<松戸市の広報誌「広報まつど」に対して、カラーユニバーサルデザインに配慮して作成するよう求めています>

9月議会議事録から転載します。

◇関根ジロー質問

人間の色の感じ方は一様ではなく、遺伝子のタイプやさまざまな目の疾患によって色の見え方が一般の人と異なる人が、多く存在します。この中で、いわゆる色弱者(色覚異常・色盲・弱・色覚障害・色覚特性とも称されます)は、日本では男性の20人に1人、女性の500人に1人と言われ、日本全体では300万人以上いるとされています。世界では2億人を超え、血液型がAB型の男性の比率に匹敵します。

これらの人たちは、視力は普通と変わらず細かいものまで十分見えますが、一部の色の組み合わせについて、一般色覚者と見え方が異なります。このため、色の使い方や明度差などに配慮が必要になります。

こうした多様な色覚を持つさまざまな人に配慮して、全ての人に情報が正確に伝わるように配慮されたデザインをカラーユニバーサルデザインと言います。

カラーユニバーサルデザインの先進自治体は東京都足立区で、平成18年度には「カラーユニバーサルデザインに配慮した印刷物ガイドライン」を作成し、カラーユニバーサルデザインを推進しています。

目の不自由な方、体の不自由な方のために、点字ブロックやスロープの設置など、いわゆるバリアフリーと呼ばれる対策がとられているのと同様に、日本全国で300万人以上、松戸市でも1万2500人以上いると推計される色弱者のためにも、色使いに配慮した「カラーユニバーサルデザインの導入」が必要です。

特に、多くの人が出入りする市役所などの公共施設の案内表示や、ハザードマップ・広報などの区の印刷物、小学校などの教育現場において、色弱者に対する正しい認識を持ち、色使いに配慮することが必要です。「カラーユニバーサルデザイン」とは、決して、一部の色弱者のための色使いでなく、情報の発信側から見ても、「伝えたいことを正確に伝える」効果を持ち、見る人すべてにとってやさしい色使いであることを目指すものです。

今回の質問では、「全庁的なカラーユニバーサルデザインへの取り組み」をお伺いしたかったのですが、事前のヒアリングのなかで、「現時点で、松戸市役所内に、全庁的なカラーユニバーサルデザインへの同一基準がない」という説明がありましたので、この点、早期に統一基準を決めていただきたいと強く要望します。

このように全庁的な質問には現時点で答えられないとのことでございますので、今回の質問では広報まつどについて伺いたいと思います。広報まつどにおけるカラーユニバーサルデザインの取り組み状況がどうなっているのかお答えください。また、広報まつど作成にあっては委託をしていると思いますが、その仕様のなかに「カラーユニバーサルデザイン」を盛り込むことはできないものかお答えください。

◇市役所答弁

まず、ユニバーサルデザインが、文化・言語・国籍・年齢・性別等の違いや、障がいや能力を問わずに誰でも利用することができる、施設や製品・情報のデザインであるように、カラーユニバーサルデザインとは、色の見え方が異なる人も含め、だれも利用することができる色のデザインかと思います。

議員ご質問の広報まつどにおけるカラーユニバーサルデザインの取り組み状況といたしましては、例えば地図を掲載する場合、その中で区域を表示するに当たり、色以外にも下地のマークを区域ごとに変更するといった取り組みや、円グラフを掲載する場合は、隣り合った領域で、使う色の濃淡を変えるといった取り組みを行い、広報まつどを読む方が、誤解することのないような情報提供に努めているところでございます。

議員ご提案の広報まつど編集委託の仕様書にカラーユニバーサルデザインを盛り込むことができないについてでございますが、県内近隣市では、我孫子市が編集委託の仕様書に、カラーユニバーサルデザインへの配慮について盛り込んでいるところです。

現在、広報まつど定期号の編集委託業務におきましては、ユニバーサルデザインの発想を元に作成されたユニバーサルデザインフォントを取り入れるよう仕様書に明示し、わかりやすく、読みやすく、読み間違えることがないような広報まつどとなるよう努めておりますが、今後は議員ご指摘のカラーユニバーサルデザインにつきましても、仕様書に明示することを検討してまいります。

◇関根ジロー要望

答弁で、広報まつどにおけるカラーユニバーサルデザインついて仕様書に明示することを検討してまいりますとお答え頂きましたので、よろしくお願いします。

今回の質問では「松戸市役所内に、全庁的なカラーユニバーサルデザインへの同一基準がない」ため、広報まつどに特化して質問しましたが、早期に、全庁的なカラーユニバーサルデザインの担当課を決めて頂きたく要望します。

6月議会で指摘した屋根貨し事業では、関係する部署が複数にまたがることで担当間がお互いに仕事を押し付け合い、結果的に屋根貨し事業が宙に浮き、事業の検討が進まず、他自治体に次々と先を越されてしまったことを指摘しました。

カラーユニバーサルデザインついてはくれぐれも、屋根貨し事業の二の舞にならないようにお願いします。