新春浅草歌舞伎 第一部 | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

浅草歌舞伎に行ってきました。

今年はメンバーの入れ替え期。
中村屋兄弟に代わり、平成生まれズが
どわっと加入。

フレッシュ!

平均年齢一気に下がってますね。

といっても、亀治郎さん、愛之助さん、亀鶴さん、男女蔵さん、そして今年は春猿さん、竹三郎さんの
ベテラン陣がしめるとこしめて、
バランスよろしな座組に。

========================================
新春浅草歌舞伎 第一部



一、南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)
富山山中の場
大塚村庄屋蟇六内の場
円塚山の場


庄屋蟇六/犬山道節  亀治郎
金碗大輔/簸上宮六  男女蔵
網干左母二郎  亀 鶴
犬塚信乃  歌 昇
犬村大角  巳之助
蟇六娘浜路  壱太郎
犬田小文吾  種之助
犬坂毛野  米 吉
犬江親兵衛  隼 人
下男額蔵実は犬川荘助  薪 車
伏姫  春 猿
蟇六女房亀篠  竹三郎
犬飼現八  愛之助



二、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう)
  吉田屋


藤屋伊左衛門  愛之助
扇屋夕霧  壱太郎
吉田屋女房おきさ  春 猿
吉田屋喜左衛門  竹三郎
========================================
またまた、歴史的瞬間に立ち会ってしまった。

壱太郎さんによる夕霧の艶。

これほどまでとは
想像していませんでした。

夕霧は

美貌と教養を兼ね備えた
遊女である
「太夫」

今までおぼこな娘役が
ほんとによく似合うなと
思ってたけど、

この役は
可愛いだけじゃ務まらないから、
若い壱太郎さんには正直
どうなんだろうと思っていた。

今まで務めていらした
単なる遊女であれば、

キャラクターとして

色気のさじ加減?
的なものは個性になる。
(と私は思う)

でも太夫や花魁は、
「絶対的な色気」がないと観客を
納得させることはできない。

壱太郎さんは
梅川、お初、静御前と
女形の階段を順調に
上ってきているけど、
ここで

二段飛ばしどころか
四、五段飛ばし位
したんじゃなかろうか。

昨年取材させて
いただいたとき、
漫画の話になると
目をきらきらさせていた
あの役者さんが、
舞台の上では
息を呑む位、せつなく妖艶な
女性になってしまう。

ほんと歌舞伎って恐ろしい。

80歳なのに
13歳を演じられる

とか、

年齢を縮める
奇跡を目にしてきたけど、
久しぶりに逆の奇跡を見た。

廓文章って、ぶっちゃけ
ご都合主義の極みなので、
主役二人が美しくないと、
ほんとにナニコレとなってしまう。

愛之助さんの二枚目半も
もちろんだけど、

吉太朗くんの
子役ドヤ顔太鼓持ち(笑)

最高にいい味出してました。
吉弥さんもさぞびっくりでしょう。

上方の味を江戸で堪能しました。



それから、なんといっても
ぴんとこナビに
登場経験のある
平成イケメン役者3人が大活躍!

photo:01

壱太郎さん、歌昇さん、隼人くん

あぁ、
これが親心ってやつなのかしらん


ちなみに
八犬伝はやっぱり

「つっかもうぜ!
ドラゴンボール!」
と歌いたくなりました。

その理由は八犬伝のあらすじをググっていただければわかります。

あと、壱太郎さんが
「浜路」と呼ばれる度に

ちびまる子ちゃんのあのキャラを
思い浮かべていたことは
内緒です。