東日本大震災では天井落下が相次いました。頭上のリスクからどう身を守るのかが、大きな問題になっています。NHKによると、東日本大震災では、全国2,000か所もの天井が落下し、死者は少なくとも5人・負傷者は70人以上に上ったと報道されました。

そんななかで、産経ニュースに「体育館などのつり天井落下対策、9割超が未実施」という報道がありました。記事は下記のとおりです。

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体育館などのつり天井落下対策、9割超が未実施 公立小中校、都市部で顕著

2014.6.3 07:50

 文部科学省が2日に発表した全国の公立小中学校の耐震化調査で、体育館などの「つり天井」の落下防止対策が進んでいない実態が明らかになった。つり天井がある学校施設は6422棟で、このうち9割以上の6222棟が、落下防止のネットを設置するなどの対策を施していなかった。東日本大震災では、つり天井の落下事故が相次いでおり、文科省で早急な対策を求めている。

 今回の調査は、高さ6メートル以上か、面積200平方メートル以上のつり天井を対象に実施。全国の体育館など屋内施設3万3703棟のうち6422棟に設置されていたが、落下防止対策が施されていたのはわずか200棟だった。

 つり天井は、断熱性の確保や防音効果などがあるが、東日本大震災で落下し、子供たちが負傷するケースがみられた。このため文科省は昨年8月、各地の教育委員会に対し、つり天井の撤去やつり下げるワイヤの補強、ネットの設置など落下防止対策を施すよう求めていた。

 今回、全体の9割以上に対策が施されていなかったことについて、文科省では「体育館などは避難所としての役割も期待されており、対策を急いでほしい」とし、補強よりも撤去を求めている。

 都道府県別で対策が施されていないつり天井が多いのは、大阪617棟▽愛知509棟▽兵庫463棟▽東京391棟▽福岡311棟▽千葉271棟-などで、都市部で目立っている。

(記事おわり)
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このつり天井について松戸市の現状がどうなっているのか、対策はどう講じていくのかを、今年の6月議会で質問しました。

質問で、つり天井構造の松戸市内体育館施設は、
「運動公園体育館、柿の木台公園体育館、小金原体育館、常盤平体育館の4施設」
があり、
「市内小中学校体育館の構造はつり天井にはなっていない」
ことが明らかになりました。

また、つり天井の体育館について「天井等落下防止対策の取組みを進めたい」と松戸市が明らかにしています。

議事録を転載します。

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◆質問:関根ジロー
6月3日付けの読売新聞に「つり天井落下防止、小中体育館9割超で終わらず」という記事がありました。東日本大震災で落下が相次いだ体育館などのつり天井の安全対策が9割超で終わっていないという報道でした。体育館は災害時、避難場所になりますので、早期のつり天井落下防止対策が求められるというものです。
ここで松戸市の体育館のつり天井の現状がどうなっているのかをお伺いします。事前のヒアリングで、東部スポーツパーク及び和名ケ谷スポーツセンター体育館はつり天井が採用されておらず問題ないと伺いました。それ以外の体育館の現状とその対策をお答えください。

◆答弁:松戸市
現在、松戸市内の体育館において、つり天井構造の施設は運動公園体育館、柿の木台公園体育館、小金原体育館、常盤平体育館の4施設があり、市内小中学校体育館の構造はつり天井にはなっておりません。
また、現状といたしましては、建築基準法第12条において、体育館を含めた施設点検を3年に1回建築関係部署と担当課において実施し、施設の状態を把握しながら修繕を行っております。震災以降様々なルール等は改正されているなかで、平成26年4月に施行された建築基準法に基づく天井脱落対策の規制が強化されましたが、運動公園体育館他3体育館は既存建築物であることから現状のままであれば、遡及適用の対象ではありませんが施設利用者も多く、避難場所等にも指定されていることから、関係部署と協議をし、天井等落下防止対策の取組みを進めて参りたいと思います。

◆要望:関根ジロー
体育館におけるつり天井についてお答え頂きました。つり天井構造の施設は運動公園体育館、柿の木台公園体育館、小金原体育館、常盤平体育館の4施設があり、それ以外の体育館はつり天井にはなっていないことがわかりました。またその対策として「関係部署と協議をし、天井等落下防止対策の取組みを進めたい」とお答え頂きましたので、よろしくお願いします。