生方幸夫ブログを転載します。

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6月27日(金)
 前の衆議院選挙の際に、安倍さんがこんなことをすると想像していた有権者は一体何人いたでしょうか。あれよあれよという間に、日本の形は平和国家から軍事国家へと国民の意見も聞かずに変貌しようとしています。
 安倍さんは日本が世界に誇ってきたODA(政府開発援助)も抜本的に変えてしまいたいようです。これまでODAは平和目的に限られ、軍隊への支援は禁止としてきました。それを安倍さんは勝手に変え、”積極的平和主義“の名のもとに、他国への軍事援助についても道を開こうとしています。
 日本はこれまでODAを積極的に行ってきました。97年には1兆1687億円と世界で最も多くのODAを拠出していました。現在では大分減ったとはいえ、毎年5500億円もの援助を途上国を中心に行っています。
 アジアやアフリカの国を訪問した時、「あの病院、あの学校は日本からのODAで作ってもらいました」という声や「あの橋や、道路は日本のODAのお蔭です」という声を沢山聞きました。
 イラクやアフガニスタンに米国を中心に国際社会は軍事介入しました。しかし、イラクやアフガンの現状は、介入前より酷い状況になってしまっております。このこと一つとってみても国際紛争は武力では解決しないということは明らかです。
 国際紛争を解決するためには紛争の根本にある貧困や差別をなくさなければいけません。日本のODAは貧困や差別の解消に貢献してきました。だからアジアやアフリカの途上国から日本は尊敬されてきました。
 それが日本の安全保障に繋がってきたことは言をまちません。それをODAまでも軍事目的に変化させ、集団的自衛権で、日本の平和主義を放棄してしまえば、これまで日本が築き上げてきた“平和の貯金”ともいうべきものを全て失ってしまうことになります。
 安倍さんの路線を進めていけば、日本でもテロに怯えなければなりません。海外で活動している日本人もこれからは危険に晒されるようになります。そして海外に派遣される自衛隊員の皆さんは命の危険に晒されることになります。
 安倍さんはテレビで見る限り、何の杞憂もなく、笑顔でこんな大転換を強行しようとしています。想像力の全くない人間です。想像力のない人間が権力をとることほど怖いことはありません。安倍さんを一日も早く権力の座から降ろさなければなりません。