松戸市教育委員会では、5月20日付けで保護者宛てにお手紙を配布し「6月は分散登校する」としておりました。しかしながら、その後、6月2日には保護者宛てに「6月15日以降の教育活動について」というお手紙を配布し、6月15日から分散登校を解消するという日程変更を行いました。

 

このことについて「なぜ分散登校を解消するのか」「分散登校を解消でソーシャルディスタンスを確保できるのか」「再度の分散登校はどのような基準で行うのか」などについて、6月11日の市議会で教育長に質問しました。議事録(未定稿)を転載します。

 

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◇質問:関根ジロー

 

質問事項1小中学校における新型コロナウイルス感染症対策について伺います。

 

質問要旨(1)、6月15日から分散登校を解消することについて、「(ア)解消する理由について」、「(イ)分散登校解消により児童生徒等の座席の間について概ね1メートルから2メートルの距離を確保することが困難になると思われるが見解を伺う。」「(ウ)どのような基準で、再度の分散登校を実施するのか見解を伺う。」について、質問します。

 

アとイは関連がありますので、一括して質問します。

 

松戸市教育委員会では、5月20日付けで保護者宛てにお手紙を配布し「6月は分散登校する」としておりました。しかしながら、その後、6月2日には保護者宛てに「6月15日以降の教育活動について」というお手紙を配布し、6月15日から分散登校を解消するという日程変更を行いました。厚労省・千葉県が策定している感染症対策ガイドライン等では、児童生徒等の座席の間について概ね1メートルから2メートルの距離を確保することが望ましいとされているなかで、分散登校解消によりガイドラインが守れなくなるのではないかという声が保護者から挙がっています。そこで、なぜ6月15日から分散登校を解消するのか理由をお答え頂くとともに、概ね1メートルから2メートルの距離を確保することが出来るのかお答えください。

 

ウについて、要旨のままお聞きします。どのような基準で、再度の分散登校を実施するのか見解をお答えください。

 

◇答弁:松戸市教育長

 

アについて答弁申し上げます。

 

松戸市においては、6月1日より、児童生徒の分散登校による教育活動を再開しております。松戸市の新規感染者数は5月14日より0人が続き、通常の教育活動の開始をどの時期からにするか、決定できる機会を5月中は窺っておりました。5月下旬における近隣都県や近隣市においての学校再開の様子や市内の感染状況を勘案し、6月15日より全児童生徒一斉登校といたしました。

 

イについて答弁申し上げます。

 

分散登校を解消することにより、解消前よりも密な状況が生じるのは議員のご指摘とおりでございます。一方、アで答弁申し上げた通り、様々な状況を勘案して、6月15日からは全児童生徒が登校して教育活動を行う必要があると判断したところでございます。

 

座席の距離については、教室内で可能な限り間隔を取って授業を行います。また、消毒や生活ルールの徹底等、飛散等による感染症拡大防止に努め、教育活動を進める所存です。

 

ウについて答弁申し上げます。

 

再度の分散登校を行うケースとしては、市内の感染状況が悪化して市内の特定地域、あるいは市全域で行う必要が生じる場合、特定の学校で分散登校を行う必要が生じる場合等、いくつかのケースが想定されます。

 

分散登校を行うか否かについては、松戸市内の感染状況、近隣都県や近隣市においての状況等様々な状況を鑑み、関係機関と連携しながら総合的に判断することになると認識しております。

 

◇要望:関根ジロー

 

文部科学省が5月22日に公表した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル『学校の新しい生活様式』」において、「新しい生活様式」を踏まえた学校の行動基準が記載されています。具体的には地域の感染レベルを三段階に分類しており、地域における新規感染者数などが多発などしている場合をレベル3とし、新規感染者が落ち着いている場合にはレベル1とするとしています。レベル3の場合には「身体的距離をできるだけ2m程度(最低1m)を確保、感染リスクの高い教科活動については行わない」、レベル1の場合には「1mを目安に学級内で最大限の間隔を取る、教科活動は十分な感染症対策を行った上で実施」するとしています。

 

社会全体としてソーシャルディスタンス2mを確保することが望ましいとされているのに、学校においては地域の感染者数の状況により「1mを目安に最大限の間隔を確保すればよい」と文科省が見解を示したことに批判の声が挙がっていることは事実です。私自身も批判の声に共感するものです。

 

しかしながら1クラスに35人~40人にいる学校現場の実情なかでは2mを確保した場合、分散登校しかありえない状況になってしまいます。分散登校を行う場合、自宅待機になるグループの学習保障が重要になりますが、現時点で「オンライン授業を行う環境整備が図れていない」という実態があり、自宅での学習について学校が十分にフォローすることは困難があり限界があります。また、オンライン授業はあくまでも代替え手段で、対面での教育活動に勝るものはないという意見も根強いです。このような背景から、学校においては地域の感染者数の状況に応じて、ソーシャルディスタンスの距離を緩和せざるを得ない実情があるのだろうと思われます。

 

この文科省の新しい生活様式を踏まえた学校の行動基準の考え方を、松戸市が策定した「学校における新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」にも盛り込むべきですし、保護者にもこの考え方を丁寧に説明し、理解を得る努力をして頂きたいと要望します。加えて、松戸市として、地域の感染レベルが何レベルにあたるのか根拠とともに明確に情報発信し、とりわけ保護者に対しては丁寧に説明されるよう要望します。

 

なお、地域の感染者数の状況により、行動基準が変化し、それに伴い学校の日程が変更することはあり得ることだと理解しますが、日程変更の日程変更を連発することで保護者に大きな負担となることも事実ですので、レベル1からレベル2、レベル2からレベル3への対応は命・健康に係るので迅速に、レベル3からレベル1に向かっての対応は慎重に行いつつ、可能な限り、日程変更に日程変更を重ねることを避ける努力をして頂きますよう要望します。