団体が始めた啓発活動で、開始から約半年が経過したい今までは県内のみならず全国的に活動の輪が広がりつつあります。 シンボルのリボンの色は愛媛県産特有のかんきつ類をイメージしたシトラスグリーンを採用し、「地域」「家庭」「職場や学校」の3つの輪をイメージした飾り結びで、感染者の方たちがそれぞれの場所へ安心して戻れるようにと願いを込めたものです。

 

この運動は趣旨に賛同した方々がシトラスリボンを手作りして、自ら身につけたり、お知り合いにプレゼントしたりすることなどにより、感染者が差別を受けにくい環境を整えていこうという内容なので運動に参加するにあたって難しいことはありません。今現在、個人の方のみならず、全国の自治体や企業にも賛同者が増えています。ぜひ、本市の医療従事者、感染者ならびにそのご家族を応援するためにも啓発の輪を広げていただきたいと思います。 本日、私も胸に自作のシトラスリボンをつけてまいりました。

 

ここで伺いますが、このような差別解消を目的としたシトラスリボン運動について松戸市の所感を伺います。また、このような活動について知らない方も多くいると思います。市内の医療従事者、感染した人やそのご家族に対して、目に見える形で応援するためにも、活動に賛同する方向で検討するのはいかがでしょうか。

 

◆答弁:市役所

 

質問事項1「コロナ禍において、みんなが心から暮らしやすいまちを目指す、シトラスリボン運動について」の質問要旨(1)に答弁申し上げます。

 

コロナ禍における人権問題については、議員ご案内のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、感染者、医療・介護従事者、物流・物販業従事者やそれぞれそのご家族等に対する差別、偏見やいじめ等が社会問題となっております。

 

そのような中、ウイルスに感染したとしても、誰もが地域に帰って、安心して笑顔で暮らし続けられる社会を取り戻すことを目的に、シトラス色のリボン等を身につけて「ただいま」「おかえり」の気持ちを表す活動である、シトラスリボン運動は、有志の方々が発案し、この半年余りの期間でその活動が全国に広がりを見せており、たいへん意義のあるものと認識しております。

 

本市での取組みとしては、感染者やそのご家族、医療・介護関係者・いわゆるエッセンシャルワーカーやそのご家族に対する差別や偏見に同調せず、冷静に行動するよう呼び掛けるとともに、感染した人や、その関係者に対する偏見や差別をなくし、市民のみなさまが安心して生活を送れるようになることを願い、他市にさきがけて、本年8月1日「新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う人権尊重緊急宣言」を発したところでございます。

 

この宣言については、広報まつどへの掲載や市内各公共施設での掲示にとどまらず、当該宣言の平易版や低学年児童向けのポスターを作成し、市内各小中学校及び市立松戸高等学校に配布するなど、幅広く普及啓発を行ってまいりました。

 

いまだ終息の見通しが立たない新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中、「人権尊重緊急宣言」の意義が市民の皆様に更に浸透するよう、引き続き普及啓発を進め、コロナ禍における人権問題の解消に向け、努力してまいりたいと考えており、議員ご質問のシトラスリボン運動に関しても、今後の動向に注視して参りたいと存じます。

 

以上、答弁といたします。

 

◆質問:関根ジロー

 

船橋市ではシトラスリボンを積極的に取り組んでいます。

 

具体的な取り組みとして、

 

1として「船橋市ホームページに「シトラスリボンプロジェクト活動内容」や「リボン作成方法」について掲載」、2として「広報ふなばしへの掲載」、3として「公民館・図書館、児童ホーム(86箇所)などの公共施設にポスター掲示、チラシ配布依頼」、4として「職員の名札にシトラスリボンのロゴと当該活動に賛同している旨を記載」、5として「船橋駅前のデジタルサイネージ、本庁舎エレベーターホールのモニターなどによる周知」、6として「新成人への啓発チラシの配布」を行うとしています。

 

再質問ですが、本市も船橋市のようなシトラスリボン運動をおこなうべきと思いますが、見解をお答えください。

 

◆答弁:松戸市役所

 

質問事項1 質問要旨(1)の再質問に答弁申し上げます。

 

本市では、シトラスリボン運動と同様の趣旨の「新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う人権尊重緊急宣言」を発し、現在も普及啓発に努めているところでございます。

 

シトラスリボン運動につきましても、その重要性は十分に認識しておりますので、繰り返しになりますが、今後の動向に注視して参りたいと存じます。

 

以上、答弁といたします。

 

◆要望:関根ジロー

 

松戸市が他市に先駆けて取り組んだ「新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う人権尊重緊急宣言」は、質問のなかでも申し上げた通り素晴らしいと思います。しかしながら、何かを身につけるものではないため、外見からは「人権尊重緊急宣言」を理解・賛同しているのかわからない側面があります。一方で、シトラスリボンの特徴は、自作したシトラスリボンを身に付けることで、参加者意識が高まるし、また、外見から運動に参加していることにあります。ぜひ、松戸市においても、「人権尊重緊急宣言」に加えて、シトラスリボン運動に参加して頂きたいと、重ねて要望します。

 

とりわけ「市のホームページに『シトラスリボンプロジェクト活動内容』や『リボン作成方法』について掲載」することや、「広報まつどに掲載」することは、お金をかけずにすぐにでも出来ることと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 

◆質問:関根ジロー

 

続きまして、質問の要旨(2))小中学校における取り組み、について、を質問します。

 

シトラスリボンの特徴は「シトラスリボンを手作りすること」「手作りしたシトラスリボンを身につけること」の2点です。手作りして、身につけることで、「参加意識や、一体感の醸成」を図ることが出来きます。

 

11月12日の下野(しもつけ)新聞によりますと、真岡市(もおかし)では、10月に同校生徒の感染が確認されたことをきっかけにシトラスリボン運動を始め、生徒らは手作りしたリボンを制服の胸ポケットやかばんなどに取り付けて学校生活を送っているとのことです。ボランティアから作り方の指導を受けた生徒会保健委員会の生徒がほかの生徒に教えながら、10月末に各クラスで製作しました。保健委員長の学生は「リボンを身に着けていると意思表示になり、一体感がある。戻ってきた人がいつも通り安心して学校に来られるようにと願って作った」と話している、とのことです。

 

ここで伺いますが、本市においても小中学校でシトラスリボン運動をおこなっていくべきではないかと思いますが、教育委員会のご見解をお答えください

 

◆答弁:松戸市教育委員会

 

質問事項1(2) 小中学校における取り組みについて、ご答弁申し上げます。

 

本市では、8月の松戸市人権尊重緊急宣言を受け、学校はホームページ等でお知らせしております。また、新型コロナウイルス感染症に係る不安や差別等に対して、児童生徒には「何ができるか」「どのように対応するか」を、主体的に判断し行動できるよう、教育活動全般を通して投げかけるとともに、保護者への協力についても学校便り等で発信しております。

 

児童生徒は様々な状況下の中で生活しております。人権を尊重しながら生活することは、充実した学校生活の要になります。

 

教育委員会といたしましては、国や県からの人権に関する発出文書や資料等を各学校に送付し、児童生徒や教職員への周知に努めております。委員会として「シトラスリボン運動」を学校に示唆するのではなく、学校が、児童生徒の発達段階に応じ、様々な人権課題を自分のこととして捉え、判断し、行動できる児童生徒の育成を目指していくものと捉えております。今後も学校における人権教育を一層推進してまいります。

 

以上答弁といたします。

 

◆要望:関根ジロー

船橋市では、船橋市内全小・中学校へ啓発チラシとリボンを作成するための“ひも”の配布を今月12月中旬に行うとのことです。対象児童数は約50000人にのぼります。配布の際には、先生から趣旨などの説明を受け、児童・生徒が持ち帰り、保護者と一緒に家庭で作ります。子どもが学校で聞いた趣旨を保護者に伝えながら一緒に作ることで、家庭内で感染者や医療機関関係者への偏見・差別等に対して考える契機となることを目指すとのことです。費用自体は、「啓発チラシ印刷費」と「リボンを作成するひもの購入費用」をあわせて総額60万円前後と聞き及んでおります。費用対効果として大きな効果を見込めるのでは、と思います。松戸市の小中学校においても、積極的にシトラスリボン運動を導入できないものか、引き続き、ご検討頂きますよう要望します。