舞台の休憩中、お客さんを退屈させない為に司会が居る事は多いが
サーカスの場合はどのようにステージを繋ぐかご存知だろうか。

それは「クラウン」つまり、ピエロの存在である。
ボリショイサーカスの場合も例に漏れず、その存在はやってきた。

「YAHAHAHAHA YAHAHA」

皆様ついてきているだろうか。
ピエロのテンションは異常なほど高い。
笑いながら人形の犬を散歩し、目から水を出している。

引き気味の団長はさておき、
私たちのバンドの中でも「休憩中に何をするか」という議題をあげよう。
ひと際目立つのが中じんである。

彼はバンドの休憩中に「漢字ナンクロ」をやる。

つまり漢字のクロスワードパズルなのだけれど、
私からしてみたら
一体どうして休憩中にクロスワードなんてやるのか。
余計疲れそうである。


「それ、面白いの?」

「面白いよ!」

「ふーん・・(興味無さそうに)」

「あ、そういえばこの間家のリビングでこれやってたらね」

「ん?」

「お母さんとお父さんも興味津々で」

「ほお」

「一緒にやった」


私の人生から非常に遠い位置にいた漢字ナンクロなるものを
リビングで一緒に解く家庭というものが
こんなに近くに存在していたとは。

彼は私の知る限り一番楽しそうに勉強する人間である。

ちなみに団長の家族も仲がよく、
未だに家族5人でディズニーランドに行っているのだから
こちらも負けず劣らず、灯台もと暗し、驚きの家庭である。


さて、舞台はサーカスにと言いたいところだけれど
ボリショイサーカスはここで閉幕。

電車に乗る前にじゃがいもを一瞬でポテトチップスに変えちゃうおじさんを見ていたら
バンドの練習時間にはいつの間にかぎりぎりで

急ぎ足で地下室へと向かった時、
行きの歩く歩道で見た「シルクドソレイユ」のちらし。

「あれ、ボリショイサーカスじゃなかったんだね」

「シルクドソレイユだよ、あれ」

「何それ」

「んー、涙が出るサーカス?」

「??」

バンドの練習の少ない休憩時間を楽しみにして、検索をかけた。

続く


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オマケ
漢字ナンクロ一例。どう、やる気起こる?

HELLO ENDING-漢字ナンクロ