9月歌舞伎座 夜の部 | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

相変わらず、終演後はドライアイです。
目を離す隙がないほど、たっぷり堪能してしまうので。

「鈴ヶ森」は雲助の殺され方がグロテスクなのに、微笑ましい。
顔の表面を削がれている彼を見て笑う私は無慈悲なのでしょうか。

だんまり(数分間の無言劇。多くの登場人物が暗闇の中で探り合うパントマイムのようなもの)
という趣向といい、歌舞伎の様式美の要素を挙げたらきりがありません。

そしてそして、「勧進帳」です。軽く現実逃避してしまいました。
右目に吉右衛門さん(富樫)、左目に幸四郎さん(弁慶)&染五郎さん(義経)を
映すことができたのですから。こんな顔合わせ、あり得ないです。

そんな夢うつつのまま「お土砂」で笑い、お待ちかねの「櫓のお七」。
私を歌舞伎の世界にどっぷり浸からせる決め手となった《人形振り》の芝居。
とりあえず、もう一度見に来ることを固く決意しました。
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秋ですね。柿のおまんじゅう。