本日、松戸市6月議会が開催され、新型コロナウイルス感染症に関する予算(専決処分※1)の承認等についての質疑・討論(※2)を行いました。関根ジローが所属市議会会派「政策実現フォーラム」からは、会派を代表してDELI幹事長が討論しました。

 

討論原稿は下記の通りです。

 

※1 専決処分とは、本来、議会の議決・決定を経なければならない事柄について、市長が地方自治法の規定に基づいて、議会の議決・決定の前に自ら処理することをいう

 

※2 市議会の討論とは、お互いに議論を交わし合うことではなく、賛否の理由を述べることにより自分の意見に賛成・同調することを他の議員に求めること

 

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ただ今、議題になっている、議案第3号、第4号、第9号、及び第11号の専決処分の報告及び承認について、令和2年度松戸市一般会計補正予算の第1回から第4回までについて、会派を代表して賛成の立場から討論します。

 

まず、議会には、その経緯や理由、期待する効果など、行政からの情報を可視化つまり市民に見えるようにする、重要な役割があると考えています。

 

近隣自治体では、柏、市川、船橋、野田、白井、東金などが、5月中に臨時議会を開催していた事もあり、我々政策実現フォーラムとしましては、多額の事業費が必要な予算について、早期に臨時議会を開催する必要性を訴えてまいりました。

今回の専決処分については、新型コロナウイルスの感染者が増加する中、休業等により生活に困窮している市民、経営が厳しい事業者等の生活を守るための緊急を要する事業であるためや、国の緊急経済対策により実施する事業で国からも迅速な対応を図るように求められていた事もあり、それぞれ専決処分されたものだと理解しています。

 

しかしながら、国や県から五月雨式に対策が打ち出される中で、情報が錯綜したり、申請手続きの煩雑さや、行政としても準備が十分整っていなかった事もあり、支給が遅れていたり、支給や支援が行われていても、十分な救済措置が行き届いておりません。現在、国においても、第二次補正予算が審議されていて、さらなる支援や補償が求められている状況です。

それぞれ自治体の事情もあると思いますので、第一波での課題や反省点を抽出し、改善してさらなるスムーズな支援に繋がるよう、今後とも状況にあった対応をよろしくお願いいたします。

 

それでは、それぞれ意見・要望等を申し上げます。

 

議案第3号令和2年度松戸市一般会計補正予算(第1回)については1事業について申し上げます。

 

まつどの福祉・介護・子どもを支えるひと応援事業についてです。この事業は、新型コロナウイルスの感染が拡大している中でも、介護や子どもの保育等の支援が必要な市民の生活を守るために、感染リスクを抱えながらも働き続けている介護等に従事する職員や子どもの保育等の支援に従事する職員に対して敬意を表するため支援金を給付する事業であり、評価をします。しかしながら、質疑で明らかになりましたように、公立保育所が対象外とされていることは残念であります。感染リスクを抱えながらも働き続けている保育従事者に公立も私立もありません。何かしらの手当を公立保育所職員にも講じるべきだと、要望申し上げます。また、放課後児童クラブにおいては、「まつどの福祉・介護・子どもを支えるひと応援事業」に加えて、新型コロナウイルスの感染リスクがあるなかで業務を続けて頂いていることを理由に「月1万円(主任は2万円)の手当を支給する」としています。新型コロナウイルスの感染リスクがあるなかで業務を続けて頂いているのは、放課後児童クラブ職員に限った話しではなく、介護等に従事する職員や、放課後児童クラブ以外の子どもの保育等の支援に従事する職員も同様です。これら全ての職員に対し、公立・私立を問わず、更なる手当を講じて頂きますよう、要望します。

 

続きまして、議案第4号、令和2年度松戸市一般会計補正予算(第2回)については2事業について申し上げます。

 

1つめは、特別定額給付金についてです。松戸市では、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策にかかる特別定額給付金について収入の減少等により生活に困っている世帯のため、通常の申請手続きに先行して、4月28日より申請書のダウンロードを開始するなどの取り組みを行いました。この先行申し込みを導入したことにより、必要とする方に早く給付できたことを評価いたします。また、その際、インターネット環境がない世帯もあることから、申請書を市庁舎および支所の窓口に用意するというきめ細かなご対応をして下さったことにも感謝申し上げます。一方で、質疑で明らかになりました通り、事務量が増大することで「二重給付のリスク増大」、「作業する職員のソーシャルディスタンスの確保が困難」等の課題があったことも事実であります。コロナ禍が長期化するなかで、今後、さらなる定額給付金が追加で給付される可能性もありますが、その際には、先行申し込み導入ありきではなく、「先行申し込み」や「オンライン申請」のメリット・デメリットを冷静に分析したうえで、対応を検討すべきと要望します。なお、先行申し込み導入しない場合には、収入の減少等により生活に困っている世帯ための施策として、生活困窮者への独自の貸付制度を充実するなどの対応をご検討頂きますよう、要望します。加えて、今年4月28日から来年4月1日までに生まれた新生児にも特別定額給付金と同額の支給をご検討頂きますよう要望します。

 

2つめは、子育て世帯への臨時特別給付金についてです。新型コロナウイルスの感染拡大で、子育て世帯の負担増は深刻です。学校や保育園、幼稚園が休園となったことで仕事に影響が出たり、休校中は安価な給食費で提供されていた給食がなくなったことも家計の負担となっています。こうした子育て世帯の負担軽減を目的した国の施策が「子育て世帯への臨時特別給付金」です。支給額は、子ども一人あたり1万円で、全額国庫負担となります。質疑では、松戸市独自で「子育て世帯への臨時特別給付金」に上乗せする考えがないかを伺いましたが、残念ながら今のところ考えていないというものでした。コロナ禍で影響を受けたのは全ての子育て世帯ですので、全ての子育て世帯の負担軽減にむけて、市独自で上乗せすることを強く要望します。なお、ひとり親世帯への松戸市独自の給付については評価するものです。

 

続きまして、議案第9号、令和2年度松戸市一般会計補正予算(第3回)については2事業について申し上げます。

 

準要保護世帯への緊急支援についてです。準要保護世帯への緊急支援とは、市内の準要保護世帯に対し、子どもたちの自宅での生活維持に必要な家計の支援を行うため、給付金を支給する松戸市独自の施策です。支給の対象は「松戸市就学助成制度による準要保護世帯小中学校の児童生徒」及び「これらの世帯に属する令和2年5月15日現在出生している未就学児童」です。支給額として1人当たり3万円を支給するものです。質疑を通して、準要保護世帯と同等の経済状況で小中学校の児童生徒はいないが、「未就学児がいる世帯」や「高校生がいる世帯」等が緊急支援の対象とならない実態が明らかになりました。このような世帯も対象とされるよう、拡充を要望します。

また、介護施設等感染拡大防止対策補助金については、今後新たに必要となる対策費用についても補助金を活用できるよう柔軟な対応をよろしくお願いします。

 

最後に議案第11号、令和2年度松戸市一般会計補正予算(第4回)については、1事業について申し上げます。

 

経営支援事業についです。感染拡大防止対策を行っている店舗が市民からもわかるよう可視化するための様式を作成してホームページ等で配布を行い、事業者が店頭などで掲示することができるよう準備を進めていただいているという事で、感謝申し上げます。もちろん、これだけで安心して社会経済活動に戻れるというわけではないと思いますので、今後も先進的な取り組みを行なっている自治体の動きなども注視していただき、どんどん良いものは取り入れていっていただきたいと思います。

また事業者が適切に情報を収集することが前提にあるというのはわかりますが、すべての事業者が適切に情報収集ができるわけではありませんので、できるかぎりの配慮、サポートの方をよろしくお願いいたします。

 

その他の補正予算についても、事業の目的に沿う内容であると判断しましたので賛成します。

 

最後に審査にあたり、新型コロナウイルス感染症対策等でお忙しい中、資料提供や質疑に対して真摯に対応してくださった職員の皆様にお礼申し上げまして私の討論を終了します。

 

以上で、政策実現フォーラムを代表しての賛成討論とします。