関根ジローが所属する政策実現フォーラムは、松戸市新年度予算案に対して「コロナリスク」を含めて重大な問題があるため、一部の大型開発予算※に係る事業を削除する修正案を予算委員会(3月23日)で提案しましたが、残念ながら賛成少数で否決されました。その後、新年度予算案に対しての採決があり反対しました(3月25日)。反対理由は本会議最終日の討論の場で表明しました。討論は下記の通りです(未定稿)。また、新年度予算案に対しての各議員の賛否態度も掲載します。
なお、採決が行われたのは「3月23日に予算委員会において」「3月25日に本会議において」です。当時は既に、新型コロナウイルス感染症感染者が増加し、3月19日には経済再生担当大臣が「経済への影響は非常に大きなものがあり、リーマンショック並みか、それ以上になるかもしれない」と相当な危機感を表明していた時期でした。
※修正案の内容は、「松戸駅周辺地域活性化事業の新拠点ゾーン整備基本計画策定業務委託他2021万円」、「土地区画整理関係業務3390万円」、「松戸都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計繰り出し金2億2587万円」の大型事業に関連する予算を削除したものです。
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議案第63号 令和2年度松戸市一般会計予算 及び 議案第70号 令和2年度松戸市都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計予算 には「反対」の立場で会派を代表して討論を行います。なお、第70号を除いた議案第64号 令和2年度松戸市国民健康保険特別会計予算から、議案第73号、令和2年度松戸市下水道事業会計予算につきましては、各事業の重要性を鑑み「賛成」とする旨を申し添えます。
1.新年度における市税収入の見通しと、コロナによる減収のリスクについて
それでは、反対の令和2度松戸市一般会計予算と新松戸土地区画整理事業特別会計についてです。
まず、コロナウィルス感染拡大による影響が心配される歳入について。
さて、本市歳入の根幹をなす市税は、今回の予算で、前年比約5000万円増の690億円とほぼ前年通りの収入を見込んでいます。しかし、予算編成時、おそらく1月前後と思いますが、その時期から急速に世界的に新型コロナウイルス感染が拡大いたしました。そして現在でも歯止めがかかっていない状況であり、まさに世の中が一変したようにも感じております。こうした状況下、経済への影響について経済再生担当大臣は3月19日に記者会見を行い、「経済への影響は非常に大きなものがあり、リーマンショック並みか、それ以上になるかもしれない」と相当な危機感を表明しております。こうした先行き、景況悪化が見込まれることから、審議のなかで、2008年に発生したリーマンショックの際、市税に対しどのような影響があったかについて質問いたしました。答弁では、リーマンショックの市税影響額として、2009年の決算額と比較し、2010年はマイナス6.3億円、2011年はマイナス18.5億円の影響があったとし、かなりの悪影響があったことが明らかにされました。こうした過去の経験から、今回の影響が、リーマンショック以上となれば、2年間だけでも24.8億円以上の減収見込まれることになり、そもそも近隣他市に比べ担税力に劣る本市にとってはさらなる大きな痛手となることが予想されます。
こうした市税収の見通しが暗い中、気になるのは、ここ10年で、増え続ける本市の借金、市債残高と市から新拠点ゾーン開発などさまざまに提案されている大型事業についてです。増え続ける借金の中、大型事業を行えば、借金はさらに増えるのは当然です。こうしたことを憂慮した議会からの「どこまでなら市は借金ができるのか?」の問いに対し「本市市債残高限界値の目安は、これまでの一般会計市債残高のピーク額、約1436億円」との答えが当局から示されているのはご案内の通りです。
しかし、直近の30年度決算値でも明らかなように、本市のプライマリーバランスはマイナスであり大型事業を行っていない現在でも借金は増え続けている状況であり、大型事業を行えば本市財政はどうなるのか?と不安は尽きません。昨年の予算審査において、我会派から「市は『市役所建て替え』『新焼却炉建設』『新松戸東口区画整理』といった大型の3事業を推進するとしているが、目安内でできるのか」と質問したところ、答弁として「3事業については、現段階ではできるものとみている」との答弁がありました。しかし、今回の代表質問において、再び同趣旨の質問をしましたが、市のお答えは「必要があれば、目安を超えてもおこなってまいりたい」との答弁で、昨年の予算委員会での答弁を修正したかたちとなりました。
しかしながら、先ほど申し上げた通り、新型コロナウイルス感染症拡大により世界経済への打撃が深刻化する中では、本市財政もマイナス影響が見込まれ、今後、そのリスクはさらに増大していくと思われます。こうした現在の厳しい情勢下、「必要があれば市債残高の目安を超えても問題ない」と安易に目安突破に転じようとする市の姿勢はいかがなものかと、強く思っております。
2.修正案について
こうした今後の税収減の可能性や現段階では市債残高の目安を守ろうとする姿勢は必要との考えから、我会派は令和2度松戸市一般会計予算の委員会での採決にあたり、修正案を提出しました。修正案の内容は、第1条歳出予算のうち、第8款土木費第4項都市計画費における「松戸駅周辺地域活性化事業の新拠点ゾーン整備基本計画策定業務委託他2021万円」、「土地区画整理関係業務3390万円」、「松戸都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計繰り出し金2億2587万円」の大型事業に関連する予算を削除したものです。残念ながら修正案は委員会採決において賛成少数で否決されてしまいました。
我会派としては修正案で削除提案した事業以外は賛成と考えていたものの、削除提案した大型事業関連予算が本市にとっては重大な問題であると判断したため、苦渋の決断ではありましたが、予算全体に「反対」をすることとなりました。
全体の予算に対する考え方を述べさせていただきましたが、ここからは、修正しようとした事業の問題点、認めがたい理由の詳細についてそれぞれ申し上げます。
3.松戸駅周辺地域活性化事業の新拠点ゾーン整備基本計画策定業務委託他について
まず、一つ目、松戸駅周辺活性化事業、新拠点ゾーン整備基本計画策定業務委託料他についてです。2点の観点から問題を指摘させていただきます。
まず「事業費」の観点からです。昨年の代表質問で明らかとなったように、約460億円という巨額な事業費がこの新拠点ゾーン開発には見込まれています。まさに市の将来を左右するような大きな大きな事業です。また、災害時、本部が置かれ司令塔の役割を担う現市庁舎は耐震不足であり、市民、職員の命を守るためにも早急な改善は待ったなしの状況です。なので、市役所の移転候補地の一つでもある新拠点ゾーン開発を進めるのか否かの判断は急がなければなりません。そのためにも事業費の詳細、とりわけ市の負担額、市債発行額の見込みを早く明らかにしなければならないと考えております。こうした思い考えから委員会質疑においてこの点をあらためて様々な角度からお聞きしましたが、「現段階でお示しすることはできません」との一点張りの答弁、ならばと、「基本計画では記載されるのか?」とお聞きしましたが、「記載できない」とのお答えでした。しかし、なぜなのでしょうか?市役所の耐震不足は喫緊の問題であるのは執行部も当然そう認識しているはずです。昨年におおよその事業費が明らかになり、そして一年が経ちました。なのに、新拠点ゾーン開発の一番の課題、問題である「市の負担額と市債発行額の見込み」は今なお明らかになりません。なぜなのでしょうか?この一年間、市は一体何をしてきたのでしょうか?それとも多額の費用が明らかになれば、新松戸区画整理事業など他の大型事業に影響が出るのではとそんなことをもしかしたら恐れているのでしょうか? 何べんも申し上げますが、市役所の耐震不足の問題は大きな費用が掛かろうと必ず解決しなくてはいけないものと我々は考えます。なぜなら、それは人の命に係わる問題だからです。今回は、新市庁舎整備基本計画に係る予算も出されておりますが、早く事業費の詳細、市負担額を明らかにすべきと申し上げるとともに、市の負担額、市債発行額の見込みを隠したままで、強引に事業を推し進めようとする市の姿勢には看過できないと強く指摘をさせていただきます。
次に2点目として、「市民との合意形成」に関する観点から問題を指摘します。市民と若手市職員がメンバーになっているワークショップ「MATSUDOING 2050」が、昨年8月から全6回の予定で開催されており、これまでに5回開催されています。このワークショップでは、「30年後を見据えて新拠点ゾーンを含めた松戸駅周辺で必要とされる公共空間について議論し考える場」とされています。今後の予定として、インターネットを活用した意見募集を5月にかけて行い、その後、5月17日に「まちづくりデザインマップ最新案」を策定・公表するとしています。しかしながら、この成果物を待たずに市が新拠点ゾーンに市役所を移転させることを前提した本予算を計上していることについて、複数の参加者に情報共有したところ、「ワークショップのなかで新拠点ゾーンに市役所を移転させようという意見集約に至っていなし、そもそも新拠点ゾーンに市役所を移転させる案があることをワークショップのなかで説明を受けていない」とおっしゃっていました。加えて、「市民の意見を聞くと言っておきながら、市は裏で着々と新拠点ゾーンに市役所を移転させる計画を進めていたとすれば、一体、何のためのワークショップだったのか、大変に残念な気持ちだ」ともおっしゃっていました。今回のように予算建てをし、基本計画策定を進めようとするのであれば、全6回にわたるワークショップのなかで正々堂々と「新拠点ゾーンに市役所を移転すること」についても議題にあげて、市民と市職員が一緒になって議論し考えるべきだったのではないでしょうか。それが市としてのあるべき姿勢だったのではないでしょうか?今回、市民と行ったワークショップをもって新拠点ゾーン開発での市民合意を図ったと仮に、するならば、それは単に「市による市民合意形成のアリバイ作り」とされてもしかたないものと考えます。よって、本予算を計上することは認められないと申し上げます。
4.土地区画整理関係業務について
次に土地区画整理事業のうち常磐線快速列車新松戸駅停車調査業務2822万円について問題点を申し上げます。さて、この予算は新松戸駅東側地区土地区画整理事業とあわせて常磐線快速列車の新松戸駅停車に係る調査等を行うものであり、新松戸駅に快速電車を停車させることは、多くの市民の願いであり、我会派としても方向性を同じくするものです。しかしながら、本事業は、「不透明な事業費」「調査を進めようとする市の姿勢」「地権者の強い抗議」という3つの重大な問題を抱えていると考えています。
まず1つめの「不透明な事業費の問題」です。市として新松戸駅に快速電車の停車が可能かを判断するため、これまで過去3年間で6000万円を超える市税を投入し、市で調査してきました。その結果、「技術的に可能」という結論付けを行い、新年度にはJR東日本に対して更に調査を依頼しようと2882万円を計上されました。本来であれば「技術的に可能」と結論付けた今、JR東日本にさらなる調査依頼をする前に、実際に新松戸駅に快速列車を停車させる場合の概算事業費の見込みや市負担額の見込みを示すべきと考えます。快速列車を停車させるためには「駅改修工事費用」や「JR東日本のシステム改修費」や「全国の駅や電車内に掲示されている路線図の更新費用」「ホーム増設に伴う線路用地の確保」など多額の費用が必要なのではと思われます。しかしながら委員会質疑では「市負担が生じる」ことについてはじめて言及があったものの、肝心の「市負担額の見込み」はどうなるのかわからないとのことでした。一体、新松戸駅に快速電車の停車させるために市はいくら負担するのでしょうか、逆にいくらまでであれば市は支出可能なのでしょうか。また、なぜこれまで市の負担が生じるということを明らかにしてこなかったのでしょうか?このような先の見通しを市がまったく説明できないのは重大な問題と考えます。
2つめとして「調査結果が非公表」の問題です。先ほども述べましたが、これまでに市は6000万円を超える市税を投入して調査をし、市としては快速列車を停車させることが「技術的に可能」と結論付けました。しかしながら審議のなかで「技術的に可能」としたのならその中身について詳細を教えてほしいと質問しましたが、執行部からは「お示しできない」との答弁がありました。6000万円もの市税を投入して調査した結果を非公表とする市の姿勢は問題だと思います。また、非公表とされてしまったために、新松戸駅への快速列車停車にむけて「ホームの増設が必要なのか」や「東口または西口の駅前広場を線路等の用地として確保する必要があるのか」などが、まったくわからず、どのようにして停めるのかの想像がつかず、したがって今回の調査予算が有効なものなのかの判断ができずに今に至っています。 また、質疑において「今回のJRによる調査は、市は停車が可能かの判断がつくような調査となるのか?」「それともまだ調査は再来年度以降も続くのか?」と聞きましたが、「調査により新たな課題が生じる可能性があるもと思われ、判断はつくかはわからない」との趣旨の答弁が市からありました。 どうやら今回の調査で終わることは無く、調査がどこまで続くかはわからないと思い、再び、「区画整理事業との兼ね合いもあるので、市はいつまでに判断するのか?いつまで調査を続けるのか?」と聞きましたが、またもや明確な答弁はありませんでした。調査をいつまで続けるのかは示さない。また、血税を6000万円以上かけ調査し「技術的に可能」との判断をしたと示しておきながら、しかし実はその中身は教えない。だけど、次に行う調査予算はまた認めろという。6000万円というお金は決して安いものではないはずです。こうした市の姿勢は大変に問題があると思います。市は「技術的に可能とするその根拠」や「見込まれる調査の期間」など必要な情報を議会や市民にしっかりと示し、それが妥当なものなのか検証する機会を市は提供すべきです。
3つめとして「地権者が強い抗議をしている問題」を挙げたいと思います。3月16日に地権者から市長に対して意見書が提出されており、この意見書には「常磐線快速電車停車予定の土地は民間の私有地であり、その土地の所有者である意見書提出者の同意もなく、勝手にその土地の利用計画し、そのための調査をしようとしていることに強く抗議する」という趣旨で記載がされています。この意見書通りであれば、市は地権者の理解を得ずに勝手に民有地利用を前提とする調査予算の計上をしたことになり、そうした民有財産を軽視する松戸市の姿勢は批判されるべきと指摘します。
以上のように本事業は「不透明な事業費の問題」「調査を進めようとする市の姿勢」「地権者が強い抗議をしている問題」という3つの重大な問題があり、こうした問題をないがしろにしてのさらなる調査予算は認めることはできないと申し上げます。
5.松戸都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計繰り出し金について
最後に、議案第70号松戸都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計予算についても問題点を指摘したいと思います。この特別会計は、3月議会の先決議案として審議された「第79号 松戸市特別会計条例の一部を改正する条例の制定」が、我会派は反対したものの、賛成多数で可決され、新松戸駅東口地区土地区画整理事業に係る会計の特別会計が設置されたものです。
それでは、新松戸駅東側地区土地区画整理事業について3つの大きな問題を指摘します。
まず、「財政面からの問題」について、2点の指摘をします。
1点目は、松戸市全体としての財政面の問題についてです。本事業計画に投入する市税投入額としては、区画整理に約65億円、道路整備に約11億円、合計約76億円を見込んでおりますが、市役所の建て替えや新焼却炉建設をしなければならないという今の本市おいて本当にそれだけの財政的な余力があるのか大きく疑問です。また、多額の予算が必要な立体換地を伴う区画整理事業ではなく、よりコストがかからない道路整備事業など他の手法の検討が十分にされているか疑問が残ることも問題であると思います。
2点目は、立体換地建築物保留床の赤字での販売計画についてです。昨年8月に作成された当該区画整理事業の事業計画書によれば、保留地処分金は約92億円で、そのうち保留床部分の処分金は71億2000万円となっています。となれば土地部分の価値は差し引き約20億円強ということになります。
一方、立体換地建築物、14階建てマンションの総建設費は約105億円、質疑で明らかとなった権利床部分を除いた保留床部分の建設費は約90億円ということでした。このことから、保留床の販売は、約90億円をかけて建てたものを71億2000万円で販売するものであり、約18億8千万円もの赤字がでる計画であることが明白となりました。事業資金確保のため、保留地を販売するという区画整理の一般概念には程遠く、保留地販売で逆に損を出し、そのため余計に税金を投入するという計画であるならば、それは税金の使い方として市民の納得を頂くことは極めて難しいと、指摘せざるを得ません。
次に「地権者合意形成の問題」についてです。
先般の委員会質疑のなかで「12月下旬に12名の連名で、市に要望書が提出されている」ことについて伺いました。要望書の内容を伺ったところ「事業内容の見直しを求めるものだった」と答弁があり、それに対して「土地区画整理事業に反対という理解でよいか」と質問したところ、「市としては賛成と捉えている」という、極めて理解しがたい答弁がありました。今回の要望書が「事業内容の見直しを求めるものだった」ことから、12人の方は少なくともこの事業計画での土地区画整理には「賛成していない」ことが明らかになったと受け止めるべきではないでしょうか。以前、9割方の地権者が賛成しているとした市の答弁がありましたが、それから大きく賛成者が減少していると思います。地権者の意向を丁寧に聞きながら合意形成を図ってまいりたいといいつつも、実は意向を把握できているのか、自分たちに都合の良いようしかとらえていないかとはなはだ疑問が残ります。
最後に「手続きの不透明さの問題」について、1点指摘します。
立体換地に関するアドバイザリー契約について、公募型プロポーザルを行っているものの、公募期間が約一週間という極めて短い期間であったことや、応募条件が厳しいものになっており、結果、現在の業者(地権者が三菱地所を紹介してきたと、市が12月市議会で答弁しています)が選定されるべく選定されたような印象をうけています。また、その契約は「無料」ということも、過去の議会の審査において明らかとなっており、競争性や公平性が担保されていたのか、疑問の声が市民から挙がっています。加えて、市が建設したマンションの保留床部分を、公募により販売することになっていますが、先ほども述べたように計画上は赤字となっていて安く購入する業者に極めて有利とみられます。また無料で現在、契約をしている業者も応募することは可能であることも審議のなかで明らかになっています。こうした市の保留床販売における一連の手続きには不透明さが残り、仮に今回の業者が購入者となれば、市民からさらに疑問の声が挙がると思われます。
このように、土地区画整理関係業務は多くの問題があると思われるのですが問題はこれだけではありません。国土交通省が策定した「立体換地マニュアル」には、「立体換地の手法を活用するメリットとして、より簡易な手続きでスピード感をもって実施することが可能」とあります。しかし、区画整理事業地のうち3割以上を所有する地権者が、アクセス道路や駅前広場の整備については理解し協力する姿勢を示しているものの、マンション建設を伴う立体換地の区画整理で、77%を超える減歩率の土地区画整理事業に反対している現状では、すでにスピード感をもって実施することは不可能と思われます。事業が長引けば、消費税増税や、コロナショックによる経済状況変化により、リスクは増大、地権者の高齢化に伴う相続も発生し、さらに事業に遅れが出ることも心配され、結果、多額の公費を投入した区画整理計画が市の財政をさらに圧迫しかねないものになるのではと最後に指摘をさせていただきます。
6.まとめ
以上、「新拠点ゾーン整備基本計画策定業務委託他」、「新松戸駅常磐線快速電車停車調査予算を主なものとする土地区画整理関係業務」、「新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計繰り出し金」について、それぞれ問題点の詳細を申し上げてまいりました。
現在、松戸市は「市役所建て替え」「新焼却炉建設」「学校施設の長寿化と公共施設再編」「新松戸駅東口の立体換地を伴う土地区画整理事業」「新松戸駅への快速列車を停車させるための事業」など多額の予算を要するであろう複数の大型事業が進められようとしています。しかしながら、新松戸の区画整理事業を除いて、事業の費用がいくらになるのか、明らかにされていませんし、見込まれる市の負担額、市債発行額は現在まで明らかにされておりません。さて、これで、どうして事業を進めるか否かの判断を我々議員がすることができるのでしょうか?おそらく、すべて行えば、市が自ら話した借金限界値の目安は軽く突破するのは確実と思われます。しかし、市にとって必ず行わなくてはいけない事業、マストの事業はやはり行わなくてはなりません!なので、重要なのは、これら大型事業の市負担額を一刻も早く明らかにして、市の財政、とりわけ市債残高と照らし合わせその実現性や将来負担等を議論し、早く決めて実現していくことであると思います。それが大型事業実現への早道であり、計画を早く進めるため、あえて市負担額を明らかにしないでいるかのような今の市のやり方は決して早道ではないし、決して正しいものではないとここで断言したいと思います。我々も大型事業の多くはいずれ市民のためになるものとは考えます。しかし、それでも、厳しい現実を見つめ、今必ずやらなくてはいけないものだけをまずは行うようにすることが、将来にわたって責任ある財政運営をしていくためには、必要不可欠なのではないでしょうか。
現状の市のやり方を見ていると、こうした責任ある財政運営をしていく姿勢とは残念ながら思えず、あえて情報を制限し、早く議会を通るものから簡単にできることから行っていこうという安易な姿勢にも見えてしまいます。こうした姿勢を、市民の代表として、行政をしっかりチェックすることが役目の我々市議会議員が許していいのでしょうか?あえて繰り返し言いますが、現在の市の姿勢、市負担額などを明らかにしないで、強引に計画を進めようとする姿勢は本当に正しいものなのか?市民のためになるのでしょうか?私には、そのようにはとても思えません!皆様はどうお考えになるのでしょうか?それでは最後になりますが、議会として、こうした市のやり方は絶対に認めない!はっきりとNOを突きつけましょうと強く皆様に呼びかけまして、令和2年度松戸市一般会計予算ならびに新松戸東側区画整理事業特別会計予算への会派を代表しての反対討論とさせて頂きます。
皆様のご賛同をよろしくお願いいたします!ありがとうございました!
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松戸市新年度予算への各議員の賛否態度
<賛成した会派・議員>
●松政クラブ
木村みね子
桜井秀三
鴈野聡
中村典子
大塚健児
大谷茂範
大橋博
鈴木大介
石井勇
箕輪信矢
杉山由祥
田居照康
小沢暁民
●公明党
城所正美
諸角由美
篠田哲弥
鈴木智明
松尾尚
岩瀬麻理
高橋伸之
伊東英一
飯箸公明
織原正幸
●市民クラブ
末松裕人
市川恵一
渋谷剛士
岩堀研嗣
深山能一
中川英孝
<反対した会派・議員>
●政策実現フォーラム
DELI
増田薫
成島良太
戸張友子
関根ジロー
原裕二
二階堂剛
●日本共産党
宇津野史行
平田きよみ
ミール計恵
山口正子
●会派に属さない議員
中西香澄
岡本優子
山中啓之
※敬称略
※議長は採決に加わらない