松戸市では公共施設再編整備基本計画が策定され、そのなかで、市民音楽団体も日常的に利用している「市民会館のホールや音楽室等が新拠点ゾーン(添付参照)の中で検討する」とされました。

このことについて、市民音楽団体から「規模・機能がどうなってしまうのか」と大変に心配する声が挙がっています。この声に寄り添って、松戸市議会6月定例会(2019年6月12日)において、関根ジローは「市民音楽団体がより一層活躍できる環境整備に向けて、新拠点ゾーンにおける市民会館の機能・規模について」を松戸市に対して一般質問しました。

松戸市の答弁のポイントと、それに対する関根ジローの要望のポイントは次の通りです。詳細については、下記の議事録(未定稿)をご覧ください。

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「松戸市の答弁のポイント」

①既存の市民会館ホール・音楽室の機能・規模を、新拠点ゾーンで維持することは前提でない。

②今後、市民のなかから広く公募して、新拠点ゾーンの在り方を検討していく。このなかで、市民会館ホール・音楽室の機能・規模をどうするか議論していく。

③既存の市民会館の利用団体に松戸市が直接ご意見を伺うことは考えていない。一方で、②の検討会には、既存の利用団体も応募することにより参加し意見を言うことが出来る。

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「答弁に対する関根ジローの要望のポイント」

①松戸市は市内の各ホールについて「施設数、ホール定員数が類似都市と比較して約 1.5 倍」であるとしており、単純に「目で数えられる物」をもってホールの再編整備を考えているが、その議論は乱暴であると指摘。それぞれのホールの利用実態をもって類似都市と比較すべきと要望。

②新拠点ゾーンに音楽室が作られないと、既存の松戸市民会館音楽室で日常的な練習活動をしている市民音楽団体等が非常に困る可能性を指摘。音楽室の利用実態を考慮すべきと要望。

③既存の市民会館は、市民音楽団体だけではなく、文化の香る街にむけて文化振興を担ってくださっている多種多様な利用団体が利用しており、新拠点ゾーンで松戸市民会館の規模・機能を検討する際には、これらの団体にできる限り配慮できるように尽力すべきと要望。

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議事録(未定稿)

◆質問:関根ジロー

市民音楽団体がより一層活躍できる環境整備に向けて、新拠点ゾーンにおける市民会館の機能・規模について伺います。

先般、松戸市公共施設再編整備基本計画のパブリックコメントが行われ、56名から164件の意見が寄せられました。このなかで、市民会館のホールや音楽室等を活動場所としている松戸市民合唱団・コール貝の花からもパブリックコメントが寄せられていました。この2団体は、市民会館が新拠点ゾーンの中で検討とされていることについて、その規模・機能がどうなってしまうのか、大変に心配されています。この市民音楽団体の声によりそって、質問します。

1つとして、『新拠点ゾーン』で検討している市民会館おホール機能について、市民会館ホール・音楽室の機能・規模が維持されるのか、お答えください。

2つとして、「市民会館について『新拠点ゾーン』の中で検討」する際には、既存の市民会館の利用団体の意見を聞くお考えはあるか、お答えください。

◆答弁:松戸市役所

はじめに、新拠点ゾーン整備基本計画策定の進め方につきましては、去る5月11日行われました市民シンポジウムにおいて、市民の皆様と共に考え、作り上げていくことをお伝えしたところです。

議員ご質問の市民会館ホール・音楽室の機能・規模が維持されるのかにつきましては、新拠点ゾーンに求められる機能や在り方などを、市民や議会の皆様と共に検討するなかで、これから議論してまいりたいと考えております。

既存の市民会館の利用団体の意見を聞くお考えはあるかにつきましては、今後、市民とともに検討を進めるにあたり、まずは、検討に加わってくださる市民を公に募り、広く松戸駅周辺の将来像から新拠点ゾーンに求められる機能や役割を考え、本市にとって、市民の皆様にとって望ましい計画を検討してまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

◆要望:関根ジロー

答弁によって、「新拠点ゾーンで検討するということは、既存の市民会館ホール・音楽室の機能・規模の維持が前提ではなく、これから市民や議会と共に検討しながら、議論していくということ」がよくわかりました。

また、「既存の市民会館の利用団体の意見を聞く考えはあるか」についてですが、市として既存の利用団体に直接意見を伺うとは言って頂けませんでしたが、一方で、今後、新拠点ゾーンの在り方を検討するために市民を公募するとのことでした。既存の利用団体もその公募に手を挙げれば、新拠点ゾーンに求められる機能や役割について意見を言う機会があると、理解いたしました。

さて、松戸市は、新拠点ゾーンの在り方を検討するために市民を公募していくとのことですが、おそらく公募し、ワークショップ等を行うと思われます。ワークショップの第一人者のひとりである東京工業大学リーダーシップ研究院教授の中野民夫先生は、著書「ワークショップ」において、「特にまちづくりや公共事業では、住民と行政が持っている情報の量や質に違いをなくし、トータルに物を見るために不足している情報を互いに補い合うように配慮することが必要である」としております。ぜひ、松戸市としてもワークショップ行う場合には、中野先生のおっしゃる基礎情報の共有化という配慮をして頂きたいと思います。

しかしながら、その中身が心配です。

松戸市全体のホールの規模について公共施設再編整備基本計画では、類似都市(柏市、市川市、船橋市、川口市、所沢市、藤沢市) 平均と比較して、施設数、ホール定員数とも約 1.5 倍です。」と記されており、この基礎情報の共有をワークショップでされた場合に大きな誤解を招くと、市民音楽団体が心配しています。なぜなら「施設数、ホール定員数が約 1.5 倍」という、単純に「目で数えられる物」をもってホールの再編整備を考えるは、乱暴な議論であるからです。単純な席数の議論ではなく、松戸市の既存のホール(森のホールの大小ホール、レセプションホール、市民劇場のホール、市民会館ホールなど)が、音楽活動目的なのか、演劇活動目的なのか、多機能目的なのか、市民団体の活動の場なのか、商業目的なのかなど、その利用実態をもって、他市と比較するべきだし、このような情報提供こそ、松戸市はワークショップで行うべきです。

ホールだけではありません音楽教室についても市民音楽団体が心配しています。音楽教室は市民音楽団体をはじめ多くの団体が日常的に練習の場所として活用しています。例えば、市民音楽団体のなかには、松戸市内で活動する52の合唱団体などで構成する松戸市合唱連名がありますが、この松戸市合唱連盟のホームページには、加盟団体一覧と、それぞれの団体の練習場所が記載されており、それを見ると、松戸市民会館音楽室を利用している団体は、アンサンブル花音、ジョイフルコーラス、女声合唱団チェチーリア、松戸女声合唱団、東松戸混声合唱団、松戸混声合唱団、松戸市民合唱団、松戸児童合唱団の8団体もあります。もちろんこの合唱連名に参加していない市民音楽団体はたくさんありますから、現状として、多くの団体が音楽教室を日常の練習の場として活用していることがご理解頂けると思います。もし、新拠点ゾーンに音楽教室が設けられなかったら、既存の市民会館の音楽教室で練習している団体はどうすればよいのでしょうか。他の施設に練習場所を変更しようとしても、すでにその施設は他団体の使用で空きがないかもしれません。また、その団体にとって松戸駅周辺が日常の練習場所として望ましかったのかもしれません、ひょっとしたら、練習場所が見つけられない団体は解散に追い込まれてしまうかもしれません。ですから、ワークショップを行う際にはこれら音楽教室の利用実態についても、基礎情報として共有して頂きたく要望します。

最後に、今回の質問では、市民音楽団体の心配する声をうけて、それに寄り添った質問・要望をさせて頂きましたが、既存の市民会館は、市民音楽団体だけではなく、文化の香る街にむけて文化振興を担ってくださっている多種多様な利用団体が利用しています。松戸市におかれましては、新拠点ゾーンにおいて松戸市民会館の規模・機能を検討する際には、これらの団体にできる限り配慮できるように尽力すべきではないかと要望します。