9月3日、松戸市9月議会が開催されました。議題は「コロナ対策に関する施策を新たに事業化するための補正予算」です。詳細についてはコチラを覧ください⇒https://www.city.matsudo.chiba.jp/shisei/matsudo_kouhou/teireikishakaiken/R2/20200825.html
関根ジローは所属する会派「政策実現フォーラム」を代表して、本会議にて賛成討論を行いました。討論原稿を転載します。
採決の結果、賛成多数で可決されました。各議員の賛否態度は下記の通りです。
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<賛成した会派・議員>
●政策実現フォーラム
関根ジロー
DELI
増田薫
成島良太
戸張友子
二階堂剛
●日本共産党
宇津野史行
平田きよみ
ミール計恵
山口正子
●松政クラブ
木村みね子
桜井秀三
鴈野聡
中村典子
大塚健児
大谷茂範
大橋博
鈴木大介
石井勇
箕輪信矢
杉山由祥
田居照康
小沢暁民
●公明党
城所正美
諸角由美
篠田哲弥
鈴木智明
松尾尚
岩瀬麻理
高橋伸之
伊東英一
飯箸公明
織原正幸
●市民クラブ
末松裕人
市川恵一
渋谷剛士
岩堀研嗣
深山能一
中川英孝
●会派に属さない議員
岡本優子
<反対した会派・議員>
●会派に属さない議員
中西香澄
山中啓之
※敬称略
※原裕二議員は欠席
※議長は採決に加わらない
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政策実現フォーラムの関根ジローです。
議案第26号 令和2年度松戸市一般会計補正予算(第7回)に対して会派を代表して賛成討論致します。
1.補正予算の概要について
補正予算の概要について申し上げます。
令和2年度松戸市一般会計補正予算(7回)は、規定の歳入歳出の総額に歳入歳出それぞれ34億6694万円を追加し、歳入支出の総額を歳入歳出それぞれ2140億6130万円とするものです。
2.歳入について
次に、歳入について申し上げます。
新型コロナウイルス感染症対策や地域経済の活性化などのために国が設けた「地方創生臨時交付金」は、第1次・第2次補正予算において34.7億円が確定していますが、第3次分として不確定要素はあるものの追加で約6.7億円配分される見込みであり、合計41.4億円近くが本市に交付される見込みです。
一方で、令和2年度松戸市一般会計補正予算(7回)を含めた、これまでの本市の新型コロナウイルス感染症対策の歳出は総額56.3億円です。その差額14.9億円については財政調整基金を取り崩して対応する、というものです。
この点について、我会派としては、「非常事態に備えて積んできた財政調整基金は、非常事態である今こそ使われるべき」という考えのもと、「コロナ禍への財政支出は地方創生臨時交付金額の範囲内に限定せず、必要に応じて、「地方創生臨時交付金」に加えて、「財政調整基金」を活用し積極的なコロナ禍に対する各施策の展開を要望してきましたので、市に応えて頂いた形になりますので、評価します。
しかしながら、これまでの本市の新型コロナウイルス感染症対策の歳出総額56.3億円の中身を見てみますと、申請がなければ費用負担が生じない事業が数多くあります。例えば、8月臨時会において事業化された高齢者抗原検査等事業は、4万人の抗原検査への補助予算を確保しているものの、自己負担額が5000円以上生じてしまう等の理由により、申請数が低調であると聞き及んでおります。このように、申請数が低調にとどまることにより、不要額が生じ、結果的に、決算時において「松戸市のコロナ禍への財政支出は地方創生臨時交付金額と同等だった」ということにはならないようにして頂きたいと思います。そのためには積極的な事業の広報をして頂くとともに、必要に応じて要件の緩和等を随時行っていくべきと、指摘します。
3.歳出について
続いて、歳出について、それぞれの事業に対して指摘を申し上げます。
〇子ども食堂緊急応援業務について
子どもの食の確保及び見守り活動を支援する子ども食堂に対して緊急応援金の補助については、厚労省の見守り強化アクションプランとの違いを聞きましたが、本市の応援金は、現在の子ども食堂が実践している活動を地域による見守り活動として、応援金を交付するもので、国の制度は、市の要保護児童対策地域協議会が行う支援対象児童の状況確認がメインで、それ以外の子どもも広く対象とする子ども食堂の活動はもちろん肯定しつつも、「実施要綱」では市が支援が必要と認めた子ども以外への食事の提供は、事業の対象外とされていると言う事でした。確かに全ての子どもが対象となる訳ではありませんが、いつもの子ども食堂の活動そのものが見守り活動に当たるというので、見守り活動の1世帯あたりの費用は実施要綱に照らしても対象になると思われます。
このコロナ禍で、世界的にDVや虐待は増加傾向にあり、我が国でも相談件数は増加しています。支援の必要な方々が顕在化してきていて、今後ますます支援の必要な家庭が増えてくる事も十分考えられます。子ども食堂の活動は行政の手の届かない部分を担ってもらっている部分もあります。
そう考えると、この事業そのものは使い勝手もよく、評価するものですが、今後、厚労省の見守り強化アクションプランも別建てで手を挙げるなどの検討もよろしくお願いします。
〇子ども応援事業について
続いて、こども応援事業の図書カードの配布については、コロナ禍で自宅で過ごす時間が多くなっている子どもたちに、本を読んでもらいたいという事はもちろん否定するものでは有りませんが、秋冬の再流行にむけて、他の緊急を要するコロナ対策も十分とは言えない中で、普通ならこのコロナ禍の間、継続して感染防止に使える設備投資などの方が優先度は高いとおもうのですが、事業規模をみるとそういった設備投資よりも大きいものになっています。今回のコロナ対策補正予算約34億円のうちの3億4000万円という事で、とても予算規模が大きくなっている事から、市民の間でも疑問の声が上がっています。松戸市としては、コロナ対策の補正予算は家賃支援を含む事業継続や雇用維持等への対応や、新しい生活様式を踏まえた地域経済の活性化等への対応を中心に考えていただいているという事でしたが、せっかくこれだけの予算規模ですから、事業目的として地域経済の活性化という側面があることについて、市からもっと積極的な説明が欲しかったと思います。委員会でも要望しましたが、図書カードを使える場所は、市外の本屋やインターネットサイトでも使えてしまうということですので、最大限、市内の地域経済活性化の観点から市内の本屋さんで図書カードを使ってもらえる工夫をしていくことがとても重要だと思いますので、よろしくお願いします。
ただ、まだまだ感染対策としての設備投資も十分ではありませんし、我が会派では、有症者へのPCR検査の拡充だけではなく、無症状の方への社会的な検査も広げていくべきだと考えていますし、今後感染がさらなる拡大をすれば、ここにもお金をかけなければならなくなります。この図書カード配布に予算をかけてしまった事で、緊急を要するコロナ対策ができなくなるという事はないのか?と委員会において質問したところ、必要な対策があれば、この交付金の枠に捉われずに実施していきたいという事だったので、少し安心しました。
いずれにしましても、限られた財源の中で効率よく事業を実施していく為にも、松戸市としてきちんと方針をもって、戦略的に対策を講じていただきたいと指摘しておきます。
加えて、今後の新型コロナウイルス感染症の状況によっては、国からのさらなる臨時交付金がある可能性もあると思われます。その際に再び「子ども応援事業」を検討することがあるのであれば、図書カードに限定すべきではないと指摘します。委員会でお話ししましたが、「絵をかきたい」「スポーツをしたい」「音楽を聴きたい」「映画を見たい」など、子どものニーズは多種多様であり、その子どもがしたいことが出来る環境整備を支援することが「子ども応援」のあるべき姿なのではないでしょうか。そのためには、図書カードに限定するのではなく、クオカードや児童手当の上乗せをしていくべきなのではないしょうか。ご検討をお願いします。
最後に、今回は0~2歳児を対象外としたことは残念であったと思仕上げます。今後、再び「子ども応援事業」を検討する際には、0~2歳児を除外すべきではないと指摘します。
〇ひとり親家庭支援事業について
養育費をもらえていないひとり親世帯への給付金を行う取り組みは全国初の取り組みであり、当事者に寄り添った施策でありますので、評価します。しかしながら、本事業は一時的な支援策であり、根本的に改善するためには「養育費の未払い等」を解決していく必要があります。この点、国においても「養育費の未払い等」を重要な課題と捉え、議論が加速しており、松戸市としてその動きを注視していくとのことでした。しかしながら、国の議論の結論を待たずに、兵庫県明石市や千葉市などは独自に、「養育費の未払い等」の解決にむけた支援事業をスタートしています。ぜひ、松戸市におかれましても、これら先進自治体を参考のうえ、より早く「養育費の未払い等」の解決にむけた取り組みを事業化して頂けることを期待します。
〇行政検査等協力事業について
松戸市PCR検査センターが、松戸保健所から依頼があった「行政検査」を実施する場合の費用負担(医師の報償費や防護衣・ゴーグル・グローブ等)が松戸市に生じている実態が明らかになりました。そもそも松戸市PCR検査センターは千葉県負担で運営されているのにも関わらず、松戸保健所から依頼があった「行政検査」を実施する場合の費用負担については、松戸市が担うことは、不思議でなりません。松戸市におかれましては、本来、千葉県が負担すべき費用は、千葉県が負担するよう、要望して頂きたいと思います。
〇小・中・高学校施設維持管理事業
学校における感染症対策として、水道の蛇口をレバーハンドルに切り替える取り組みについてです。
今回の補正予算第7回に盛り込まれている学校以外の公共施設については、概ね自動水栓化する事業費が計上されており、なぜ学校はレバーハンドルなのか、レバーハンドルでコロナ対策になるのか、疑問でした。この点、委員会のなかで、回転式のハンドル水栓は、指先で握る必要があるため、接触面積も広くなり感染リスクが高まるが、レバーハンドル式は指先を使わず、ひじや手の甲などで扱うことができ、接触面積も最小限に抑えることができるため、感染対策として一定の期待ができることがわかりました。
また、レバーハンドルへの切り替えではなく、電気式の自動水栓への切り替えを行うべきではないかと疑問でしたが、こちらについては、電気式の場合には電気配線工事が必要となり、8000個近くもある蛇口を臨時交付金の対象となる今年度中に整備することが困難であることもわかりました。
次に、電気配線工事が不要である電池式や発電式自動水栓についてであれば、今年度中に整備が可能ではないかと委員会で質問しましたが、電池式や発電式の場合には「電池の交換作業が必要になり、その際の更新費用がかさむことや、電池交換は教職員の負担になる懸念がある」ということがわかりました。
さらに委員会質疑のなかでは「自閉式水栓にしたらどうか」という意見がありましたが、自閉式水栓について調べてみたところ「小学校低学年にとってはおしづらい」や「一回押したときの、水が流れる時間が決まっているため、十分に洗えない場合がある」「レバーハンドル型よりも価格が高い可能性がある」等の声があるようですので、教育委員会におかれましては改めて事実を確認し、精査して頂ければと思いますので、よろしくお願いします。
以上、各事業への要望を申し上げまして、会派を代表しての賛成討論といたします。
ご清聴ありがとうございました。