歌舞伎座新開場柿葺落 二月花形歌舞伎昼の部 | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

幕間に

久しぶりの




めでたい焼!


旧歌舞伎座時代は、たい焼きやさんに
顔覚えられる位に通ってたのですが
久々にいただきました。

あんこたまらん。
白玉もちもちたまらん。

そして二月歌舞伎座昼の部もたまらんかった!

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通し狂言心謎解色糸
(こころのなぞとけたいろいと)
小糸左七 お房綱五郎


お祭左七/半時九郎兵衛 染五郎
本庄綱五郎 松緑
芸者小糸 菊之助
糸屋の娘お房/九郎兵衛女房お時 七之助
安野屋十兵衛 歌六
女房おらい 秀太郎

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序幕から、あー南北みてるなぁ!
という感覚が体中をかけめぐった。

なんというか、
薄暗い狭い部屋で原色の服を来た人がゆらゆらしているのをのぞき穴からみている感じ。
(まったくわかりづらくてごめんなさい)

仕掛けが盛り沢山なのは他の南北作品と共通することだが、例えば
「四谷怪談」のような、物理的な
「モノを使った仕掛け」ではなく、
心理的な仕掛け。

登場人物の、とあるトラップだったり、
嘘だったりが、わかりやすく、
それこそ「引き金」となり
大きな事件、殺人へと繋がる。


その関係性が非常にわかりやすい。


もちろん、単純な起承転結なわけがなく、
破綻寸前の相関図をみてもわかるように
(これがいかにも南北なのだが)
人物関係はかなり入り組んでいる。
が、なぜかすっきりしている。

たぶんそれは逃げのようでいて本質である
「人間の業」
に集約されるように導かれているからだと思う。
だから100%否定的に描かれた人物がいない。
なんにせよ、無理がない。


笑いの要素も力んで取りに来ているわけでなく、
思わず笑みがこぼれるようなシーンが多い。
(隣の貴婦人も、要所要所で自然と笑っていた)

ロミジュリを彷彿とさせるシーンもあったり、
緩急がちょうどよく、
通し狂言での停滞感がない。


やはり染五郎さんを筆頭に
花形役者の方々が
この作品をいま、上演することの意味を
考え抜いた結果なんだと思う。





花形歌舞伎がこけら落とし公演中、
三度目ときくと、時代の変革期の只中にいることを実感する。











あらなんか真面目に書いた。




ビッ狩りマンで一服しよ