第11回マニフェスト大賞(http://www.local-manifesto.jp/manifestoaward/)に超党派議員連盟「避難者カード標準化プロジェクト( http://www.hinansha.com/ )」をエントリーしました。

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■取り組みの主体

8都道県域に渡る20名以上の地方議員が参加し、学生と市民団体が協力する超党派議員連盟「避難者カード標準化プロジェクト」

■取り組みの概要

平成25年8月に内閣府が「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」を策定し、災害時に避難所の受付で作成する避難者の数や状況の把握や要配慮者※1へのきめ細やかな支援を目的とした「避難者名簿(以下、避難者カード)」を作成することが望ましいと位置付けました。

実際問題として、災害時の避難所での援助物資や救援チームの派遣などに於いて、正確な避難者の把握が必須となりますが、緊急・災害時には自治体の機能は低下し、避難所での活動主体となる自治会などは人員不足と経験不足から混乱することが少なくありません。こういった状況下で、避難者の状況をひと目で把握できる避難者カードの存在が重要となります。

しかしながら、プロジェクトの発起人が地元の県下におけるすべての自治体の避難者カードを調査したところ、内閣府が避難者カードを作成することが望ましいと指針で示してから3年が経過した現在でも、避難者カードを未策定の自治体や要配慮者を把握する項目が不十分な自治体が散見される状況でした。

これを受けて、地方議員が集まり8都道県域259自治体(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、福井県、三重県、兵庫県、愛媛県)※2で調査したところ、約3割の自治体で避難者カードが未策定であり、また、約7割の自治体で要配慮者に関する項目等を設けていないことが明らかになりました。

この結果を憂慮した超党派の地方議員らが、全国への現状を周知すると共に内閣府や各自治体に問い掛けていくことを決定し、これに学生と市民団体が賛同して協力することで超党派議員連盟「避難者カード標準化プロジェクト」が設立されました。

■取り組みの成果と今後の課題

「避難者カード標準化プロジェクト」で平成28年8月、8都道県域自治体での調査をした総合結果を同月にウェブサイトで公開し、避難者カードの現状と標準化を訴えた結果、地方テレビ局、全国紙、地方紙、ネットメディアなど多くの媒体で紹介されて話題となり、未策定だった自治体が作成準備に入ったり、策定済の自治体が見直しを行なったりと、議論が活発になっています。

「避難者カード標準化プロジェクト」では、翌9月には調査した各自治体の詳細を掲載する予定になっており、また、この取り組みを未調査の39府県の地方議員らに拡散させ、メディアや議会を通して内閣府や各自治体へ啓発することで全国的な標準化※3を進めていきます。

※1要配慮者とは、要介護者、高齢者、障がい者、妊産婦、乳幼児、アレルギー等の慢性疾患を有する者、外国人などを指します。
※2一部の都道県は8月の集計時点での調査実績となります。
※3統一化や均一化して頭を揃えるのではなく、標準化として基本項目の足並みを揃えた上で各自治体の状況に合わせた避難者カードの策定を推奨しています。

■特に力を入れた点、取り組みのポイント

「避難者カード標準化プロジェクト」では、下記の3点を今後の活動指針としていきます。

1.避難者カードの可視化
 「避難者カード標準化プロジェクト」で平成28年8月に8都道県域259自治体での調査をした総合結果を同月にウェブサイトで公開しましたが、これに加え、未調査の39府県へと活動を拡大し、最終的には全国47都道府県すべてでの調査を目指します。

また、9月には各自治体の項目の有無や入手した現物のPDFを掲載すると共に、当団体で独自基準選定した各都道府県の優良避難者カードを発表します。

これにより、市民の危機への対応意識の向上や避難者カード未策定の自治体へ作成を促すと同時に、作成済の自治体にも普段目にすることの少ない他自治体の避難者カードを参考として提示します。

2.避難者カードの充実化
 「避難者カード標準化プロジェクト」に参加する各地方議員(道県議会議員、市区議会議員)は、それぞれの議会に於いて避難者カードの有り方について質問し、内閣府が策定した「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」で挙げられる要介護者、高齢者、障がい者、妊産婦、乳幼児、アレルギーなどの「要配慮者」をはじめとして、住宅や乗用車などの「避難先」、避難所内外での「配給希望」、関係者や一般への「情報開示」、第二の家族である「ペット」、外国人移住者や旅行者などへ配慮した「外国語表記」などの記載された、充実した避難者カードに改善されるように各自治体へ働きかけを行っていく予定です。

3.避難者カードの標準化
避難者カードの可視化を踏まえ、任意団体として標準的な避難者カードの策定を行ない、ウェブサイトにフォーマットを例示することで、未策定の自治体や避難者カードの項目が不十分な自治体が参考にすることを可能とし、いつ起こるかも分からない緊急災害時に直ぐにでも転用できるようにします。

また、内閣府のウェブサイト等において、全国の自治体が策定する避難者カードのなかで優良なものを紹介するように、質問主意書等を活用して働きかけていきます。


■添付資料

添付1) 日本経済新聞 (2016.8.17)
添付2) 神戸新聞 (2016.8.17)