松戸市では「緊急事態宣言が5月末まで延長されたこと」を受けて「休校期間を5月末まで延長」しています。緊急事態宣言が継続している千葉県を含めた都道府県について、政府は5月21日ごろに開催する専門家会議において「解除を検討」することとしています。

 

このような状況のなか、千葉市では学校再開に関する道筋※を明らかにし、5月末を待たずに千葉県が解除されても再度の日程変更はしないことを公表しました。

 

一方で、松戸市においては現時点で学校再開に関する道筋の全体像が公表されておらず、5月15日に各学校から保護者に対して「連絡日」の連絡をする等(議会にも連絡日を設けることを情報共有すべきだったと指摘します)、散発的な案内となっており、多くの保護者から不安の声が挙がっています。

 

「緊急事態宣言解除にあわせて学校再開をするのか。それとも独自の基準を設けて学校再開をするのか」「どのような感染症対策を講じるのか」等を含めた質問書を市長・教育長に提出すべく会派内で議論をしています。

 

現時点で、関根ジローが市長・教育長に質問したい項目は下記の通りです。

 

※ 千葉市の学校再開までの道筋は次の通り。5月25日~6月5日は任意の分散登校日とし、各クラスを2グループに分けて、5月25日の週は1日3時間の登校日を2回、6月1日の週は5回設ける。児童・生徒に事前に配った課題の確認など登校日を通じて学校に慣れてもらう。新型コロナへの保護者の不安を考え、6月中は休んでも欠席扱いにしない。

 

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(1)一部の学校において保護者に対して「6月1日から学校再開」と案内しているが、「6月1日から学校再開」は教育委員会としての公式見解か。現時点で、決定事項でないのであれば「6月1日から学校再開」と案内することは保護者に誤解を与えないか。

 

(2)緊急事態宣言解除にあわせて学校再開をするのか。それとも独自の基準を設けて学校再開をするのか。

 

(3)上記(2)の回答で、仮に緊急事態宣言解除にあわせて学校再開をする場合について。安倍首相が示した宣言解除の基準の一つとして「直近1週間の10万人あたり新規感染者数が0.5人程度」であることを挙げている。千葉県全体としてこの基準をクリアしたとしても、松戸市としては基準をクリアしないことも想定※1されるが、その場合においても学校再開するのか。

 

(4)4月と5月に各家庭に送付した課題について。

 

①課題は評価の対象か。

 

②様々な実情の世帯(両親ともエッセンシャルワーカーで子どもの学習を見られない場合や、障がい等があるお子さんの場合等)があるなかで「課題が終わらなかったり、課題への理解が不十分な場合がある」と思われるが、評価について配慮はされないのか。

 

③一部の学校は保護者に対して「学校再開以降に課題の範囲をテストする」と案内しているが、様々な実情の世帯があるなかで、課題の範囲を通常通りの授業で扱わず、テストすることは配慮に欠けていないか。

 

④保護者から「4月の課題は復習が中心だったが、5月の課題は予習の範囲であり分量も多く家庭への負担が重い」という声が挙がっている。文部科学省が「学習内容の一部繰り越しを容認する(最終学年除く)」旨の通知※2を出しているなかで、家庭への負担を強いてまで予習の範囲を課題とすることの妥当性は。また課題に出した予習の範囲は学校再開以降に通常通に授業で扱わないのか(授業で扱わない、または駆け足での授業で済ますのか)。

 

(5)学校再開後、当面は分散登校を行うと思われる。分散登校開始に当たり、具体的な感染症対策(「生徒同士の間隔を2m確保」や「登校した生徒全員の検温」等)を示してほしい。また給食・配膳・体育・部活・掃除(とりわけトイレ清掃について感染を心配する声が挙がっている)について行うのか、行うのであれば、それぞれについて具体的な感染症対策を示してほしい。

 

(6)分散登校を任意登校(登校日扱いにしない)という扱いにするのか。なお千葉市では6月末までは欠席しても、欠席扱いにしないとしている。

 

(7)児童が登校する際には「健康観察カード」の提出を行うと聞き及んでいる。健康観察カードには「①37.5℃以上の熱がない②強いだるさ(倦怠感)がない③息苦しさ(呼吸困難)がない④咳をしていない⑤風邪のような症状がない」というチェック項目がある。このことについて、1つとして①については、政府が37.5℃以上の目安を削除したことから「平熱よりも高い体温ではない」等に修正すべきではないか。2つとして、①~⑤までの項目に1つでもチェックがついた場合には自宅療養してもらうという認識であっているか。その場合には欠席扱いになるのか。

 

(8)学校再開以降、在校中に児童の具合が悪くなった場合の対応は。

 

(9)分散登校を登校日扱いにするか、しないかに関わらず、感染症を不安に思い登校させたくない世帯に対しての配慮をどうするのか(オンライン等で授業に参加する機会を提供すべきではないか。登校日扱いの場合には、オンラインでの参加により、登校したことを認めるべきではないか)。

 

(10)夏休み等の短縮は行うのか。また土曜日等も授業を行うのか。夏季休暇短縮や土曜授業を検討する際には、「教職員の負担軽減」についても配慮をすべきと思うが、教育委員会の見解は。

 

(11)教育長が各家庭に郵送した手紙「2つ、お願いします」には、家庭での予習を前提にした授業を行う旨が記載されている。これは、今年度に予定していた学習範囲を全て修了させたいということなのか(文科省は小6・中3以外は複数年で修了することを認める通知を出している※2)。

 

(12)「地域で感染者が出た場合」「生徒・教職員の家族に感染者が出た場合」「生徒・教職員が感染した場合」のそれぞれについて、「情報公開」及び「当該学校関係者への注意喚起」はどのような基準で行うのか。また、どのような基準で、再度の休校判断を行うのか。

 

(13)オンライン学習について。

 

①各学校から保護者に対して「Wi-Fi環境等の調査」が行われているが、市教委から学校に対して、どのような内容を書面で調査依頼をしたのか(依頼文を示してほしい)。

 

②Wi-Fi環境があっても料金定額制でなく従量制の場合には、オンライン学習を行った場合に家庭に経済的な負担が生じる。現在、教育委員会として「6月末までに学校用パソコン約2600台を自宅にネット環境がない児童生徒に無償貸与」を取り組むとしているが、ネット環境の無償提供の対象は、ネット環境が従量制の家庭は対象にならないという理解でよいのか。

 

③ネット環境の無償提供の対象をネット環境が従量制の家庭も含めて検討しているのであれば、「定額制のインターネット環境の有無」をアンケート調査すべきではないか。

 

④報道※3では「小中学校にあるパソコン2600台を、自宅にネット環境がない児童・生徒に無償で貸し出すことを決めた。休校が長引くことを想定し、6月末までに順次貸与し、インターネットに接続できるようにする」とあったが、(ア)2600台で足りるか(対象者は誰か。端末の種類はタブレットか)。仮に足りない場合には優先順位が高い学年から配布を検討するのか。また、足りない場合には、さらなる追加にむけてレンタル等も検討しているのか。(イ)ネット環境はついているのか(ウ)ネット通信料は誰の負担か(エ)設定する必要があるのか・設定する必要がある場合には誰が設定するのか。(オ)6月末までに貸与というのは遅いのではないか。(カ)他市に比べて財源が少ないと思われるが、必要に応じてさらなる財源措置の必要性は。(本質問は4月30日に提出した質問書の再掲)

 

⑤現在はe-ライブラリ等の「一方通行」のオンライン学習を案内するに留まっているが、今後、配慮が必要な世帯に対してPC等やネット端末を貸与した以降は「リアルタイムで双方向」のホームルームやオンライン授業を行うのか。

 

⑥分散登校によって、登校するグループと自宅学習するグループにわかれると思うが、自宅学習となるグループに対して「オンライン授業を含めたオンライン授業」を行うという理解でよいか。そうではなくて、第2波等により休校した場合にのみ「オンライン授業を含めたオンライン授業」を行うのか。

 

(14)放課後児童クラブについて

 

①分散登校を開始すると、放課後児童クラブが過密になることが予期されるが、感染症対策(生徒同士2m等)に万全を期すことができるのか(感染症対策の取り組みを示してほしい)。

 

②放課後児童クラブにおける原則閉所(一部、例外を設ける)は学校再開以降も継続されるのか。

 

③一部例外として「保護者が医療従事者、介護などに勤務している家庭」と「その他」に該当する児童は預かる、という対応を講じているが、「その他」についての基準が曖昧であり、保護者が「その他」と申し出すれば、申し出した全てのご家庭が保育所や放課後児童クラブ等を利用できる実態がある。学校再開以降、放課後児童クラブへの児童が増えることが想定されるなかで、松戸市として「その他」について利用の可否を判定する公平な基準を策定し、その基準をもとに市が判定し、その結果を市が保護者に連絡する考えはないか。

 

④学校においては分散方式による登校が検討されているが、学童においても学校の分散登校に準じて、グループ化し分散(空き教室や空き物件を確保し、2mの間隔を確保する)する考えはないか。

 

※1 5月15日時点の10万人当たりの新規感染者数。北海道1.68人、東京1.44人、神奈川0.95人、大阪0.78人、埼玉0.78人、千葉0.32人。

 

※2 朝日新聞(5月15日)「学習内容の一部繰り越し容認へ 最終学年以外で」https://digital.asahi.com/articles/ASN5H3QZ7N5HUTIL00C.html

 

※2 毎日新聞(4月28日)「東京近いのに権限弱い松戸市の苦慮 『危機意識で県とギャップ』 千葉」https://mainichi.jp/articles/20200428/k00/00m/040/052000c