季節ごとに感じる疑問と憂鬱 | 香散見草

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三者三様徒然記+
~テーマごとに綴る三人の随筆PLUS ONE~

【商品ロス】

【syusei】


今年の節分は土曜日だったから、昼間のスーパーの惣菜売場で、これでもかと言わんばかりに積み上がった恵方巻きを目の当たりした。具が一般的なものから、肉、揚げ物など子供向けのものなど、恵方巻きもバラエティに富んでいる。「絶対余るって…。」と思った矢先、スーパーの店長と思われる初老の男性が台車でさらに多くの恵方巻きを運んできた。朝から何度運んでいるのか、痛そうに腰を押さえながら。クリスマスのチキンやケーキもそうだが、「いかに多くの商品を並べるか」=「たくさん売れる」なのだろうか。

少し前に会社のアルバイトさんから、掛け持ちで別のアルバイト先を求めて和菓子屋に面接に行ったら、帰りにどら焼きを60個持たされたという。会社にも持ってきてくれ、ありがたくいただいたが、恵方巻きは翌日以降に配ることはできない。

SDGsが求められる現代、コンビニでは「前取り」の推奨や、季節物商品の予約制販売を行なっているが、もっと社会全体の大規模な改正が必要なのではないか。たくさん仕入れないと安く売れないなどの仕組みもあるのだろうが、季節物の食品が並ぶ時期になるたび、考えさせられる。