たおやかさをいただきに | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

先日松竹座の楽屋にお邪魔しまして、
次回ゲストの坂東新悟さんの拵えの
様子を収録させていただきました!


なんでしょう、、この色気は!

収録時、顔をされる手順を初めて最初から最後まで追わせていただいたのですが、
そのしぐさ自体がたおやかなのです。

例えばものの置き方にも無駄がない。
次に使うものが、あるべきところにあるから、
余計な動作をおこなわずと済む。

切られ与三でも、お富が化粧をする場面があるけれど
まさにそのシーンのように「魅せる」日常だった。

ふと、バレエのバーレッスンを思い出した。
自分のため、本番のためにする日常動作だけど、
本番前の袖や回廊でストレッチやバーレッスンをするダンサーはそれだけで画になる。


で、お化粧の話に戻りますが
自分に照らしあわせてみるとひどいです。

私のメイク(と呼べるかわかりませんが、、)方法ときたら
擬音で伝えると
ばしゃー(顔を洗う音)
ばしゃー(化粧水的な音)
びちゃー(日焼け止めを塗る音)
ぴた、、ぴたぴたぴた(おしろい的なものをはたく音)

完全にアウトですね。
白木あゆみちゃんが遊びにきてくれたときに絶句して
一から教えてくれたのは言うまでもないです。

本番ではたおやかエキスをいただこうと
お客様の誰よりも張り切っております。


ちなみにゲストの新悟さんですが、今月出演中の松竹座では
愛之助さん演じる与兵衛の恋人役である遊女・小菊という大役を
儚い中にも芯の通った女性を演じていらっしゃりました。


おくださんと打ち合わせのときにもうかがったのですが、
女性特有の、とか、女性が生まれながらに持っている
母性とか、柔らかいなかにも芯が通っている、凛としている、
というものを「演じる」ってどういうものなんだろうと、
女形という存在の偉大さと不思議さにかられます。

そのあたりのお話も伺う予定ですので皆様ぜひお運びください
「歌舞伎俳優の生の声を聴く ー女形に学ぶ!本当のたおやかさー」

あ、夜の部では「夏祭浪花鑑」では、あまり上演されない
道具屋の段では道具屋娘・お仲ちゃんをキュートに演じておられました。

木ノ下歌舞伎版「夏祭浪花鑑」では道具屋の段を「歌と踊りで」お送りしたんですよ!

私もお仲ちゃん、やりましたよ。

ただし




はえたたきで出来たお仲ちゃんでしたが