磯子のあゆみ~その8

地域との触れ合い大切に…

昭和レトロと平成を結ぶ「磯子の商店街」考。

今回は、昭和の面影を残し、もうすぐ年末大売出しで賑わう2つの商店街の歩みを調べてみました。

『浜マーケット』
昭和20(1945)年、戦後の混乱期に露天市が発展してできたのが、久木町の浜マーケットです。その生い立ちを『磯子の史話』などによると、「市電の浜停留所の前の空き地で、みかん箱の上に野菜や菓子・日用品などを並べて商ったのが始まりです。現在のようなアーケードになって商店街を形作ったのは、昭和29年で、根岸や森町、本牧のほうからも買い物に来る人が絶えなかった」と紹介されています。

ところが戦後から続いているこの商店街が今年の427日未明、放火により35店舗中17軒が全焼。しかし商店街の皆さんの努力、利用者の方々の熱い支援、「横浜市まちづくり推進条例」が再建計画に適用されるなど、復興に向け着実に進んでいます。
消失したアーケードの部分にはテントの屋根ができ電灯もつけられ、入り口の果物屋さんや八百屋さんはお店も再開し、子供たちの職業体験施設「おーぷんはうすHAMA」もリニューアルオープンし再建を後押ししています。




『ぷらむろーど杉田』
JR新杉田駅と京急杉田駅を中心とした約450mの商店街で、杉田梅林にちなみ「ぷらむ()ろーど杉田」と名付けられました。
商店会が結成されたのが昭和23年で来年は60周年。昭和28年に開業したお蕎麦屋さんの女将は「当時はこの商店街の入り□(国道16号側)に小川が流れ、『みどり橋』という名の橋が架かっていましたが、37年に暗渠となり、その橋げたの欄干の石柱がひとつだけ、今も店の前に残っていますよ。」と懐かしそうに話してくれました。


昭和45年、JR新杉田駅開業とともに京急杉田駅
との連絡通路としても発展し、現在は、朝夕は通勤通学客、昼間は買い物客と一日中賑わいを見せています。

商店街は時代の流れで店舗の入れ替えもありますが、創立80年余の和菓子店や70余年の酒店、40年の伝統のある、まぐろ屋さんなど、2代目、3代目のお店もあって、活気あふれる下町的な雰囲気が人気を呼んでいます。


両商店街には私の親戚が店を出しており、なじみの店も少なくありません。商店街は地域の人々を結ぶ「まちの顔」、また夜は明るい街路灯が防犯に一役かっています。商店街の灯を消すことなく、ますます栄えることを願っています。