千葉県教育委員会が今年6月に公立学校教員の出退勤時刻実態調査を行ったところ「中学校の教諭では残業が月80時間(過労死ライン)を超える割合が約80%に上り、過去の調査に比べて悪化した」ことが明らかになりました。詳細は⇒https://www.chibanippo.co.jp/news/national/622340

 

先生の多くが過労死ラインを超えている実態は千葉県に限ったことではなく、全国的に同様の傾向があることから、昨年2月に文部科学省が全国の教育委員会に対して「保護者や外部からの問い合わせ等に備えた対応を理由に時間外勤務をすることのないよう、緊急時の連絡に支障がないよう、教育委員会等への連絡方法を確保した上で、留守番電話の設置やメールによる連絡対応等の体制整備に向けた方策を講ずること」と通知をだしました。

 

このような背景をうけて、関根ジローは松戸市においても留守電等の導入による先生の働き方改革がさらに推進されるよう、下記のとおり昨年12月議会で質問をしております。

 

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議事録転載(2018年12月議会)

 

◆質問:関根ジロー

 

本年2月に文部科学省から、学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底についてが通知されており、その中で、保護者や外部からの問い合わせ等に備えた対応を理由に時間外勤務をすることのないよう、緊急時の連絡に支障がないよう、教育委員会等への連絡方法を確保した上で、留守番電話の設置やメールによる連絡対応等の体制整備に向けた方策を講ずることとされております。

 

この通知を受けてのことだと思われますが、11月に教育委員会から各学校に放課後の電話対応について通知したと聞き及んでおりますが、その内容についてお答えください。また、通知後の各学校の取り組み状況及び市としての今後の取り組みをお答えください。

 

◆答弁:松戸市

 

平成29年6月に、学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底の通知を受け、松戸市といたしましてもさまざまな取り組みを検討してまいりました。

 

今回、関根ジロー議員から御質問をいただいた放課後の電話対応はもちろん、松戸市教育委員会主催の行事の削減や見直し等、実行可能な取り組みを行っています。また、それ以前から、松戸市では、さまざまな学校支援人材の派遣や校務支援システムの導入、出退勤時間の管理など、他市に先駆けて働き方改革につながる施策に取り組んできたところです。

 

現在、学校や子どもたちを取り巻く環境が多様化、複雑化する中で、教職員の時間外勤務が喫緊の課題となっています。松戸市教育委員会では、教員の長時間勤務を解消するとともに、学校教育の質の維持、向上を図るための工夫・改善に取り組んでいます。その一環として、放課後の電話対応について、保護者に御理解、御協力をいただけるよう通知をしたものでございます。

 

内容につきましては、朝早い時間や夜遅くの電話を控えていただきたいという趣旨でございます。しかし、さまざまな御家庭がございますので、時間外の御相談につきましては事前に学校と連絡を取り合うよう、また保護者や地域の方々との信頼関係は丁寧な連絡と情報提供にあると考えていますので、これまで以上に丁寧な対応に努めていくことを通知しております。

 

次に、(2)の各学校の取り組み状況と今後の方向性についてですが、まず各学校の取り組み状況でございます。

 

小学校では40校が通知をしております。残りの5校につきましては、既に学校だよりで通知している学校が3校、現在配布する時期について検討している学校が2校でございます。

 

中学校におきましては、通知した学校は17校です。しなかった学校は2校ですが、この2校につきましては、小学校と同様に既に学校だよりで通知している学校でございます。また、1校につきましては配布する時期を検討中とのことでした。

 

この通知を出してからの学校の状況ですが、夜遅くの保護者からの電話が少なくなった、また職員も電話をかける時間を意識しているという学校が多かったです。さらに、夕方、電話対応に要していた時間に他の業務ができるようになり、業務改善につながっているという意見もありました。

 

今度は、限られた時間の中で児童生徒と向き合う時間の確保をするとともに、効果的な教育活動が実行できるように取り組んでいきたいと考えております。

 

さらに、電話設備等に関しましても、先の6月定例会で生涯学習部長が答弁されたとおりでございますが、今後も他課と連携しながら実行可能な取り組みを行っていく所存でございます。

 

以上、御答弁とさせていただきます。

 

◆要望:関根ジロー

 

放課後の電話対応について、教員の働き方改革の一環として、朝早い時間や夜遅くの電話を控えていただきたいという旨を保護者に御理解、御協力いただけるように御案内していただいたことは評価いたします。しかしながら、朝早い時間や夜遅くの時間の電話が何時から何時を指しているのか、教育委員会から学校に通知した文書に明記されていないため、学校によってその時間がばらばらになってしまっております。

 

小学校と中学校では、部活動のありなしなどにより、朝早い時間や夜遅くという時間が違うということもあるのかもしれませんが、少なくとも小学校は小学校で、中学校は中学校で、明確な時間を示した上で時間を統一するべきなのではないでしょうか。

 

また、将来的には勤務時間8時間に沿った電話対応に改善すべきだと思います。どういうことかといいますと、教育委員会から学校へ放課後の電話対応について通知した後、学校によってばらつきがありますが、学校によっては18時30分まで、学校によっては19時まで電話対応することに改善されたと聞き及んでおります。そもそも、これらの時間が時間外を前提にした時間になってしまっております。このことから、今回の通知で放課後の電話対応の改善が終わりということにしないで、さらなる改善を要望いたします。

 

加えて、この通知は、保護者に朝早い時間や夜遅くの電話を控えていただくという運用での取り組みですが、運用を補完することを目的に、文部科学省での通知で明記されているとおり、留守番電話の設置やメールの整備を進めていただきたいと思います。

 

この点、私の6月定例会の質問において明らかになっておりますが、電話機の更新が必要なく、すぐにでも留守番電話の対応可能な学校は小学校15校、中学校13校とのことですので、これらの学校ではすぐにでも留守番電話機能をスタートしていただきたいと要望します。また、電話機の更新が必要であるため、留守番電話がすぐに導入できない学校がまだ30校以上ありますが、早期にこれらの学校においても留守番電話を導入できるようにしていただきますよう強く要望いたします。