御名残三月大歌舞伎第二部 | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

残すところさよなら歌舞伎もあと二ヶ月。
といっても三部制だからあと三回は観ることになるでしょう。

一幕目
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
「筆法伝授」の段。

上記演目は寺子屋以外はあまり上演されないので、この段も
もちろん初めてみました。
学問の神様で有名な菅原道真が
九州・大宰府へ流罪になってしまうくだりのシーンです。

幕開きは、睡眠不足がたたってか、なんとまぁ
一列目という良席にも関わらず夢見がちでした。

夢見る少女じゃいられない。

という強い意志と、仁左衛門さんの悲哀に満ちた菅丞相(菅原道真)に
はっとさせられそのまま引き込まれました。

この役は当代の父上である十三代目仁左衛門が視力を失った晩年も、
大切に演じ続けた当たり役。
そんな思い入れもあってか、菅丞相を演じるときは必ず
太宰府天満宮に祈願しているのだそう。

・・・私にとって太宰府天満宮というとかさの家の梅ヶ枝餅を思い出してしまいます。

あと高校時代、ドイツ人と仲が悪かった
ドイツ語の先生の故郷ということ。

授業時間中、ずっとはらはらしていて
グーテンタークどころじゃなかった記憶が蘇ってきます。

おっとまた横道にそれました。

二幕目は

弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)
浜松屋と勢揃いの二幕。

圧巻でした。配役がすごいのですよ。

弁天小僧菊之助  菊五郎
南郷力丸  吉右衛門
忠信利平  左團次
赤星十三郎  梅 玉
日本駄右衛門  幸四郎

鼻息荒くなりますね。

何気に鳶頭の團蔵さんにもドキッとしました。

花道に近かったので、皆さまの
汗やしわまでくっきりと拝見いたしました。

菊五郎さんの鮮やかな煙管の扱いや、
力丸との砕けたやりとりも間近で見れてお腹いっぱいです。
さよなら公演ならではですな。

今関わっている仕事でも書いているのですが
この白浪のシーン、実は戦隊モノの元祖なのです。

敵と戦う前にお揃いの衣裳に身を包んで、決めポーズ。
一人ずつ決め台詞を吐く。

よくある「今のうちにやっつけちゃえばいいじゃん」

っていいたくなるあの感じです。
あいつアカレンジャーだよね、あいつピンクだよねって
誰もがわかります。

ちなみに私が初めて認識した戦隊モノは
「光戦隊マスクマン」
です。

レッドマスクの形をしたシャンプーで
遊んでた記憶が鮮明に残っています。

音楽の趣味もそうですが、よく「年の離れたお兄さんがいるでしょ」
と決まって言われる所以がこのへんかもしれません。
が、知る限り乙女な姉しかいません。

でも私が小さい頃好きだったテレビ番組は
「オレたちひょうきん族」
です。