埼玉新聞(2015.4.7)の記事を文字起こししました。ぜひ、ご覧ください。

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■いつでも閲覧


 「政治家が何を訴えているのか、継続的にチェックできるシステムを」。関東地方の大学生たちが、選挙公報をインターネット上で保存・公開する取り組みを始めた。自治体に政策提言などを行っている市民団体の地域政策研究所(東京都港区)が昨年9月に立ち上げたサイト「選挙公報.COM」(www.senkyok.com)で、活動を展開。地方選挙では、2011年6月5日から今年1月25日までの間に投開票されたもののうち県知事選、市区町長選と県議選、市町議選の計66件の選挙公報がデータで保存・公開され、いつでも閲覧できるようになっている。


 活動に携わるメンバーは、さいたま市出身で筑波大学2年の佐藤昌哉さん(20)、同大2年で富士見市出身の奥汐里さん(20)ら7人。千葉県内の市議会議員事務所でのインターンシップを通じて知り合った。佐藤さんは「ネット選挙が解禁となった今、選挙公報も継続的に見られるようにするべきだ」と言う。


■継続チェック必要


 大学で社会学を専攻している佐藤さんと奥さんは、もともと選挙に関心があった。だが、「そもそも同年代で、政治や選挙に興味を持つ人がほとんどいない」と佐藤さん。そこで着目したのが、選挙管理委員会が新聞折り込みなどで配布する選挙公報だった。


 選挙公報には、各候補者の掲げる政策や公約などが書かれている。選挙期間中はネットで公開されるようになりつつあるが、その多くは選挙が終わると削除。グループでの調査では、継続的に選挙公報を閲覧可能としているのは、全国1756自治体のうち、わずか18自治体だという。


 佐藤さんは、「選挙といえば、急に駅の前に立って『お願いします』と言って、終わればいなくなるイメージ。継続して地方政治に興味を持てるシステムがない。議員が何をやっているのかも分からない」と情報不足が地方政治への無関心の一因だと指摘。候補者が選挙で何を訴えたのか、当選後の活動と照らし合わせながら確かめられる仕掛けをつくることになった。


■高まる責任感


 新たな試みは、若い世代にどのような効果をもたらすのか。奥さんは「ネットならば、若者も気軽に見るようになる」と期待。政治家に対しては「言いっ放し」を許さないことにつながる。佐藤さんは「公約が実現できなかったとしても、なぜなのか説明する義務がある。地方議員と有権者はもっと近くにあってほしい」と願う。


 学生たちは、今回の統一地方選の選挙公報についても、全国を地域ごとに手分けして、サイトに掲載する準備を進めている。奥さんは「地方選挙は自分の住むまちや社会の仕組みづくりを選ぶもの。今、私たちが関わらないと将来、自分たちが損をする」と自覚。佐藤さんは「自分に何ができるかを考えることで、一国民としての責任を感じるようになった」とうなずく。そこには、政治参加への意欲を高めつつある若者たちのかすかな種火があった。
(新井護)


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