関根ジローが事務局を務める「避難者カード標準化プロジェクト」が第11回マニフェスト大賞において優秀政策提言賞を受賞しました。大会記念冊子に下記の通り、寄稿しましたので紹介します。

マニフェスト大賞受賞は、関根ジローにとっては2年連続3回目です。(8回・11回優秀賞・10回最優秀賞)

 

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■団体名
25都道府県にわたる40名以上の地方議員が参加し、学生や市民団体が協力する超党派議員連盟「避難者カード標準化プロジェクト」

 

■取り組み概要とポイント
平成25年8月に内閣府が「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」を策定し、災害時に避難所の受付で作成する避難者の数や状況の把握や要配慮者へのきめ細やかな支援を目的とした「避難者名簿(以下、避難者カード)」を作成することが望ましいと位置付けました。

実際問題として、災害時の避難所での援助物資や救援チームの派遣などに於いて、正確な避難者の把握が必須となりますが、緊急・災害時には自治体の機能は低下し、避難所での活動主体となる自治会などは人員不足と経験不足から混乱することが少なくありません。こういった状況下で、避難者の状況をひと目で把握できる避難者カードの存在が重要となります。

しかしながら、プロジェクトの発起人が地元の県下におけるすべての自治体の避難者カードを調査したところ、内閣府が避難者カードを作成することが望ましいと指針で示してから3年が経過した現在でも、避難者カードを未策定の自治体や要配慮者を把握する項目が不十分な自治体が散見される状況でした。

これを受けて、地方議員が集まり8月から9月にかけて25都道府県内の710自治体で調査したところ、約3割の自治体で避難者カードが未策定であり、また、約8割の自治体で要配慮者に関する項目等を設けていないことが明らかになりました。

平成28年9月末に「避難者カード標準化プロジェクト」のウェブサイトで調査結果を公開し、避難者カードの現状と標準化を訴えた結果、NHKや地方局、新聞各紙や多くのメディアで紹介されて話題となり、未策定だった自治体が作成準備に入ったり、策定済の自治体が見直しを行なったりと、議論や活動が活発になっています。

活動に当たって特に力を入れた力をいれたポイントは下記3点です。

1.避難者カードの可視化
 平成28年8月に8都道県、9月に17府県の計25都道府県域710自治体における避難者カードの調査結果を「避難者カード標準化プロジェクト」のウェブサイトで公開しました。また、当団体で独自基準によって選定した各地域の優良避難者カードも公開しています。

2.避難者カードの充実化
 「避難者カード標準化プロジェクト」に参加する各地方議員は、それぞれの議会に於いて避難者カードの有り方について質問し、内閣府が策定した「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」で挙げられる「要配慮者」をはじめとして、避難所内外での「配給希望」、第二の家族である「ペット」、外国人移住者や旅行者などへ配慮した「外国語表記」などの記載された、充実した避難者カードに改善されるように各自治体へ働きかけを行っています。

3.避難者カードの標準化
標準的な避難者カードの策定を行ない、ウェブサイトにフォーマットを例示することで、未策定の自治体や避難者カードの項目が不十分な自治体が参考にすることを可能とし、いつ起こるかも分からない緊急災害時に直ぐにでも転用できるようにします。
また、内閣府のウェブサイト等において、全国の自治体が策定する避難者カードのなかで優良なものを紹介するように働きかけていきます。

 

■受賞メッセージ
私たち「避難者カード標準化プロジェクト」では、40名以上の地方議員、賛同して協力している学生や市民団体など多くの皆さまと協働して取り組んでいます。
私たちの活動が放送局や新聞各紙、ネットメディアなどで周知されたことにより小さな社会現象となったことで、全国的に多くの自治体であるべき避難者カードの在り方について議論が拡がっています。
今回のマニフェスト大賞の受賞を契機に、社会に改めてこの問題が認知され、全国的な避難者カードの策定と見直しを求める市民の声が更に高まることを期待し、私たちも継続して頑張りたいと決意を新たにしています。