「メジャーデビューおめでとうって、たくさんメール来たよ。なかじんも来た?」

「来たよ。学生時代の友達から」

「えっ…おれ来てないけど…ラブは来た?」

「来てない…」


HELLO ENDING

『SEKAI NO OWARIメジャーデビュー!』

ニュースが出た時、私たちはレコーディングの渦中で
なかじんが元気いっぱいに
コーラスを歌っているところだった。

驚くほどたくさんのメッセージが届きました。
私は一つひとつ読みあげながら、みんなに報告する。

「色んな人に知って貰えるチャンスだから嬉しいっていうメッセージとね、」

「と?」

「さみしい って。遠くなっちゃうんじゃないか って」

「ああ」

変わらない為には、常に変化していかなければならない。
でも変化はいつだって恐ろしくて、さみしくて、
目を背けたくなるほどの不安がつきまとう。

HELLO ENDING

深瀬は笑っていた。
笑いながら、私に言っても仕方がないことを話し始めた。

「何言ってんだ。どこにもいきやしないよ」

「うん」

「遠くなったりしない」

「そうだね」

でも、不安なキモチはよく分かるのだ。

深瀬も、私も、なかじんも、ラブも
大好きなミュージシャンに変化があったときは、
同じことを言い、同じように不安に思い、
同じことを願ったのだから。

「あー。じゃあさ、さおりちゃん」

「ん…?」

爆弾のような威力をもつ深瀬のアイデアが、
起爆する瞬間の空気だった。


HELLO ENDING


「あのさ、EARTHでライブしない?」

「え…?良いけど、なんで…?」

「何となくだけど…」

「何となく!?」

この忙しい時期に「何となく」とは何事だ!!
と言うと怒りそうなので、私は顔だけで抗議をした。

「いや、今色んなタイミングが重なって『不安だ』って言っている人が多くて。
それは時間が解決するのを待つんじゃなくて、出来ることがあると思うから」

「あーなるほどねー…」

「やろうよ」

「分かった、分かった。よし、じゃあスケジュール確認してみるよ」

スケジュールは埋まっていた。
どうにか空けられないか との質問に、
マネージャーは「…忙しいけど、大丈夫?」とだけ聞いた。

「全っ然ダイジョウブですっ!!!!」

なかじんは相変わらずの元気印で、そう答えた。

そういう訳で とっても突然ですが
私たちが作ったライブハウス、club EARTHでライブをすることになりました。
私たちがデビューをする前から仲の良かったバンドたちも、一緒に出ます。

入場無料、抽選者のみ日程通知のライブなので、
当選者は詳細が送られて来たら、
どうか自分だけの楽しみにしておいてください。

EARTH、ちっちゃいので。

夏休みのみなさん、是非遊びに来てください。

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EARTH LIVE

日時/当選者のみメールにて通知
入場/無料

下記メールアドレスに

・お名前
・年齢
・住んでいる地域

を書いて、送って下さい。

earth@sekainoowari.jp

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いつも本当にありがとうございます。
たくさんの応募、待っています。