昨日の「嵐にしやがれ」は見所がありすぎて大野智ファン大歓喜でした。
テレビ紙によれば、オリンピックメダリストである石川選手に大野智が卓球の腕を褒められるシーンもあったようなのに、それがまるっとカットされてたのが残念と言えば残念ですが……
久しぶりにゲストがいない「作ってみよう」!!!
一般のおじ様とすぐに仲良くなれる大野智の真骨頂でした!
で、わたしが注目したのは冒頭の小芝居です。
「作ってみよう」のプロデューサー(鹿の角で釣り針作ったときにチラッと映ったハイヒールで釣りに挑む女子力P)とディレクター(その姿が映ったことは無いが声で大野智と丁々発止なやり取りしてる歯糞D)は大野智にコスプレさせるのが好きらしく、毎回何かしらの衣装でファンを喜ばせてくれるのですが。
今回の小芝居は、猿の被り物の大野智とカニの被り物の大野智による「さるかに合戦」でした。
ワイプでメンバーが「凝ってるな!」と言っていたのですが、これ、実はすげえ高度な芝居だってことに気づかれていたでしょうか?
さるかに合戦は、実はなかなか残酷なストーリーなので現代のさるかに合戦では話がだいぶマイルドになってるらしいですが。
冒頭部分で言うなら、ようするにカニがせっせと柿を育てたものの、大きく育った柿の木にはカニ自身が登ることができず、ひょいひょい木に登った猿に柿を取ってくれと頼んだら意地悪な猿に渋柿ぶつけられて物語ではカニは潰れて死んでしまう(そしてわらわらと登場したカニの子供達によって猿はなかなか残酷なリンチに合う)……まあ今回の小芝居では、そんな残酷な展開にはならず、渋柿ぶつけられたカニが怒って「俺は甘い柿が食べたいんだ」と怒る、って展開でした。
ねえ一本の木に甘柿と渋柿が混在してるっておかしくない? ってツッコミはともかくとして。
わたし最初、猿は別の誰か、それこそADが演じてんのかと思ったんですよね。
それくらい、天真爛漫なカニと意地悪な猿の表情が違ったんです。もちろんそんなわけはなく、カニも猿も大野智一人で演じていたわけなのですが。
大野智の演じ分けには定評がありますよ。かの「怪物くん」第三話で、アックマーが化けてた偽怪物くんと本物怪物くんの演じ分けがすげーっΣ とネットニュースとかにもなってましたし。
いや大野智の場合、「演じる」っていうと語弊があるんです。
彼の場合、「演じる」じゃないんですよ。「演じる」って言うのは、あくまでも本来の「自分」を残した上で、その上に別人を演じる、装うってことじゃないですか。
大野智の演技には、そこに「大野智」がいないんですよ! 何を演じても「はまり役」と言われ、「大野智そのもの」って言われるのは、その演技が「素」と疑われるくらい自然だからだと思うんですよね!!
魔王の冷酷な復讐鬼、成瀬領も。
歌のお兄さんの就職難に苦しむ現代の好青年、矢野健太も。
怪物くんのわがままで世間知らずな怪物太郎も。
鍵のかかった部屋の無口で無表情で鍵ヲタクでけれど裏に黒いバックがありそうな榎本径も。
死神くんの心優しくて世間知らずで時に気弱で時に気丈な死神№413も。
世界一難しい恋の仕事に厳しく自分に甘く孤独で純情な鮫島零治も。
何をやっても「大野智そのもの」と言われるくらい役に入り込めるって、すごい話だと思うんですが!!
普通に「成瀬領」と「矢野健太」を並べても同一人物に見えないですよ。でもこの二人は2008年の7月と2009年1月という、きわめて近しい期間に演じられた役なんです。容姿だってそう大きく変わってはいないはずなのに、まとう雰囲気からして全く違うのはすごいことだと思うんですが!!!
あ、すいません。めっちゃ熱く褒めちぎってしまいましたが、全てはファンの欲目です。わたしは演技については全くの素人で、ただ大野智の演技が好きってだけですので、あーはいはいくらいに思って頂ければ。
で、さるかに合戦に話を戻すのですが。
バラエティの小芝居なので、そんな真剣に役作りをしたとは思えないのですが、猿とカニで全く表情も口調も違うのが本当にすごい。
何よりすごいのは、このさるかに合戦、多分合成で作られたシーンだろう、という点です。
当たり前ですが人は同じシーンに同時に立つことはできませんから、猿のシーンとカニのシーンは別々に演じて、それを後で一つのシーンとして合成で作られたはず。
つまり、猿を演じたとき、そこにカニはいないし、カニを演じたとき、そこに猿はいなかったはずなんです。
なのにとてもそうは見えない自然なやりとりでしたよ!
猿が柿をぶつけるその視線の先にはカニが見えたし、カニが柿をぶつけられて痛い痛いって悲鳴あげてるときはその先に意地悪な猿が見えましたよ!
いやーいいものを見せてもらいました。ハロウィンのときのかっこいい魔王様のコスプレもよかったですが、コントに見せかけて卓越した演技力ちらりなさるかに合戦も素晴らしかったです!
大野智の作ってみよう!は、本当に大野智のことが大好きで彼の良さを引き出そうと考えているスタッフが頑張ってくれてるんだな、と実感できました。