杉田八幡宮(磯子区杉田5-2-1)

900余年前から杉田の氏神様、珍しい「和風狛犬」が目をひく
創建は康平6(1063)年 杉田八幡宮
今回鎌倉幕府

以前からある古社、杉田八幡宮を訪ね『磯子の史話』などを

参考に、その由緒を調べてみました。

当社の参拝のしおりによると、「今から900年以上も前、

天喜5(1053)年に鎮守府の将軍・源頼義公とその子・
八幡太郎義家公がともに勅を奉じ奥州に赴き、安部貞任を討
ち宗任を降ろし、奥州の乱を鎮めその戦勝を祝って山城国(
現・京都府の南部)石清水八幡宮を分霊し、康平6(106
3)年に頼義公は鶴岡八幡宮を、義家公は杉田八幡宮を創建
、源氏の武運長久を祈願しました。(抜粋)」と記されてお
り、それ以来、杉田の氏神様として人々に崇め尊ばれていま
す。

創建後100年以上経った建久(1192)年、頼朝(義家
から四代目)は、当社に社領を寄進して久良岐郡の総社と定
め、鎌倉時代の末には、近くに建てられた東漸寺の僧職が八
幡宮の神職を兼務、その後東漸寺の末寺・妙観寺がその職を
受け継ぎました。
江戸時代になると杉田は梅林の名所となり、
花見客で社の内外は大いに賑わったといわれています。

明治6年、神仏分離の令によって長い歴史のある八幡宮は八
幡大神宮と改称し、村社に列せられ「杉田村の鎮守」として
存続させることになり、妙観寺は廃寺となりました。
その後
社殿の荒廃も目立ってきたため、昭和43年に明治以来の社
殿を改築することになり、3月に着工、8月に竣工し現在に
至っています。

境内には、文化2年と刻まれた手水鉢、大正5年に建立され
た忠魂碑があり、神楽殿(昭和6年建築)は平成8年に新築
されたものです。歴史とともに歩んだ施設の中に珍しい狛犬
を目にしたのでご紹介しましょう。(写真)

001_2

元禄5(1692)
年に妙観寺のご住
職が奉納したもの
とされ、志士でも
山犬でもない大変
珍しい貴重な「和
風狛犬」で、関東
地方では当社と旧
碓氷峠にある熊野
神社にしかないと
いわれています。
この狛犬は丸顔で、

目・鼻・口などカエルのようなユーモラスな顔つきは見飽き
ません。平成元年に横浜市地域有形文化財として登録されて
います。

縁あってこの神社の宮司様とは、私で三代目のお付き合いを
させていただいており、今年も例大祭では神輿の渡御に参加、
杉田のまちを練り歩きました。