学校トイレについて、9月18日付の中日新聞に下記の記事が掲載されていました。転載します。

★★学校トイレ 洋式化に壁 費用1棟3~5千万円★★

学校のトイレといえば、臭い、汚い、暗い-の「3K」。そこに変化の風が吹いている。便器の洋式化が進み、手をかざせば水が流れる自動水栓も普及。国や自治体も改修に力を入れている。運動会や文化祭で学校に足を運ぶ機会が多い2学期。今どきのトイレをのぞいてみては。 (細川暁子)
 築三十年以上の川崎市高津区の市立下作延小学校。三年前、一階と三階のトイレを改修した。ピンクの壁がおしゃれな女子トイレ。便器は六つのうち、五つが洋式に。自動水栓の洗面台は蛇口が複数ある円形の対面式に変わった。男子の個室トイレも二つのうち一つが洋式。小便器はセンサーで水が流れるようになっている。
 ただし明るくピカピカなのは校内の一部のトイレのみ。予算の壁で、二階と四階は手つかずのまま。個室トイレは和式が中心。男子の小便器は洗浄装置が旧式で、便器には尿石がこびりついている。タイル張りの床も菌が繁殖しやすく、悪臭の一因で、同校の橋本晃一校長は「その差は歴然」と苦笑いする。
 文部科学省によると、全国の公立学校の七割は築二十五年以上が経過し、トイレも老朽化が進んでいる。トイレの関連企業でつくる「学校のトイレ研究会」(東京都世田谷区)が二〇〇九年に全国の小中学校を対象にしたアンケートでは、八割以上の学校が和式中心と答えた。
 一方で、衛生陶器大手、TOTO(北九州市)によると、住宅トイレの出荷で洋式の割合は一〇年度で99%。また小林製薬(大阪市)が今年、小学生を対象に行った調査では、六割が「和式で困った」と回答。その理由は「またげない」「怖くて排便できない」「便が服についた」など。同校一年の榎木尚都君(6つ)も「和式は使ったことがない。使い方が分からなかった」と話す。
 そんな実情に、同市は四年前から学校トイレの洋式化に着手。市内の公立小中学校、百六十四校中、今年度まで六十五校で改修が終わり、中には洋式だけの学校も。文科省も昨年初めて、トイレ改善を目的とした有識者会議を設置し、関心を示している。
 ただ、生活実態と合わせたトイレの洋式化には、費用が問題。文科省によると、改修は配水の関係で棟ごとに行うことが多く、一棟につき三千万円から五千万円が必要。国から工事費の三分の一を補助されるが、各自治体の負担は重い。
 築五十年の埼玉県杉戸町立杉戸中学校も三年前、二年用の棟を改修。バリアフリー化も進んだが、費用は六千万円で、町教委の担当者は「小さい自治体で財源も厳しい。全部を改修するのは無理で、古い学校を優先している」と話す。
 学校のトイレ環境の改善を行っているNPO法人日本トイレ研究所(東京都港区)の加藤篤代表は「和式を嫌って学校で大便を我慢する子も多く、健康にも勉学にもよくない。改修にお金がかかるが、洋式を増やすべきだ。ただし、災害時の仮設トイレや公共施設には和式が多い実情もある。和式も残してほしい」と話している。

★転載おわり★

松戸市内の学校トイレの洋式化率も低く、平成23年度末の時点で約23%です。詳細はコチラをご覧ください。
松戸市内の学校トイレの洋式化率の向上にむけて引き続きがんばりたいと思います。