われ等がアジト・地下室で
昼から始まった7時間近い練習を終えて
塩ちゃんこという 塩味ともしょうゆ味ともとれない
何とも美味な鍋をみんなで囲んだ後

私の愉快なバンドメンバーたちは
集団感染かと思うほどバタバタと眠りについてしまい
0時をまわった頃には地下室に私一人 取り残されてしまった。

「団長、もう寝ちゃうの?」

「ううん・・・・」

嘘である。
団長は何故か扇風機をあさっての方向に回して眠るのが好きで
今日も例によって22時には扇風機をあさっての方向に回す準備をしながら
靴下を脱いでいた。

「中じん、あれ、中じん・・・?」

中じんは、睡眠という世界を秒単位で生きているので
会話の途中で眠るという信じがたい体質の持ち主であるが

今日の場合は 中じんの眠る瞬間第一位に輝くであろう
「携帯でメールを打ちながら眠る」に該当していた。
この場合、2回に1回は靴を履いたままである。


ラブはというと、私が紅茶を沸かしたりブログを書こうとパソコンを起動したりすると
ちらっと起き上がってこちらを見ているので
一番眠りが浅いように思えるが
現在チアリーダーの様なポーズで眠っているので一概には言えない。

右手を90度に曲げて上げ、左手を腰に回しているその姿は
物凄く不真面目に走っているようにも見える。

かくして私は暇をもてあまし、
誰もが最初エロティックな内容を想像する 村上龍の「69」を片手に
地下室から歩いて15分とかからないマクドナルドへ
たった一杯の紅茶を飲みに行く事を決意したのである。

続く