1週間前くらいだろうか。
「さくらさくら 今舞い落ちる」を歌う方の母君と、お酒を飲む機会に恵まれた。
大らかで溌溂と話す、きらきらした素敵な女性だった。
その時に、「私は曲を、リビングルームで書くのよ」という話を伺った。
なるほど、今回の彼女のNEWアルバムのタイトルは「Living」である。
どこで曲を書くか?
これは作曲家にとって非常に性格の出るセレクトではないかと、思う。
机に向って楽譜と格闘する作曲家の友達はとても多いけれど、
トイレじゃないと浮かばないとか、雨が降ってると良いとか、奇特な知り合いも居る。
「自転車に乗ってないと・・・」
これは、我らが団長の創作フェチズムである。
彼は作詞作曲など創作行為をしている時、自転車でどこへでも行ってしまう。
EARTHでのリハーサル前に
「ああ 何かちょっと書けるかもしれない!」と言いながら
自転車でぴゅーんといなくなってしまったのは私達の中でも有名な話である。
中じんと私は室内にいる事が多いけれど、
私の場合は、割と人の多い所を好んで作曲をする。
例えば、電車や駅のホーム、それから乱雑とした喫茶店、
それに渋谷のハチ公のような人がたくさんいる場所も。
不眠で悩んでいた頃に、安心して眠たくなった場所は
深夜に人が集まるゲームセンターだったから、
恐らく私は人がたくさんいる場所に、賑やかにしている場所に安心するのだろうと思う。
だからね、
作曲をする場所は、その人間の本質が覗ける。という持論が、密かにある。
私は私の人生に色をつけてくれた尊敬するアーティスト達に会えたら、
聞いてみたい。そして密かに覗いてみたい、本質を。
「どこで作曲するの?」