教師による子どもへの性暴力が社会問題化しています。松戸市においても、わいせつ行為によって小学校講師が逮捕されました※。

現在の教員職員免許法では、わいせつ行為で教職員免許を失っても3年たてば再取得が可能な制度となっています。

平成27年版犯罪白書によれば、小児わいせつの再犯率は10%、前科2犯以上の再犯率は80%を超えているとされており、こうした状況を見てもリスクのある教員を教育の現場に立たせないような教員免許法の改正を進めることが必要です。

このような背景のなかで千葉県議会の立憲民主党会派が今年9月議会において「わいせつ教員に再び教員免許を取らせない教育職員免許法改正を求める意見書(案)」を提出しましたが、残念ながら自民党・公明党の反対により否決されています。文案を転載します。

※NHK「小学校講師 男子中学生にわいせつな写真送らせたとして逮捕」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201023/k10012677121000.html

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「わいせつ教員に再び教員免許を取らせない教育職員免許法改正を求める意見書(案)」

文部科学省では、教員の採用権者に対して官報に公告された教員免許の失効情報を検索できる「官報情報検索ツール」を提供している。しかし、検索可能な期間が直近3年間であることから、教え子等にわいせつ行為を働いた、いわゆるわいせつ教員が、それによる懲戒免職処分等を受けた日から3年たって再び教壇に立とうとする際、検索ができないおそれがあることが問題視されていた。こうしたことから、今般、わいせつ教員への対応の厳格化をめぐり、教員免許失効情報の検索期間をこれまでの3年から40年に延長することが発表された。

この見直しは、直近5年間の官報掲載情報については今年11月から、それ以前の情報は来年2月中には検索できるようになる予定であり、これにより採用権者は、採用対象者が過去40年にわたり懲戒免職処分等を受けたかどうかを確認できるようになり、より慎重な採用選考が可能になるとされている。

しかし、この対応策はわいせつ教員の再犯への抑止力になるとは言いがたい。その理由の一つが、官報に公告されている情報にある。官報には教員免許状の失効の事由や時期などが公告されているが、失効の事由では、例えば「教育職員免許法第十条第一項第二号該当」と記載されているのみで、わいせつ行為による懲戒処分であったのか、飲酒運転といった他の不法行為等によるものであったのかどうかが明らかではない。このため、採用権者は採用対象者本人に教員免許失効の理由を確認することになるが、その内容はあくまで自己申告に依拠せざるを得ず真正性が担保できない。

また、平成27年版犯罪白書によれば、小児わいせつの再犯率は10%、前科2犯以上の再犯率は80%を超えているとされており、こうした状況を見てもリスクのある教員を教育の現場に立たせないような教員免許法の改正を進めることが必要である。

子供へのわいせつ行為を防止することは、子供の人権と未来を守ることであることから、政府に対し、わいせつ教員に再び教員免許を取らせない教育職員免許法の改正を求めるものである。