二人分の命 | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

4,5日のゲスト、岡野医師はプロゴルファーの中溝裕子さんでした。

本当に明るくて、面白くて、気さくな方でした。そんな
中溝さんはプロになって3年目で白血病を発症し、克服した方です。

詳しくご紹介しますと、病気が
発覚してからも輸血を続けながら大好きなゴルフの試合に出場していたそうですが、
宣告されて6年目に、妹さんがドナーとなり、骨髄移植を受けて元気になられました。
(物語中のあゆみちゃんのように、家族でも型が合わないとドナーになることはできません)

中溝さんから、治療の痛みや副作用との戦いなどお話を聞きましたが、
想像を絶する世界でした。
でも

「骨髄を提供してくれた妹やその妹を産んでくれた母に申し訳なくて、
辛いなんていっていられない」
とおっしゃる姿をみて、本当に心を打たれましたし、
気持ちを強くもつことが、病気に勝つ事へ繋がってるのだとわかりました。

「手術日がもう一つの誕生日だから、今私は14歳なの」
と聞いて、ちょうどあゆみちゃんと同い年ですね、とお話させていただき、
楽屋では楽しく過ごさせていただきました。






ご出演二日目である今朝、中溝さんから、お見舞いにいって元気づけていた、
同じ病気で苦しむ女の子が亡くなったとの訃報が入ったと伺いました。
再発だったそうです。

ご冥福をお祈りするとともに、
こんなにも、死と隣り合わせである病気だということを
改めて感じました。

また、私は患者さんの治療は出来ないけれど、役者として、
この舞台を通して、命の尊さや骨髄バンクへの理解、
そして自分が生かされていることへの感謝を伝えなければと
引き締まる想いがしました。

残された3公演も精一杯務めます。

ご一緒させていただき、本当にありがとうございました。