松戸市における交通の利便性について、平成23年3月定例会で一般質問をしていますので紹介します。

市民の皆様からバス路線の新設をはじめとした量的な「交通アクセスのさらなる利便の向上」を求める声を頂いたことをきっかけにこの質問をしました。

松戸市からの答弁は、「鉄道、路線バスの交通利便性の向上については、市域によって多少の濃淡はあるものの、量的には充実し、高齢社会には不可欠な移動手段として、現行の路線を継続的に維持していくことが重要と認識している」という答弁がありました。


以下、一般質問議事録抜粋です。

★★議事録より抜粋★★

◎関根ジロー質問

(中略)施政方針の「結び」において、市長は、松戸市の強みに常磐線や武蔵野線、新京成線、北総線などの6路線23駅を要する交通の利便性を述べられておりますが、果たしてそうなのか、疑問を呈したいと思います。

交通の利便性は極めて重要なインフラであり、交通の利便性がよくなければ、前述の子育て支援の施策も効果が薄れてしまうから、あえてこの問題を質問します。

先般、実施された後期基本計画へのパブリックコメントに、「なぜ若い世代が他市へ流出しているのか」との疑問が、市民から寄せられておりました。その回答として、松戸市は20歳から49歳の世代における市外に移りたい理由について、アンケート調査を実施し、その結果、一番多かった意見が「通勤や通学に不便だから」でした。

これは34.6%にも上ります。3人に1人以上です。

「通勤や通学に不便だから」、そう答えた市民の詳しい状況は、本アンケート結果のみではわかりませんが、少なくとも「通勤や通学に不便だから」という声は、市民にあるわけです。

つまり、交通アクセスをよくすることが若い世代の流出を防げる方法の一つと、この調査結果から言えないでしょうか。

交通アクセスと言ってもいろいろありますが、松戸市として、施策展開で改善することができるのは、家から駅までのアクセス改善、すなわちバスだと考えられます。

広い広い松戸市は、駅周辺に住んでいる方は、確かに都内などへの交通の便がいいかもしれません。

しかし、駅から離れた場所では、バスの本数が少なかったり、バス停がなかったりしています。

松戸市が本気で若い世代の流出を防ぐ、または若い世代を呼び込むのならば、家から駅までの移動時間の短縮こそが、重要な課題の一つと考えられないでしょうか。

確かに一見すると、6路線23駅の周辺に住んでいるならば問題はないかもしれませんが、駅付近にお住まいでない市民にとって、バス停の数は満足なものでしょうか。また、バスの本数は十分なものでしょうか。バスの営業時間は満足なものでしょうか。

以上のように申し上げた内容を背景に、交通アクセスのさらなる利便の向上について、必要性を認識しているか伺いたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。


◎都市緑花担当部 答弁

質問事項、施政方針についての今後の交通利便性の向上の必要性につきまして御答弁申し上げます。
初めに、議員から御指摘の市民ニーズ調査のうち、市民の定住意向にかかわる項目につきまして、検証を深めた数値をお答えいたします。

まず20歳から49歳の市民のうち、1,250人から回答をいただきました。このうち市外に移りたいと思っている人は162人おり、そのうち56人が通勤通学の不便を理由としております。これは全体の回答者1,250人を母数といたしますと、5%弱、20人に1人が交通の不便を理由に市外転出を考えていることになります。

一方、このまま市内に住み続けたいと考えている人は617人おり、その理由として、通勤通学の便のよさを上げている人は314人、定住志向の約50%を占め、回答者全体の1,250人を母数としても25%、20人に5人は、交通の便のよさを理由に挙げて、松戸市に長く住み続ける意向をお持ちでございます。

この結果から、20人に1人は不便と答え、20人に5人は便利と答えており、本市は必ずしも通勤通学の便が悪い状況ではなく、実態とは異なる印象が反映されたものと考えております。

次に、本市の公共交通機関の現状を申し上げます。量的には鉄道、路線バスともに充実しており、特に鉄道につきましては、概成しているものと認識しております。ちなみに松戸市では6路線23駅でございますが、柏市では3路線11駅、市川市では5路線16駅となります。また、市の面積で駅数で除した1駅当たりの分担面積で比較しますと、本市は267ヘクタール、柏市は1,045ヘクタール、市川市が352ヘクタールとなります。

次に、鉄道の配置状況につきましては、一般に首都圏の鉄道は、都心に向けたアクセスがよい反面、地域内での移動については、鉄道間の連絡が少ないため、不便な状況が見受けられます。本市の場合は武蔵野線が縦軸の役目を果たし、6本すべての鉄道が市内等で交差、接続するため、鉄道によって、ほぼ市内全域を移動することが可能となり、基幹的な交通機関として、市民の住みやすさを支えていると思慮されます。

一方、路線バスにつきましても、240余りのバス停から半径300メートルで円弧を描き、鉄道駅の徒歩圏に重ね合わせますと、本市は市内の86%を網羅しており、柏市では54%、市川市でも78%と隣接市よりも高い数値となっております。

運行本数につきましても、各路線の需要に応じ、少ない路線では1日当たり20本、多い路線になりますと約180本が確保されており、鉄道を補完する交通機関として、住みやすさを高めているものと考えられます。また、採算性の高い路線の収益を低い路線に充当する内部補助の仕組みを活用し、これだけのバス路線網を維持しながら、サービスが提供されていることも大きな特徴でございます。

鉄道、路線バスの交通利便性の向上につきましては、市域によって多少の濃淡はございますが、量的には充実し、高齢社会には不可欠な移動手段として、現行の路線を継続的に維持していくことが重要と認識しております。

併せて交通結節点において、鉄道から鉄道への乗りかえ、路線バスから鉄道への乗り継ぎなど、使いやすさ、いわゆる質の面でさらなる向上に取り組んでおります。

具体的には、鉄道駅のバリアフリー化をはじめ、都市計画道路など、都市基盤の整備状況に合わせ、バス路線の再編成やバス停の新設等を行い、市民にとって質の高い公共交通機関を目指し、交通事業者と連携し、必要な取り組みを行ってまいります。

以上、御答弁といたします。