都道府県議会において選挙公報を発行していないのは、山梨、新潟、福井、愛知、岐阜、岡山、広島、山口の8県です。選挙公報を発行しないと有権者の投票する判断材料が不十分です。

関根ジローは、これまでに「選挙公報.com http://www.senkyok.com/」を立ち上げ、これら8県に対して、選挙公報を発行するよう働きかけてきました。

そんななかで、愛知県において、学生たちが選挙公報発行にむけて動き始めたことが報道されました。学生たちの取り組みは素晴らしいと思います。下記、記事を転載します。

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県議選でも選挙公報を 大学生が選管、議長に提言書

中日新聞2015.12.31

 県内の大学生有志らが選挙の投票率アップに向けた有効策の一つとして、立候補者の政策や経歴などを紹介する「選挙公報」を県議選でも発行するよう求める提言書を県選管や議長あてに出した。学生たちは「選挙公報は一覧して候補者を比較できるので、投票先を選ぶのに役立つ」と話している。

 選挙公報は、公職選挙法で国政選挙と知事選で発行が義務付けられているが、それ以外の選挙では条例化が必要。新聞のような紙に印刷され、投票日の二日前までに有権者に全戸配布されるのが原則。県内では全三十八市の市長選、市議選で公報が発行されているが、県議選だけ発行されていない。

 学生たちは「NPO法人ドットジェイピー東海支部」で議員インターンシップ(就業体験)を経験した名古屋大法学部一年山口颯也さん(18)=東浦町=ら四人。インターンシップなどを通じて政治への関心を高める中で、二〇一五年四月の統一地方選の県議選で選挙公報がないことを知った。

 四人は今月二十五日に県庁を訪れ、選管や議長室の担当者に提言書を渡した。「選挙カーが候補者の名前を連呼するだけでは、政策が分からなかった」と山口さん。仲間に賛同を募り、「自分の選挙区にどういった候補が何人立候補していて、どんなことを訴えているのか、等しく分かる選挙公報は一番、候補者情報を知ることができるもの」と提言に書いた。

 実際、統一地方選後に名古屋市選管が市民千二百人を対象にした意識調査では、候補者を選択する際に参考にした情報(複数選択)は選挙公報が37・5%と最も高く、新聞報道の23・2%を上回った。また、インターネットを通じた選挙運動が一三年七月の参院選から解禁されたが、政党や候補者のホームページやブログを参考にしたと答えたのは、わずか4・4%にすぎなかった。

 名古屋市出身で信州大教育学部三年の山田真由美さん(21)=長野市=は衆院選が行われた一四年十二月、授業の一環で各政党の教育政策がどうなっているかを調べた。若者はインターネットが得意だといわれるが、ネットは自ら調べないと情報が得られないし、比較が難しいと感じた。「それに比べて公報は誰の家にも届くし、一目で分かる」と話している。
(奥田哲平)