崖の上の 10月歌舞伎座 夜の部 | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

あれよと言う間に10月歌舞伎の日。
「毛抜」観たさに昼も取りたかったのですが、
スケジュール的に無理で夜の部に行ってきました。

義経千本桜の通し狂言。

渡海屋から川連法眼館 の場までたっぷりと堪能しました。

先月に続き大活躍の吉右衛門さんの知盛(&銀平)。
豪快な中にも、心の機微が。そして圧巻の幕切れ。

(勧進帳の)富樫の引っ込みで涙を堪えて天を仰ぐ瞬間も
たまらなく好きですが、碇知盛(シンジ君のお兄さんとかじゃないです)
と呼ばれる大物浦の段がまた痺れるのです。

自分の体が浮き上がらないように
碇の綱を体に巻き付けて海に飛び込むのですが、
髪を振り乱し、衣装は血だらけ、そして崖の上というナイスロケーション。
ジブリもびっくりですわ。

話それましたが、その気迫というか、鬼迫という感じ(造語です)は
凄まじかったです。あまりにも見入ってお腹がすいて、お弁当を
もりもり食べました。30品目以上摂取。

余談ですが、面の良い中村隼人さんなど、若手の活躍ぶりにも期待大です。

台風で人がわらわらしていて、世の中を外側から見れる気がしました。