セカムズの各話から名場面と言える場面を抽出し、日テレのこちら の企画に応募しよう第5回です。
昨日、4話の名場面で舞子秘書の過去について触れなかったことを今頃後悔しています。
さて5話です。
この回は、鮫島と一緒にただただひたすら、じりじりと美咲の答えを待つ回でした。
名場面、って言ったらどこになるんでしょう。5話はワンシーンを切り取るのが難しい……
この回は運転手さんのモノローグにて、鮫島が会社にいる間の運転手さんの過ごし方が判明しました。
そのついでに美咲は基本的に休日は図書館で過ごしていることと、江國かおりが好きらしいことも判明しました。
あのとき運転手さんに進めてた「神様のボート」って小説は何やら意味ありげな内容だったらしいですが、未読なのでまた読んだら記事にしたいと……今のところ読む予定はないんですが(ぇ
えーと名場面。
そういえば運転手さんが結婚したのこの回で、ジャックが登場した回でもありましたね。
鮫島がいいところを見せようとして、盛大な結婚披露パーティーを企画したのに不発に終わってしまったシーンは可哀想でした……
エレベーターで2人きりとか、社長室に企画書提出に来た美咲とか、ぴーんと張りつめるシーンはいくつかあったんですが。
でも鮫島は知らないでしょうが、美咲は美咲で悩んでたんだよ、ってシーンはよかったです。
今までずっとまひろちゃんの話を聞いてあげるだけだった美咲が、初めてまひろに相談を持ち掛けるシーンとか?
個人的にはイシガミシュランもちょっと推したいところなのですがw
舞子秘書や運転手には、八つ当たりしたり弱い姿を見せたりしてる鮫島が、美咲の前でだけは「余裕ある大人の態度」を貫いて、でも美咲がいなくなった途端に落ち込んでため息をつく姿とか視聴者は胸キュンものでしたが。
あ、鮫島が緑を諦めたシーン?
美咲の返事を待つ間、美咲が好き、って言ってくれた緑をずっと身に着けてた鮫島ですが、5話の終盤で緑をやめてしまったのですね。
それに、どうやら美咲も気づいているっぽいシーンとか。
あー! どれも細かい! 「グッときた名場面」には違いないけど、ドラマ見てない人にそのシーンだけ見せても多分良さは伝わらない!
となるとやはりここか!
終盤! 美咲は仕事の後、ジムで返事をすると伝えるものの、急な仕事が入って約束の時間までにジムに辿り着けない!
鮫島はずっと美咲を待っていたけど、美咲が来ないことで一旦は諦めようとする!
でもそこで互いに諦めなかった!
美咲は会社まで必死に走り、鮫島は一度は帰ろうとしたのに再びジムに戻ってランニングシーンに向かった!
2人の対面。そして!
美咲「遅くなって、申し訳ありませんでした」
鮫島「……実はな、俺も、今来たところなんだ」
からのアップになる、ランニングシーンの73分/11キロの文字!
ここではないでしょうか!
一話で「女性がデートに遅刻して来たら何と言いますか?」「待った分数を正確に伝えてやる」って言ってた鮫島が! 美咲のために「今来たところだ」と嘘をついたあのシーンで視聴者の涙腺決壊でしたよ本当に!
あー5話は本当にあのシーンばっかり何度繰り返し見たことか!!!
この嘘があってこその、「わたしも同じ気持ちです」「それは、俺と交際していただける、ということだろうか?」につながるんですよ!
5話の一番の名シーンって言ったらやっぱりここは外せない!
ところで、5話についてこの解釈になるほどー、と思いました。
実は現代って、恋愛ドラマがすごく作りにくくなっているんだそうです。
というのも、今はあまりにも便利すぎる携帯電話というツールのおかげで、誤解からのすれ違いという王道展開が使えなくなっているからです。
デートの待ち合わせにおいて、一方がアクシデントで遅れてしまう、待たされている方は振られたのだと早合点して待ち合わせ場所を去ってしまう。遅れた方は諦めきれずに待ち合わせ時間を何時間も過ぎてから待ち合わせ場所に現れる。彼女が待っているわけない。でももしかしたら……とその場に何時間もたたずんでいると、人っ子一人いなくなった真夜中、背後から足音が……
なんて展開現代では使えないんですよ!!!
今だったら、LINEで「ごめんこれこれの事情で遅れる」「了解」で一発解決しちゃうんですよ!
全く便利すぎる世の中になったおかげで作家はシチュエーション考えるのに苦労させられるんですよ!
一昔前に流行ったクローズドサークルもの(※雪山山荘などに大雪のため閉じ込められた参加者。うち一人が殺人鬼で一人また一人と被害者が……みたいなミステリーの王道の一つ)が今はほとんど「携帯で警察に助けを呼ぶ」の一言で済まされちゃうんですよ!
あ、失礼、話がそれました。
まあともかく、今回のグッと来た名場面だって、本来だったら美咲から「仕事で少し遅れます」と電話入れたら、それで話は終わるはずなんですよ。
しかし、美咲と鮫島は新入社員と社長という関係にあるため、個人携帯の連絡先を知らない、という設定に不自然さがない。
待ち合わせ場所にジムを指定したことで、直接電話をかけることができない。
待ち合わせ時間を定時後にしたことで、職場に社員が誰も残っていない、という設定も不自然ではない。
結果として、遅れるということを鮫島に伝えられない美咲→待ち合わせ場所まで必死に走る、という展開をごくごく自然に織り込むことができたわけです。
いやいや、本当に設定と脚本がよく練られているな、と感心しました。
やっぱりセカムズは名シーンをワンシーンに絞るのが難しい!! やはり2時間くらいのダイジェストで……(略)