地産地消とは、地域で生産されたものをその地域で消費することです。ここでいう地域とは、市町村単位、それとも都道府県単位、どちらを指すのでしょうか。

 

実は、国や県は、地産地消の地産の定義を都道府県単位しているものの、松戸市は市町村単位と認識していることが昨年12月議会における関根ジローの質問で明らかになりました。

 

関根ジロー個人の考えですが、私は現在3人の子どもを育てておりますが、子どもには松戸市のネギや梨をはじめとした地元農業を知ってもらい親しみも持って食べてもらうことは当然として、それにとどまらず千葉県の東京湾や太平洋での豊かな漁業や、酪農の発祥地である千葉の全国に誇る畜産を知ってもらい、そして食べてもらいたいのです。子どもが大きくなったとき、松戸市に留まらず、千葉県の農水資源を、他都道府県出身の方たちに自信をもって紹介してもらいたいと願っています。

 

下記、議事録を転載します。

 

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◆質問:関根ジロー

 

今年度中に東京外かく環状道路が開通予定であり、開通によって松戸市から東京湾や房総方面へのアクセスが飛躍的に向上されます。この機会を捉えて、松戸市を含めた東葛飾地域と東京湾や房総方面とのさらなる連携強化を図るチャンスがめぐってきたと言えるのではないでしょうか。

 

このような背景の中で、千葉県の漁業資源を活用した小中学校での食育について2点伺います。

 

国が策定した第2次食育推進基本計画において、「学校給食における地場産物を使用する割合を30%」にすることを目標値として挙げられております。これは、学校給食に地場産物を使用し、食に関する指導の「生きた教材」として活用することで、地域の自然や文化、産業等に関する理解を深めるとともに、生産者の努力や、食に関する感謝の念をはぐくむ上で重要であるほか、地産地消の有効な手段であるため、学校給食において都道府県単位での地場産物を使用する割合の増加を目標としているものです。松戸市の学校給食における地場産物を使用する割合がどうなっているか教えてください。併せて、地場産物として千葉県の漁業資源を活用されているのかお答えください。

 

次に、平成26年に松戸市が策定した第2次松戸市食育推進計画の推進事業の中で、地域でとられる食材の魅力や食の成り立ちを学ぶことを目標にして、総合的な学習や校外学習での農園体験及び栽培活動を通して収穫の喜びを味わうなどして食育の醸成を図ると掲げられておりますが、その実績をお答えください。

 

特に、その実績の中に、千葉県の漁業資源を活用した総合的な学習や校外学習の実績があったかお答えください。

 

◆答弁:松戸市

 

まず1点目は、松戸市の学校給食における地場産物の使用割合と千葉県の漁業資源の活用についてでございます。

 

地産地消の取り組みにつきましては、地場産の食材の利用が地域と学校給食をつなぐ大切な教材であると考え、本市においては、学校教育の一貫として、地産地消を念頭に置き、地域の食材を積極的に学校給食に取り入れております。

 

松戸市の学校給食における千葉県産の食材の利用実績についてでございますが、平成28年度で申し上げますと、米、牛乳については100%、サツマイモが83.5%、小松菜が74.8%、カブが96.5%、キャベツが66.3%でございます。

 

また、松戸市では、千葉県学校給食用食材料調査において、1か月間の限定された期間における千葉県から指定された農産物の利用実績の平均が55.6%となっております。これは、第2次松戸市食育推進計画で学校給食における地場産物等を使用する割合の目標値を30%以上にすると設定しておりますので、これを大変上回っております。

 

さらに、11月中に各学校では、千葉県の地場産物を千葉県で消費する地産地消デーを1日設け、1食分の献立における地場産物活用割合の小中学校の平均を出しておりますが、これによりますと、松戸市では、52.8%となっており、目標値の30%以上を上回る使用率となっております。

 

また、千葉県民の日の前後や11月の地産地消デー、1月の学校給食習慣に合わせて、千葉県産のイワシ、サンマ、のり、落花生、松戸産のカブ、小松菜、長ネギなどを使用した献立を作成しております。食材の産地につきましては、各学校の栄養士が給食の時間に実施いたします児童生徒への指導や、校内放送、掲示物等で知らせております。さらに、献立表や給食だよりを通じまして保護者にも周知しているところでございます。

 

次に、2点目の第2次松戸市食育推進計画の推進事業の目標として掲げた総合的な学習の時間や校外学習での農業体験及び栽培活動等の実績と、その中で千葉県の漁業資源を通しての実績についてでございます。

 

まず、今年度の農業体験及び栽培活動の実績を申し上げます。小学校においては、市内梨園での花粉づけや収穫体験が19校、水田での田植えや稲刈り体験が2校でございます。

栽培活動といたしましては、市内各小学校において、ミニトマトやナス、ピーマン、ゴーヤ、サツマイモなどを生活科や総合的な学習の時間の中で取り上げ、実践しております。

中学校におきましては、市内農園での芋掘り体験が1校でございます。また、特別支援学級では、校内の一部に畑をつくり、野菜栽培などを実施しております。

 

千葉県の漁業資源の活用につきましては、主に中学校でございますが、富津海岸での潮干狩り体験が1校、宿泊を伴う林間学園を鴨川市で実施し、稲刈り体験と富浦海岸での地引網体験を実施した学校が1校となっております。

 

このほかにも、千葉県外ではございますが、農業体験等を林間学園のプログラムに導入し、実践している中学校は多数ございます。

 

このような体験活動を通じ、食材の魅力や生産者の苦労などを学ぶことにより、食育の充実が図られるものと認識しております。今後も、本市の食育の目標の一つでございます食文化の理解達成のため、地域で支える食育の観点と松戸市食育推進計画との連携を図りながら、給食を生きた教材として活用した学校における食に関する指導の充実を図ってまいります。

 

以上、答弁とさせていただきます。

 

 

◆再質問:関根ジロー

 

小中学校の食育について、これについては再質問をいたします。

 

小中学校における千葉県の漁業資源活用をした食育について2点伺いました。

 

まず1点目として、学校給食について伺いました。答弁では、千葉県学校給食用食料調査や地産地消デーの紹介をいただき、千葉県産の海産物を含めて、千葉県単位での地産地消に取り組んでいることがわかりました。

 

次に、総合的な学習や校外学習の取り組みについて伺いました。答弁では、市内の農業体験及び栽培活動の取り組みに加えて、富津海岸での潮干狩り体験や富浦海岸での地引網体験を紹介いただき、松戸市にととまらず、千葉県単位での総合的な学習や校外学習を取り組んでいることがわかりました。そして、これらの教育現場における食育の取り組みは、松戸市食育推進計画と連携を図っているとのことでした。

 

そこで、松戸市食育推進計画について再質問いたします。

 

食育基本法に基づき、国が食育基本計画、千葉県が食育推進計画を策定し、それらを受けて、平成20年に松戸市が松戸市食育推進計画を策定したものです。この松戸市食育推進計画は、26年から第2次食育推進計画がスタートしており、その期間は29年度までとされております。

 

ここで伺います。

 

一つ目として、平成29年度までとされている松戸市が策定している食育推進計画についてですが、第3次食育計画に向けての策定の進捗状況をお答えください。

 

二つ目として、食育における地産地消の地産の定義について伺います。

 

つまり、地産とは、市町村単位なのか、都道府県単位なのかということです。まず国ですが、国が地産の定義を都道府県としております。国が策定した食育推進基本計画には、地産地消を推進することと書かれておりますが、その具体的な取り組みとして、学校給食において都道府県単位での地場産物を使用する割合の増加に向けて推進していくと明記されております。

 

このことからも、国が考える地産地消は都道府県単位であることがわかります。

 

次に、県ですが、県も地産の定義と都道府県としております。県が策定した食育推進計画では、施策目標の三つの柱を設定しておりますが、その一つが、千葉県の豊かな農林水産業の振興を通じた食育の推進であり、ここからも県が考える地産地消は都道府県単位であることがわかります。

 

さて、ここで伺います。

 

松戸市食育推進計画においてその事業を見てみると、松戸市の豊かな農産物を活用した事業はたくさんあるものの、千葉県の豊かな海産物を活用した事業が書かれていないように見えますが、松戸市が考える地産地消の定義は都道府県単位として捉えているのか、それとも市町村単位として捉えているのか、お答えください。

 

◆再答:松戸市

 

関根ジロー議員の再質問につきまして、食育推進計画に関連しますことから、私から御答弁申し上げます。

 

2点の再質問をいただきましたので、順次お答えいたします。

 

まず1点目、第3次松戸市食育推進計画の策定の進捗状況でございます。

 

平成30年度から5か年を策定期間とする計画でございますが、松戸市食育推進会議条例に基づく学識経験者や食品関連事業者を構成員とする松戸市食育推進会議及び庁内関係各課を構成員とする庁内ワーキングチーム等において、計画の内容について協議を重ね、現在、計画案が完成したところでございます。

 

今後の予定といたしましては、1月にパブリックコメントを予定しております。意見がまとまった後、年度末までに計画を成案化する予定でございます。

 

次に、2点目の地産地消の定義をどのように捉えているかについてでございますが、松戸市の食育推進計画でございますので、市町村単位である松戸市を定義としているところでございます。

 

以上、御答弁とさせていただきます。

 

◆要望:関根ジロー

 

答弁に対しての要望を申し上げます。

 

教育委員会が所管する小中学校においては、地産地消の定義を千葉県単位と捉えているものの、一方で、健康福祉部が所管する松戸市全体としての食育計画の地産地消は松戸市単位であると位置づけていることが明らかになりました。

 

次の四つの理由から、現在策定中の第3次松戸市食育計画においては、地産地消の定義を千葉県単位に見直すべきではないでしょうか。

 

まず1点目では、質問でも申し上げましたが、国や県は地産地消の単位を都道府県単位としているからです。

 

2点目は、今年度中に東京外かく環状道路が開通予定であり、開通によって松戸市から東京湾、房総方面へのアクセスが飛躍的に向上され、松戸市を含めた東葛飾地域と東京湾、房総方面とさらなる連携強化を図る機会がめぐってきているからです。

 

3点目は、先ほどの質問で明らかにしたように、小中学校では実態として千葉県単位の地産地消を行っているからです。

 

4点目は、松戸市民は千葉都民と言われ、千葉県民としての帰属意識が薄いと言われている中、千葉県単位の地産地消を推進することで県民の一体感の醸成を図ることができるからです。

 

以上四つの理由から、今後、第3次松戸市食育計画を策定する際には、千葉県の豊かな海産物を活用した事業を盛り込むよう要望を申し上げまして、私の一般質問を終わりにいたします。

 

御清聴ありがとうございました。