8月3日、松戸市8月臨時会が開催されました。議題は「コロナ対策に関する7つの事業を実施するための補正予算」です(詳細については添付ご覧ください)。このうちの1つの事業である「無症状の高齢者らに抗原検査の費用補助」については各メディアに報道されています※。

 

※東京新聞(8月2日)「<新型コロナ>松戸市、無症状の高齢者らに抗原検査の費用補助」https://www.tokyo-np.co.jp/article/46492

 

関根ジローは所属する会派「政策実現フォーラム」を代表して、本会議にて賛成討論を行いました。討論原稿を転載します。

 

採決の結果、賛成多数で可決されました。各議員の賛否態度は下記の通りです。

 

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<賛成した会派・議員>

 

●政策実現フォーラム

関根ジロー

DELI

増田薫

成島良太

戸張友子

原裕二

二階堂剛

 

●日本共産党

宇津野史行

平田きよみ

ミール計恵

山口正子

 

●松政クラブ

木村みね子

桜井秀三

鴈野聡

中村典子

大塚健児

大谷茂範

大橋博

鈴木大介

石井勇

箕輪信矢

杉山由祥

田居照康

小沢暁民

 

●公明党

城所正美

諸角由美

篠田哲弥

鈴木智明

松尾尚

岩瀬麻理

高橋伸之

伊東英一

飯箸公明

織原正幸

 

●市民クラブ

末松裕人

市川恵一

渋谷剛士

岩堀研嗣

深山能一

中川英孝

 

<反対した会派・議員>

 

●会派に属さない議員

中西香澄

岡本優子

山中啓之

 

※敬称略

※議長は採決に加わらない

 

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(討論原稿)

 

政策実現フォーラムの関根ジローです。

 

総務財務常任委員長より報告がありました、議案第25号 令和2年度松戸市一般会計補選予算(第6回)について会派を代表して賛成の立場で討論します。

 

1.補正予算の概要について

 

補正予算の概要について申し上げます。

 

令和2年度松戸市一般会計補正予算(6回)は、規定の歳入歳出の総額に歳入歳出それぞれ4億8874万円を追加し、歳入支出の総額を歳入歳出それぞれ2105億9435万円とするものです。

 

2.歳入について

 

次に、歳入について申し上げます。

 

新型コロナウイルス感染症対策として、4月から本日までに計上された補正予算について、財政調整基金からの繰出金は総額約30億円です。一方で、感染症対策や地域経済の活性化などのために国が設けた「地方創生臨時交付金」は、松戸市には第1次と第2次の補正予算あわせて約35億円配分される見込みです。

 

このことから、現時点においては、これまでの松戸市のコロナ禍への財政支出は「地方創生臨時交付の範囲内」で行われていることを指摘します。他自治体においては「地方創生臨時交付金」に留まらず、「財政調整基金」を活用し積極的なコロナ禍に対する各施策の展開をしています。松戸市においても「非常事態に備えて積んできた財政調整基金は、非常事態である今こそ使われるべき」と6月議会において要望させて頂きました。この点について、委員会質疑のなかで、「地方創生臨時交付金の範囲内に留まらず、必要に応じて、今後も補正予算の提案をしていきたい」との答弁がありましたので、期待をしたいと思います。

 

3.歳出について

 

続いて、歳出について、それぞれの事業に対して要望を申し上げます。

 

感染症対策関連事業新型インフルエンザ等対策業務が歳出して計上されていますが、この事業の内訳として7つの事業が含まれています。このうち多くの事業は本来であれば保健行政を担う千葉県が行うべきものであります。県の不作為により、松戸市が事業化せざるを得ない状況であり、市民の命や健康を守るため松戸市として補正予算計上に至ったことは評価しますが、千葉県に対しては必要に応じて県として事業化するように要望して頂きたいと申し上げます。

 

それでは、それぞれの事業に対して、さらなる充実した取り組みになるよう要望申し上げます。

 

①高齢者等抗原検査事業について

 

4点の要望をします。

 

1点目として、今回は1人1回限り、4万人を対象にした事業とのことでした。この点、「誰もが何度でも抗原検査を受けたい時に受けられる体制を構築できる」よう、引き続きご尽力ください。

 

2点目として、様々な事情で病院に出向いて抗原検査を受けることが出来ない高齢者もいると思われるので、医師が訪問し抗原検査を受けることができる取り組みもご検討ください。

 

3点目について、今回の助成事業により、病院によって異なりますが概ね自己負担額は5000円前後になるとのことでした。低所得者に対する配慮として、自己負担額の軽減にむけてご検討ください。

 

4点目として、65歳以上の高齢者、及び高齢者施設の従事者を対象にしていますがが、その他の施設(例えば、学校や保育所や放課後児童クラブ)等の従事者についても年齢に制限をかけることなく対象となるようご検討ください。

 

②介護施設等PRC検査事業についてです。

 

2点の要望です。

 

1点目として、今回の介護施設等でのPCR検査事業は、検体の分析については外部の分析機関に依頼するとのことでしたが、この場合、分析機関の1日の受け入れ検体数に限度があるうえ、郵送のやりとりがあるため、タイムラグが発生すという課題があります。そこで、松戸市PCR検査センターにおいて全自動PCR検査を導入し、必要に応じて「唾液検査」「唾液ブレンド」「プール方式」等を活用することで、タイムリーに大量に検体分析を行える体制を整備するよう要望します。

 

2点目として、今回の対象は介護施設等が対象とのことですが、介護施設以外(例えば、学校や保育所や放課後児童クラブ)で感染者が発生した場合についても、保健所が濃厚接触者として認定しなかった関係者に対しても、感染が心配される場合には、同様に市負担でPCR検査を受けられる体制を整備して頂きますよう、要望します。

 

③ドライブスルー検査会場への搬送支援事業ついてです。

 

感染が疑われる場合には、公共交通機関を避けて、患者が松戸市PCR検査センターまたは帰国者接触者外来に訪問し検体採取をしてもらう必要があります。公共交通機関を使わないということは自家用車か徒歩になりますが、自家用車を持っていない・持っていても体調不良で運転できない・運用を頼める親類などもいない場合、これまでは徒歩で検体採取施設まで訪問する必要がありました。ドライブスルー検査会場への搬送支援事業は、この徒歩で検体採取施設に行かざるを得ない患者への配慮をした取り組みであり評価します。

 

本件については2点の要望をします。

 

1点目です。保健所経由でPCR検査を行うとなった場合には、一部例外はありますが、基本的にはドライブスルーもないし搬送もありません。一方で、今回の事業により、地域の診療所経由であればドライブスルーに加えて搬送支援があることになります。そうすると、患者としては、保健所に相談するよりも、地域の診療所に相談したほうが、サービスが良いことになります。PCR検査の検体採取をすることは変わらないのに、相談した窓口がちがうことによってサービスが違うというのは患者にとっては困惑してしまうと思います。以上のことから、県に対して、ドライブスルー・搬送を行うように要望して頂きますようお願いします。

 

2点目です。1日1件の搬送能力とのことでしたが、搬送を希望する方には、その方を待機させることなく、タイムリーに搬送できる体制を整備しておくべきと思います。そのためには、需要を注視して頂き、必要に応じて、さらなる車両の確保をご検討ください。

 

④新型コロナウイルス感染症患者受入協力助成についてです。

 

1点の要望をします。

 

公立・民間問わず、コロナ禍の影響により病院経営が悪化していることが報道されており、市民のなかで病院経営への行政への支援を強化する声が高まっています。現状、国・県・市として、公立・民間病院それぞれに対してどのような支援メニューを用意しているのか、後日、市議会に対して説明資料を配布することをご検討ください。

 

⑤コロナウイルス検査機器導入支援

 

3点の要望です。

 

1点目ですが、重ねての要望になりますが、松戸市PCR検査センターでの導入を検討お願いします。

 

2点目です。病院によっては「専用の部屋や、操作するスタッフを確保すること」がネックになって導入を踏み切れない病院もあると思われることから、今後は「専用の部屋や、操作するスタッフを確保」にむけての支援策の検討をお願いします。

 

3点目として、本助成事業を活用して民間病院でコロナウイルス検査機器を導入した場合、その活用方法として行政検査としても考えられるとのことでした。松戸市として、その民間病院に対して、具体的に行いたい1日当たりの目標検査数を千葉県と連携のうえ提示して、協力を依頼して頂きますよう、要望します。

 

⑦オンライン診療等導入事業についてです。

 

1点の要望です。

 

オンライン診療によってコロナ感染リスクを低減することが出来ると思います。コロナの相談について、オンライン診療を推奨するように、松戸市HPや広報まつどで広報することを要望します。

 

以上、各事業に対して要望を申し上げました。

 

4.結び

 

結びとなりますが、我が会派では、感染拡大防止策としても、経済対策としても、検査の拡充は必要不可欠だと考えています。本来は市が一元管理して行った方が効率は良いと思いますが、今回の助成や補助事業で導入が進み市内でPCR検査や抗原検査が受けられる場所が少しでも増えていけば、秋冬のさらなる感染拡大時への備えにもなります。すでに市中感染がここまで拡がってるわけですから、今後は現在の症状が出たらそれに対応するというな受動的な検査体制ではなく、無症状者も含めて積極的にみつけて、早期に隔離、治療へ繋げて、封じ込めができるような体制整備を進めいただけるよう要望し、会派を代表しての討論と致します。