奇特な両人 | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

無事に校了を終えたとの連絡を受け、
やっとこさ晴れ晴れとした気持ちで乾杯。

しかも我らが主宰・木ノ下せんせいと!

今回は私が案内人となって、木ノ下せんせが好きそうな場所
(というか私が気になってたけど人を選ぶな、、というスポット)
をご紹介。

まずは大園寺という、別に有名ではないけど
なんか気になるお寺に。

そしたらなんと、八百屋お七に所縁のあるお寺だったのです!

なんか昔の青春ドラマに出てきそうな木ノ下せんせい

お七といえば、私がまだ歌舞伎に対して退屈なイメージを持っていた頃、
はじめて自分がやりたいと思った演目が八百屋お七の舞踊だった。
確か菊之助さんが、お土砂の芝居の最後、雪の中で舞っていた。
その人形振りがこの世のものとは思えなくて、ぽーっとなったのを
覚えている。

大円寺には、そのお七と、彼女が恋いこがれた吉三の位牌が保存されている。

先生も私も心ゆくまでお寺を堪能。


の後、これまた気になっていた
「目黒のさんま」がウリの地味な(笑)居酒屋に。

これが大当たりで。さんまの塩焼きも、もつ煮も、
お通しも何もかもおいしい!

落語のおかげで、穫れる訳でもないのに一躍有名になった
「目黒のさんま」


味わいのある一枚。
おじいちゃん(先生)が孫(私)にさんまをとりわけてくれてます。
「目、意外とおいしいんやで」「骨に気いつけや」と。
ちなみに先生は私より年下です。

下町っぽいお店で古典のこと、俳優の至芸について、
いまの歌舞伎について、そしてもちろん木ノ下歌舞伎の
これからについても語り合ったら止まらず。

さすがに4時間以上いたので、場所を移すことに。

20代らしい女子カフェに行ったのだけど、
なぜか浮いている気がした!!

ケーキも飲み物もカタカナだらけで、おじいちゃんには
難しそうだったので説明してあげました。



木ノ下歌舞伎版「夏祭浪花鑑」をご覧の方には
懐かしいアイロン。



ほんと、実年齢を完全に無視した趣味嗜好をもった人に
出会えて、且つ同じ方向に向けることになれたことは
感謝してもしきれないと改めて思った。
日付変わる頃に先生からいただいた言葉は、
小心者な私の不安とか全て消してくれて、
木ノ下歌舞伎の関亜弓ですと、これから迷いなく
いえるお札みたいなものだった。

結局、計7時間も話続けたという大記録を樹立。

その間、お互いに「奇特な人やね~」と
何度言い合ったことだろう。



ちなみに先生は最終の新幹線を逃し、
始発までファミレスでお過ごしになられ京都へとお帰りになりました。。






帰途苦 な思いをさせて本当にごめんなさい。



孫より