生方幸夫ブログを転載します。

★★★★★★★

6月25日(水)
 期待していた公明党もやはり与党である魅力には勝てなかった。平和の党という党是を簡単に翻し、日本を戦争への道へと導く集団的自衛権行使についに同意してしまいました。それほど、与党はおいしいのでしょうか。情けない限りです。
 安倍政権が第三の矢を発表しました。内閣支持率と株価が連動しているとは前に書きました。安倍さんは自らの支持率を上げるために、国民の大事な年金資金を株式市場に大幅に導入する決定をしました。
 厚生年金を勝手に使って日本中に大規模レジャー施設を作って、何兆円にも上る赤字を出したことは記憶に新しいことです。それ以来、年金の資金運用は慎重な上にも慎重にというのが政府の方針のはずでした。
 しかし、安倍さんはその方針を勝手に覆し、株での運用を増やしてしまいました。株価は上がるときもあれば下がるときもあります。バブル期のもっとも高い時には4万円近くもあった平均株価は、いま1万5千円前後で行き来しています。つまり、もし4万円の平均株価で買っていれば、いま2万5千円も含み損を抱えていることになります。
 個人が余裕資金を株で運用するのは勿論勝手です。リスクを自分で取って、勝っても負けても自己責任の世界です。しかし、年金資金は違います。私たちの大事な老後の資金を自分の支持率を上げるために勝手に株式市場に投入する、こんなことが許されていいはずはありません。
 成長戦略には残業代ゼロにつながる労働時間規制緩和も含まれています。1000万円以上の年収のある人とか、特殊な能力を持っている人に限って残業代をゼロにするなど、最初は制限がある様に見せかけていますが、そんなハードルはあっという間に外されてしまうことは経験済みです。900万円の年収があって、年200万円残業をしていた人がいるとすれば、経営者はすぐにその社員を年収1000万円にまで引き上げます。そうすれば残業代を払わなくていいですから、差し引き100万円人件費が少なくすみます。そんなことが罷り通れば過労死が増えるばかりです。
 まだあります。前にも書きましたが、法人税の引き下げが盛り込まれました。法人税を払っているのは黒字の大企業がほとんどです。中小企業は法人税を払っていない企業が多いですから、法人税減税をしてもなんの恩恵もありません。
ヨーロッパの国では所得税減税をしているのに、日本は消費税を引き上げて、それを法人税減税にまわす。年収は減っているのに消費増税で物価は上がる。サラリーマン、年金生活者の生活は苦しくなるばかりです。こんなことが許されるのでしょうか。
 さらに、低賃金労働を外国人労働者に強いると評判の悪い外国人技能実習制度を拡充するというのも含まれています。技能研修とは名ばかりで、日本人が働きたがらない厳しい労働現場に7万円程度の低賃金で働かせる。終わった人はみんな日本嫌いになるという、この制度を、制度改革することなく広げるなど、これも許されるはずはありません。
 こんなことが罷り通れば、日本の世界の中での評価は下がる一方です。尊敬される国になることが最大の安全保障なのに、それに反することばかり取り入れて、あげく、軍事で貢献しようとするなど愚の骨頂です。